北極海底に露調査隊 米欧と「資源争奪戦」 冷たい氷の下、熱く

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070804-00000095-san-int

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアが北極海底の地下資源などを探査する史上初の海底調査隊を派遣したことに、欧米諸国が警戒心をあらわにしている。世界最大の領土と資源を誇るロシアが、北極海底に眠る未開の資源獲得に触手を伸ばしてきたためだ。米国も、来週初めに同様の北極調査隊の派遣を計画。氷の下に眠る資源をめぐり、熱い争奪戦が始まったとの見方が強まっている。

 報道によると、ロシア北極遠征調査隊は2日、深海潜水艇「ミール1」と「ミール2」の2艇で氷に覆われた北極点直下の水深約4300メートルの海底に到達し、「征服」と刻んだチタン合金製のロシア国旗を打ち込んだ。北極点海底への潜水調査は史上初めて。

 潜水艇は、海底で約1時間にわたり、地質調査のための土壌採取やビデオ撮影などを実施。その模様は、ロシアのテレビが衛星中継するなど大々的に報じられ、隊員のチリンガロフ下院副議長は「ロシアは、偉大なる極地学術探検大国である」と語った。

 しかし、欧米諸国は、北極点の海底でのロシア国旗設置が「領有権につながるというものではない」(米国務省)「今は15世紀ではない。旗を立て自国領だと主張するのは時代遅れ」(カナダのマッケイ外相)などと反発を強めている。

 ロシアでの報道によると、ロシアの北極遠征を受け、3隻の大型砕氷船保有する米国は、そのうちの1隻を6日、北極遠征に出航させるべく準備に入った。カナダも、70億ドル(約8330億円)を投じて北極圏の経済権益を守るための特殊警備艇建造を計画している。

 ロシアの専門家によると、北極海の海底には、世界埋蔵量の25%に当たる石油・天然ガスのほか、金、ニッケル、ダイヤモンドなどの地下資源が豊富とされる。

 国連海洋法条約によると、沿岸から200カイリの排他的経済水域EEZ)を超えていても、地形や地質で陸地と地続きの大陸棚であることを証明し国連で承認されれば、領海の外側最大350カイリまでは沿岸国が地下資源の開発権を占有できる。このため、ロシアは今夏、北極の海底調査を実施し、北極点付近の約120万平方キロメートルを新たに自国の大陸棚として国連に申請し、経済水域をさらに45%増やすことをもくろんでいる。

 しかし、ロシア以外にも、カナダやノルウェーデンマークなどが北極海底の占有権を主張。ロシアのラブロフ外相は、「(問題は)国際法に基づいて解決されるだろう」と指摘したが、英紙タイムズは「新たな資源争奪戦が始まった」と伝えている。

北極点海底を「征服」=史上初、資源確保に狙い−ロシア潜水艇
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070802/1186053947
の関連ですね。