消えた「核心的利益」 米中共同声明

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110120-00000652-san-int
 【ワシントン=佐々木類】米中首脳会談の直前まで発出が危ぶまれていた中共同声明から、「相互の核心的利益の尊重」という言葉が消えた。東シナ海南シナ海での海洋覇権拡大を狙う中国を警戒する米国が、明記を求めた中国側を押し切った形だ。

 今回消えたのは2009年11月のオバマ大統領訪中で出された共同声明に明記された「米中両国が相互の核心的利益を尊重することは、両国関係の着実な進展を確かなものにするために極めて重要だ」という一文で、中国側は「対米外交での大きな勝利」としていた。

 核心的利益とは、中国の安全保障問題上、譲歩できない国家利益のことで、台湾やチベットが主な対象とされてきた。しかし中国側は昨年春、南シナ海についても「核心的利益」だと米国側に主張し始め、米国の強い反発を招いていた

 「核心的利益」が消えた代わりに、声明には両首脳が「(09年の)共同声明をより強く再確認した」との文言が明記され、中国側への配慮も示された。

 また、「米国をアジア太平洋の国として中国が歓迎する」という文言が新たに盛り込まれ、米国のアジアへの関与が鮮明に打ち出された

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これはオバマ大統領が、言論や集会の自由の擁護は「米国の核心的な見解」と言っていた↓ので、中国も核心的と言えばなんでも通るのはまずいと思ったんじゃないですかね。
NHK画面また真っ黒…胡主席会見を中国規制か
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110120/p7

しかし米国のアジアへの関与を中国が認めるのは、
中国ASEAN大使「南シナ海問題、日米関与認めぬ」
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20101023/p2
から大きな方向転換じゃないですかね。またこのリンク先、

中国政府は今年に入って米国政府に対し、南シナ海の問題は台湾やチベットの問題と同列の「核心的利益」だと説明したとされる。中国政府高官は「この問題で中国政府が公式に『核心的利益』との言葉を使ったことはない」と主張する

とあったのですがこの点はうやむやですかね。しかし中国からこれだけの譲歩を引き出すのはアメリカはさすがだなーと思いますね。中国が一度言ったことを守るのかは疑問ですが。