政府と北ワジリスタン地区の武装勢力の協定ってどうなってるのかな。

まず、
アルカイダ潜伏地」で戦闘、35人死亡 パキスタン
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200707240016.html

2007.07.24
Web posted at: 17:40 JST

  • REUTERS

イスラマバード(ロイター) 国際テロ組織アルカイダアフガニスタンの旧支配勢力タリバンが潜伏しているとされる、パキスタンの北ワジリスタン地区で23日、国軍と武装勢力による戦闘があり、武装勢力の少なくとも35人が死亡した。

戦闘はなおも続いており、21日夜の発生からの死者は54人に上っている。

軍スポークスマンによると、北ワジリスタン地区の町ミールアリで、軍の検問所がロケット砲で襲撃されたことをきっかけに激しい戦闘が発生した。武装勢力側の死者のほか、軍側に7人、武装勢力側に19人のけが人が出ている。

パキスタン政府当局は昨年9月、国外から流入した武装勢力を孤立させることや、隣国アフガニスタンへの侵入を防ぐことなどを目的に、北ワジリスタン地区の武装勢力と停戦協定を結んだ。しかし、武装勢力は先週、この協定を破棄し、軍への攻撃を再開している。

ボディカウント的なことに手を出しても、きりが無いと思って『何人死亡』的なニュースはあまり取り上げてきませんでしたが、ついさっき
パキスタンビンラディン容疑者潜伏説に抗議の声明
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070724/1185280266
で、

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ムシャラフ大統領は昨年、アルカイダタリバーンの構成員らを潜伏させないことを交換条件に、北ワジリスタンから部隊を撤退させることで部族地域の指導者らと合意した。合意は先日撤回された
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と書きましたが、上の記事によると『武装勢力は先週、この協定を破棄』なんですね。調べてみると、結構複雑かも…早く寝たいけど。

パキスタンで自爆攻撃2件、31人死亡
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200707160002.html

2007.07.16
Web posted at: 09:57 JST

  • CNN/AP/REUTERS

ラホール──パキスタン北西辺境州で15日、自爆攻撃事件が2件発生し、少なくとも31人が死亡した。スワート地区では未明、治安部隊の車列が自爆犯2人と路上爆弾で攻撃され、少なくとも14人が死亡。また、デライスマイルカーンの警察本部でも自爆攻撃があり、警官と志願者17人が死亡した。

軍関係者はCNNに対し、スワート地区の死者のうち11人は治安要員、3人は民間人であることを明らかにした。負傷者は39人おり、うち28人は重傷。自爆犯らは爆弾を積んだワゴン車で治安部隊の車列に激突し、同時に路上爆弾が爆発したという。爆発規模は大きく、現場付近の民家や店舗に被害が出た。

14日にはアフガニスタンとの国境に近いミランシャで、軍の車両2台を狙った自爆攻撃があり、24人が死亡、数十人が負傷した。犯行声明は出ていないものの、現場一帯の部族地域「北ワジリスタン」では、タリバンアルカイダに同調するイスラム武装勢力が活動している。

パキスタン政府は、強硬派のイスラム神学生が立てこもっていた首都イスラマバード市内のモスクに治安部隊が突入、多数の死傷者が出た事件の後、武装勢力の報復攻撃に対応するため、北西辺境州に数千人規模の部隊を派遣した。

こうしたなか、北ワジリスタンの武装勢力は15日ミランシャで、昨年9月に政府と結んだ和平協定を破棄すると発表武装勢力は、政府が協定を破ったと主張している。

ということで、なんかソースCNNばかりなのですが、モスク強行突入かその後の数千人規模の部隊を派遣したのを『政府が協定を破った』と言っているんでしょうね。

それ以外の新聞社だと、
朝日新聞は、
部族地域で治安部隊17人死亡 パキスタン
http://www.asahi.com/international/update/0719/TKY200707180682.html

 アフガニスタンと国境を接するパキスタン部族地域・北ワジリスタン地区で18日、治安部隊の車列が攻撃され、軍報道官は兵士17人が死亡したと明らかにした。イスラマバード武装神学生立てこもり事件が軍に制圧されたことにイスラム過激派は反発を強めており、報復攻撃だった可能性が高い。

 AP通信によると、道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発。その後、過激派とみられる一団が車列に銃撃を加えた。

 政府は昨年9月、同地区の武装勢力と「和平協定」を結び、軍の掃討作戦を中止したが、強行突入に反発した武装勢力は協定を破棄。政府への報復を呼びかけている

 一方、17日夜にイスラマバードで起きた自爆テロの死者は計16人に達した。

武装勢力を非難気味ですな。
毎日新聞は、
パキスタン武装勢力が軍襲撃 双方で34人死亡
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/mideast/news/20070719k0000m030048000c.html

 【イスラマバード栗田慎一】パキスタン北西部にある連邦直轄部族地域の北ワジリスタン管区で18日、軍治安部隊の車列が武装勢力に襲撃され、激しい交戦に発展。地元テレビによると、少なくとも兵士17人と武装勢力17人が死亡した。

 同管区では06年9月、アフガニスタンの旧支配勢力「タリバン」を支持する武装勢力と政府と間で「停戦協定」が結ばれたが、イスラマバードのモスク(イスラム礼拝所)「ラル・マスジッド」の武力鎮圧後の15日、武装勢力側が一方的に協定を破棄した。

