レアメタル確保で遅れを取る韓国

レアメタル確保で遅れを取る韓国(上)
http://www.chosunonline.com/news/20090930000051
記事入力 : 2009/09/30 14:05:11


 21日に京畿道利川の鉱物資源公社・希少金属備蓄基地を訪ねた。倉庫の前には高さ80センチほどのドラム缶のような鉄筒が120個ほど置かれていた。鉄筒の中には鉄鋼材や半導体を作る際に混入されるモリブデンが入っていた。これは米国産モリブデン原石を産業用に加工したものだ。この日は30トンが搬入された。

 レアメタルは、石炭や銅など一般鉱物とは異なり、産出量が少なく一部の国だけに埋蔵されている。情報産業(IT)から自動車、バイオ、航空、宇宙と数々の産業で中核素材として使用されていることから、「産業のビタミン」と呼ばれている。レアメタルの備蓄は同公社と調達庁が主に行っている。

■トン当たり4000万ウォン超

 倉庫の中にはモリブデンやクロム、チタニウムなど6種類の鉱物が7206トン貯蔵されている。産出国が輸出を中断した場合の備蓄用だ。

 同公社の備蓄倉庫に最も多かったのはステンレスを使う際に使われるクロム(6436トン)だった。これらは主にインドとロシアから輸入したものだ。クロム倉庫は昨年初め、重さで地盤が崩れたことから補強工事をした。

 ヤン・グァンソン流通事業チーム長は「世界経済の回復でレアメタルの価格が上昇傾向にある」と話した。鉄鋼添加剤のニオブはブラジルが世界の生産量の90%を占めており、現在の価格は、1トン当たり4000万ウォン(約300万円)台と今年初めの2倍に上昇した。

利川=金承範(キム・スンボム)記者

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

レアメタル確保で遅れを取る韓国(下)

http://www.chosunonline.com/news/20090930000052

記事入力 : 2009/09/30 14:05:18

■中国は一部品目の輸出を制限

 韓国のレアメタル輸入量はここ5年で45%増加し、金額では239%増加した。レアメタルの輸入依存度は95%に達する。

 レアメタルは、2次電池や携帯電話、発光ダイオード(LED)、ハイブリッドカー風力発電など最近注目されている産業の必需的な物質として、各国が確保競争を展開している。

 日本はレアメタル確保のため、アフリカや南米に借款を提供し、探査・開発に取り組んでいる。米国と欧州連合EU)は6月、中国が世界生産量の97%を占めるあるレアメタルの輸出を制限したため世界貿易機関WTO)に提訴した。

 韓国がレアメタルを本格的に備蓄し始めたのは2、3年前からだ。1980年代から備蓄を始めている日本にかなり遅れを取っている。日本のクロム、モリブデンなど7種のレアメタル備蓄量は昨年末現在で35日分。一方同公社が備蓄している6種のレアメタル備蓄量は5.7日分にすぎない。

 しかも購入予算も減っている。同公社の来年のレアメタル購入のために政府から支出される資金は65億ウォン(約4億9000万円)と今年に比べ20億ウォン(約1億5000万円)少ない

 サムスン経済研究所のキム・ファソン主席研究員は「レアメタルを武器化する動きが各国でうかがえる。備蓄を急がなければ韓国の新成長産業育成に支障を来す恐れがある」と懸念を示した。

 生産技術研究院のペ・ジョンチャン生産基盤技術研究本部長は「備蓄とリサイクル、レアメタルを素材に製作する技術開発が同時に進まなければならない」と指摘した。


写真提供=鉱物資源公社

利川=金承範(キム・スンボム)記者

まぁ韓国に備蓄量で勝ってても油断は出来ませんけどね。