【インドネシア】円借款、危機後最大の1200億円超

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070329-00000005-nna-int


 日本は2006年度の新規円借款第2弾として9件のプロジェクト借款998億1,100万円の供与を発表した。23日に発表した2件のプログラム借款や、昨年11月に調印されたジャカルタの大量高速公共交通システム(MRT)向けを含めた総額はアジア経済危機後最大となる1,252億3,400万円となる。

 05年度の総額は930億500万円だった。借款条件で折り合わなかったMRTなど除外され、06年度に加えられた。ただ、MRTの第1弾の詳細設計向け18億6,900万円を除いた場合でも、危機後初めて1,200億円を超える規模となった。また、インドネシア政府が外国債務の縮小を打ち出す中も削減された事業などはなかったという。

 他国との比較では、前年度最大のインドとの公文交換(E/N)が30日に予定されていることから、インドネシアは今年度の暫定1位となっている。また前年度内の供与が見送られている中国も06年度分が大幅に拡大するとみられる。

 インドネシアへの円借款累計額は4兆1,659億3,300万円となった。国際協力銀行JBIC)は29日に今回分の融資契約を締結する予定となる。

 9件のプロジェクト借款は8件がアンタイド、1件がSTEP(本邦技術活用条件)のタイドとなる。タイドの事業は、スマトラ島の地図データの整備と国土空間データ共有のためのネットワークシステム整備、そのシステムの活用による効率的な地域開発計画策定支援を行う「国土空間データ基盤整備計画」。供与額は63億7,300万円で、融資契約後すぐにコンサルタントの選定を開始し、実際の業者選定入札は、今年末〜来年初頭となる。事業は2009年半ばに始まり2013年半ばに完了する予定。今回の借款で完了までの額が含まれている。

 アンタイド事業のうち最大となる事業はナングル・アチェ・ダルサラーム州のプサンガン水力発電所建設計画の260億1,600万円。州北部プサンガン川上流のタワール湖付近に容量86.4メガワットの水力発電所を建設する。来月にコンサルタントの選定を開始し、実際の着工は来年1月ごろで2013年12月の完工が予定されている。

 このほかに電力事業では、国営電力PLNの発電業務改善計画の44億9,800万円、北西スマトラ連系送電線建設計画の161億1,900万円が含まれた。PLNの発電業務改善は主にジャワ〜バリ、スマトラ系統を対象に行われる。スマトラ連系事業では、アチェ〜北スマトラ系統と西スマトラ系統をつなぐ275キロボルト(kV)の2回線の送電線や変電所を増設する。

 ■アチェ復興に道路敷設
 
 また04年末のスマトラ沖地震津波や政府と旧独立派組織「アチェ自由運動」(GAM)の紛争で疲弊したアチェの復興計画に115億9,300万円を供与する。内陸部で津波被害はなかったものの、地震や紛争の影響が残るグンパン〜パメウの64.8キロメートルで道路を整備するほか、津波被害の大きかった州都バンダアチェ、西海岸のムラボで都市排水路を整備するとしている。

■世界へ好影響、日本がトップ=中韓では「否定的」−国際世論調査
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070306/1173188212で、『インドネシアでは8割以上が日本を評価』ってのはこのためですかね。まぁ感謝してくれる国は良いです。