<エリツィン葬儀>「要人派遣せず」に与野党から批判

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070428-00000011-mai-pol

 23日死去したロシアのエリツィン前大統領の葬儀に、日本政府が要人を派遣しなかったことが波紋を広げている。葬儀には米国のブッシュ元大統領、クリントン前大統領ら各国の元首級の要人が参列したが、日本からは現地の斎藤泰雄駐露大使。麻生太郎外相は27日の衆院外務委員会などで「間に合う飛行機がなかった」と釈明したが、不発に終わった「弔問外交」に、与野党から政府の機動力不足を指摘する声が出ている。

 「日露関係の緊密化のためには、大使よりもハイレベルな特使の派遣が必要だったのではないか」。公明党丸谷佳織衆院議員は同日の衆院外務委で、斎藤大使を出席させた政府の対応を批判。民主党武正公一衆院議員も衆院テロ防止・イラク支援特別委員会で同様の批判を展開した。

 25日の葬儀にはクリントン、ブッシュ両氏のほか、各国からケーラー独大統領、メージャー前英首相ら多くの要人が参列した。

 麻生外相は答弁で
(1)ロシアから「各国代表団の公式招待はしない」と表明があった
(2)葬儀の通報を受けたのは24日午前で、商用機では葬儀に間に合う便がなかった――と強調。対露外交の重鎮・森喜朗元首相の派遣も検討したが「チャーター便の手続きが間に合わなかった」とし、「数十人乗りの小さなチャーター便で(緊急の海外出張に)行ける(体制)というのを、今後考えるべきではないか」と述べた。

 だが、隣の韓国は韓明淑(ハンミョンスク)前首相が死去の報と同時にモスクワに飛び、葬儀に間に合った。丸谷氏に「すぐ弔問に行くことは考えられる」とただされた麻生外相は「亡くなったと同時に(特使を)送っておけば、こんな(大使出席という)ことにならなかった。反省の一つ」と答えた。エリツィン氏の死去発表直後(24日未明)に出されたのが麻生外相の談話だけで、安倍晋三首相のコメントが出なかったことにも、外務省内などから疑問の声が出ている。

 外国要人の葬儀を巡っては05年4月、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の葬儀に小泉純一郎首相(当時)の特使として川口順子首相補佐官(同)が出席。葬儀にはブッシュ米大統領やブレア英首相ら、世界180を超える国・地域から元首・首脳級の要人が参列しており、首相が出席しなかったことが国内で問題視された。【中田卓二】

あいかわらず、危機管理っていうか、緊急時の機動力がないですなぁ。