<イラク>比較的安全なクルド地域 復興に向けた動き加速

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070407-00000091-mai-int


 イラク北部のクルド地域に春がやってきた。米軍・イラク治安部隊による武装勢力の掃討作戦が続き、常にテロと隣り合わせの首都バグダッドなどイラク中部とは異なり、比較的安全なクルド地域ではクルド人が家族総出でピクニックに繰り出す。03年4月9日の旧フセイン政権崩壊から4年。経済発展への障害は多いものの、クルド地域は復興に向けた動きが加速している。【アルビル(イラク北部)高橋宗男】

 クルド地域はイラク北部3県からなる。トルコ、シリア、イランと境界を接し、険しい山岳と丘陵が大半を占める。春を迎え、木々の緑と菜の花の黄色が鮮やかだ。

 バグダッド北方約300キロに位置するクルド地域の首都アルビル。休日の6日、旧イラク国軍演習場跡地に造成された2平方キロの「サミ・アブドルラフマン公園」は春を満喫する家族らでにぎわっていた。

 「今のイラクではクルド地域が最善だ」。子供たちのはしゃぐ声が響く公園でクルド人のソランさん(39)が話した。昨年6月、約20年暮らしたバグダッドを脱出し、故郷に近いアルビルへ移った。国連機関現地職員としてバグダッドで働いていた同僚が武装集団に拉致、銃殺された事件がきっかけだった。

 なぜクルド地域の治安は良いのか。1歳の娘を抱いた公務員のファルハドさん(40)は「見慣れない人間がいたらすぐ治安警察に連絡が行く」と説明する。住民の大多数がクルド人という「同質性」が主な理由だ。

 91年の湾岸戦争後、事実上の自治区となったクルド地域では15年以上にわたり治安維持システムが温存されてきた。03年のイラク戦争で治安維持機構が崩壊した他の地域とは大きく異なる。クルド民主党クルド愛国同盟のクルド人2大政党の民兵組織「ペシュメルガ」は地域軍や治安警察に移行し、「よそ者」の侵入に目を光らせる。

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 クルド地域政府は良好な治安を最大の売り物にに海外から投資を呼び込みたい意向だ。外国企業を対象に
▽100%出資と利益確保の保証
▽10年間の無税措置
▽土地の無償提供――といった優遇措置を導入した。だが外資の進出は思うように拡大していない。

 トルコ紙ニューアナトリアンのイルヌール・シェビキ・アルビル支局長は「クルド地域はあくまでイラクの一部。外国企業にはイラクの全体状況が投資のリスクと映る」と解説する。進出外資の大半はトルコ企業。建設業界はトルコ企業が9割以上を占め、貿易も85%がトルコ経由だ

 クルド地域の就労人口の7割以上が公務員。地場産業が乏しく、財源を中央政府に頼らざるを得ない台所事情も発展の足かせとなっている。歳入の7割近くは公務員給与に消える。

 アルビルの空港に向かう道路沿いにはトルコ企業が建設した高層マンション十数棟がそびえ建つ。だが地元住民は「価格が20万ドル(約2400万円)もする。まだ誰も入居していない」と言う。「イラクで一番安全」とされるクルド地域でも経済復興はようやく緒に就いたばかりだ。

イラク>バルザニ・クルド地域政府議長、本紙と単独会見http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070407/1175902416
では、結構クルド問題大きそうな感じでしたが、どうなんでしょう。