毎日新聞 2007年7月18日 19時15分 (最終更新時間 7月18日 21時20分)

と一方的に破棄といっているので交渉は行われなかったという意味なんでしょうけど、
モスクろう城:「降伏」合意後に軍が突入 大統領側がほご
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070716/1184548961
も同じ栗田慎一という人が書いているのですが、モスク強行突入は政府が合意を一方的に拒否した結果という感じで書かれているのですが、同じ人が書いているわりには部族側に冷たいんじゃないかなーと思ってしまいます。

産経新聞だと
パキスタン 報復テロ拡大 政権揺さぶり
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070718-00000094-san-int

 ■武装勢力、対決姿勢鮮明

 【イスラマバード=佐藤貴生】パキスタンの首都イスラマバードのモスク籠城(ろうじょう)事件を強行突入により決着させたムシャラフ政権に対し、イスラム武装勢力の「報復」活動が激化する気配をみせている。先週末にはアフガニスタン国境近くの北西部で相次いだ自爆テロで約70人が死亡したほか、イスラム原理主義勢力タリバンに近い武装勢力が政府との和平協定を破棄すると表明。政権との対決姿勢を鮮明化しつつある。

 AP通信によると、北西部の治安部隊の検問所で17日、自爆テロがあり少なくとも兵士ら4人が死亡、3人が負傷した。北西辺境州の州都ペシャワル近郊などでは14、15の両日、軍の車列や職員採用試験中の警察施設などへの自爆テロが少なくとも3件起き、約70人が死亡しており、ムシャラフ大統領は16日、首都近郊のラワルピンディに主要閣僚を招集、アフガン国境付近への軍部隊の増派を決めた。

 モスクに籠城していたイスラム過激派は、北西辺境州の部族地域などを拠点とする武装勢力とも協力関係にあったとみられ、一連のテロは100人を超す犠牲者を出したモスク籠城事件への報復という色彩が濃くなってきた。

 17日付の英字紙ニューズは、同国北西部の国営ラジオ局の職員が相次ぐテロで事務所に行けず、放送を停止したほか、イスラマバード自爆テロ犯8人が潜入したとの情報を伝えた。タリバンに同調する武装勢力が政府側への協力者に対し、警告を発するビラもまかれている。

 武装勢力は15日、政府との間で昨年9月に締結した和平協定の破棄を表明した。協定では、武装勢力がアフガン側への越境テロを自制し、国際テロ組織アルカーイダのメンバーをかくまわないことが盛り込まれている。政府側は「協定は放棄されておらず、交渉は続いている」(外務省報道官)と否定しているが、部族地域は実質的にタリバンの一大拠点ともなっており、武装勢力によるテロがにわかに活発化することも予想される。

 籠城事件から飛び火した形の北西部の不安定化は、テロの拡大阻止を主張するムシャラフ大統領に対する新たな揺さぶりとみられ、今後の情勢を危惧(きぐ)する声も強まっている。

 一方、籠城事件後、厳重な警戒体制が敷かれていたイスラマバードでは17日、職務停止中のチョードリー最高裁長官の演説が予定されていた会場で爆発があり、地元テレビによると、少なくとも10人が死亡した。爆発の原因は不明だが、長官は会場には到着しておらず無事だった。

と政府は協定は放棄されてないと否定してるんですよね。
で、
読売新聞は
パキスタン政府と「全面戦争」…イスラム武装勢力が宣言
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070716id23.htm

 【イスラマバード=佐藤昌宏】アフガニスタンと国境を接するパキスタン政府直轄部族地域の北ワジリスタン地区に本拠を置くイスラム武装勢力は15日、イスラマバードの「赤いモスク」に立てこもった神学生らが制圧されたことに反発、昨年9月に政府と交わしていた「休戦協定」を破棄し、全面戦争を宣言した。

 これに対し、政府は「協定は武装勢力とではなく、部族長らと結んだもの」として、協定の有効性を主張する一方、同地区に展開する兵士を増員した。

 同地区は、アフガンの旧支配勢力タリバンと同じパシュトゥン人が人口のほぼ100%を占め、計7地区ある部族地域の中でも、武装勢力の活動が最も活発な地域。

 武装勢力は、特殊部隊が赤いモスクを完全制圧した今月11日、15日までに北ワジリスタン地区から軍や治安部隊がすべて撤退しなければ、戦闘を開始すると警告。14日には、同地区内で治安部隊の車列に自爆テロを仕掛け、隊員24人を殺害するなど、既に協定を事実上破棄していた。

(2007年7月16日23時24分 読売新聞)

ここまで来ると何が言いたいのかよく分からないです。『部族長らと結んだ』ということで、部族長の発言があるまで待つしかないんですかね。多分日本まではなかなか伝わってこないでしょうけど。

と、ちょっととりとめもなく、時間の順序も適当で書いてしまいましたが、明日また暇があれば何か書くかも。とりあえずモスク強行突入の内部にいた人の発言として、過去のエントリ
パキスタン>「人質ではなかった」少女ら証言
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070715/1184513826
を挙げておきます(これも栗田慎一氏ですね)。