シリア各地で抗議デモ、強硬手段で排除か 死傷者情報も

http://www.cnn.co.jp/world/30002196.html
(CNN) 目撃証言によると、中東シリアの首都ダマスカス、ヒムシュ、バニヤースなどの各地で18日、抗議デモや暴動が発生、治安当局が強硬手段で排除を図った。死傷者が出たとの情報もあるが、事実確認は困難となっている。

シリアでは、北アフリカや中東諸国での政変、反政府デモの高まりを受け、国内でも政府への抗議行動が発生し、当局が厳しく弾圧したとも伝えられていた

目撃者によると、18日のデモには数百人規模が参加し、自由や汚職根絶などを要求した。警官隊が周囲を取り囲み、逮捕者も出たという。治安当局は国内5カ所で同時にデモが発生することは予想していなかったとも述べた。

交流サイト「フェイスブック」には、デモ隊と治安要員が衝突する画像が掲載された。

国連の潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は声明を発表し、死亡者が出たとの情報について懸念を表明、平和的な抗議行動に対する暴力的な手段の行使は受け入れ難いとし、シリア政府に自制や表現の自由の尊重などを求めた

また、米ホワイトハウス国家安全保障会議の報道官はシリア政府に対し国民の正当な要求に対応することを促し、今回の暴力行為を強く非難した。

東京外語大の翻訳のアラビア語メディアal-Hayat紙では死亡1人となっています。
シリアのダルアー市で再び衝突:死亡1人、負傷者多数、政府関連施設焼討 (al-Hayat紙)

http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20110321_134006.html
2011年03月21日付 al-Hayat紙

■シリアのダルアー市で再び衝突:死亡1人、負傷者多数、政府関連施設焼討

2011年3月21日『アル=ハヤート』
【ダマスカス、ニコシア:ロイター、AFP】

シリア南部のダルアー市で反体制デモ開始から3日目の昨日、再び衝突が発生し1人が死亡、複数が負傷した。これを受け、デモ参加者は市内の裁判所やバアス党本部を含む政府関連の施設を焼き討ちにした。壁に反体制スローガンを落書きして最近逮捕されていた学生15人の釈放の発表、犠牲者の葬儀への政府代表の派遣、そしてそれに先だって(デモ発生の真相究明のための)調査委員会設置などを通じて政府はデモの沈静化を試みたにもかかわらず、緊張は現在もなお緩和していない。

昨日(20日)、ダルアーでのデモは継続・エスカレートし、複数の住民によると、デモ参加者は、自由、腐敗撲滅を要求、近隣の村々からも参加者が加わり、市内のバアス党本部、裁判所、(大統領のいとこのラーミー・マフルーフ氏が経営する)携帯電話会社2社の支局に火を放った。ダルアーのAP通信によると、デモ参加者は、市内に集中的に展開する治安部隊との衝突直後、昨日の午後に裁判所をはじめとする施設に火を放った。

現地の状況に関して、同通信社は、数百人からなるデモ行進がダルアー市の旧市街から県知事邸に向かって行われ、治安部隊が催涙弾や空砲を通じて排除を試みたが阻止できなかった。また、デモ参加者は途中に、裁判所施設および施設前に駐車していた複数の車に放火し、その後、携帯会社のシリアテルとMTNの建物2棟にも放火した。目撃者によると、デモ参加者は県知事邸に到着すると敷地前の木々に放火した。

ある人権擁護活動家が昨日、ロイターに述べたところによると、「治安部隊は数万人のデモ参加者に向かって実弾を放った」。また「(昨日の)デモ参加者の最初の死者ラーイド・カッラード氏は実弾によって倒れ」、2人が頭を負傷し「危険な状態にある」。カッラード氏は、金曜日にダルアーでデモが始まって以来、治安部隊によって殺された5人目の民間人となった。

一方、政府は、学生15人の釈放を約束することで民衆の沈静化を図ろうとしている。彼らは壁に反体制的なスローガンを落書きしたことで逮捕され、それがデモ高揚のきっかけになった。また金曜日のデモの犠牲者の葬儀に代表団を派遣した。さらにシリア政府は一昨日(19日)、内務省のもとに委員会を設置し、ダルアーでの今回の「不幸な」出来事の調査を任じた。一方、複数の高官がダルアー県の複数の著名人と次々と会談した。これらの著名人はさまざまな要求を提示しており、そのなかには、政治犯の釈放、ダルアーにおける秘密警察本部の解体、県知事の罷免、デモ参加者殺人の責任者に対する公開裁判の実施、秘密警察への財産売買の許可取得規定の廃止などが含まれている。

ダルアーはヨルダン国境沿いの部族地区であり、デモは同市出身の女性活動家2人の逮捕によって激化したものと考えられている。その2人とは、政治犯数千人の釈放を求めてダマスカスで先週実施されたデモに参加したディヤーナー・ジャワービラと、インターネットで政治的発言を行ったとの容疑で3週間前に逮捕された女医のアーオシャ・アバー・ザイド氏である。同時に、秘密警察は今月に入って、複数の学校や穀物粉の壁に、「人民は政権打倒を欲する」というエジプトやチュニジアの革命のスローガンが落書きされたのを受けてダルアーで多くの市民を逮捕していた。

この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る

(翻訳者:青山弘之)
(記事ID:21887)

バーレーンに続いてこちらも予断を許さない感じです。