イラクのマリキ首相の立場ってどうなんだろ。その2(3:外交編)

とりあえず、日付順に流れをまとめてみます。
昔、こんなの↓がありましたが、詳しい内容知りようも無いので、置いといて。
2007/07/25
ブッシュ大統領は、ここ数カ月頻繁にイラク首相と話をしている
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070725/1185364425

 ★ホワイトハウス当局者ら、ブッシュ大統領はここ数カ月、どの外国指導者と対話するよりも、頻繁にイラク首相と話をしていることを明らかに。

(この流れのまとめも中東以外のマリキ首相批判関係は省きました)

2007/08/08
イラク首相、イラン訪問し大統領と会談
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070809-00000305-yom-int

マリキ首相は「イラクでのテロとの戦いや治安回復などで、イランの積極姿勢を評価する」と述べ、謝意を示した。

(http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/edit?date=20070809 の下の方に記事があります)

2007/08/11
イラク首相 イラン・シリアに接近 「テロ支援国」米いらだち
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070822-00000070-san-int

マリキ首相訪問後の11日、イラク南部の原油をイランで精製するなどの石油協定に調印。

(記事、全文は下に貼ります)

2007/08/12
イラン石油相が辞任、代行に石油公社社長が就任
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070813-00000487-reu-int

この措置が石油輸出国機構(OPEC)でのイランの政策変更を意味する公算は小さいものの、バジリハマネ前石油相が反対していた石油部門の経営体制の改革を大統領が開始する可能性があるという

 バジリハマネ氏は、エネルギー問題の大統領顧問に就任する

(記事、全文は下に貼ります)

2007/08/14
イラン大統領>アフガン初訪問 協力関係強化など協議 (まぁ関係ないといえばないですが、入れときます)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070814-00000101-mai-int
(http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070911/1189513783 の下の方に記事があります)

2007/08/20
イラク首相 イラン・シリアに接近 「テロ支援国」米いらだち
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070822-00000070-san-int

首相は20日、就任後初のシリア公式訪問を開始

(記事、全文は下に貼ります)

2007/08/21
イラク首相 イラン・シリアに接近 「テロ支援国」米いらだち
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070822-00000070-san-int

21日にはシリアのアサド大統領との首脳会談に臨んだ

(記事、全文は下に貼ります)

2007/08/22
イラクとシリア パイプライン再開などで合意
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070823-00000073-san-int

マリキ首相は22日、シリアのアィトリー首相とダマスカスで共同記者会見した。アィトリー氏は、イラクの国民和解プロセスへの支持を表明するとともに、両国が旧フセイン政権時代に結んだ経済協力協定などの再開に向けた検討委員会を発足させることを明らかにした。

 22日付シリア紙アル・バースは、両国が石油パイプラインの再開と新たな天然ガス・パイプライン建設などに合意したと報じた。

(記事、全文は下に貼ります)

2007/08/28
イラン大統領イラク“支配”に自信 サウジに協力呼びかけ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070830-00000081-san-int

大統領は、協力できる国の一つとして、スンニ派の大国サウジアラビアを挙げ

(http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070830/1188480179 に記事があります)

2007/09/14
核協力疑惑 シリアに北技術者 米政府関係者「間違いない」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070915-00000082-san-int

「外国の技術者が何人かシリア国内にいる。北朝鮮の人たちもいることは間違いない」

(http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070915/1189853271 に記事があります)

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気になっている点は3点。まず上のまとめをしていて初めて気がついたのですが、
(1)『イラク南部の原油をイランで精製するなどの石油協定に調印』の翌日に、『イラン石油相が辞任』していること
あと気になっているのは
(2)サウジはイラクとの関係をどうするのかと言うこと
(3)9/14日のシリア批判はイランへのメッセージ??
です。

(1)ですが、ちょっと無関係とは思えず、調印された『イラク南部の原油をイランで精製するなどの石油協定』が、石油相辞任の何らかの原因になっているのかもと思って調べてみたのですが、
イラン大統領、経済閣僚を相次ぎ更迭
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070901AT2M3100O31082007.html

 【ドバイ=加賀谷和樹】イランのアハマディネジャド大統領が2年後の再選を目指し、政権の基盤固めに動き出した。ガソリン価格の引き上げ凍結、銀行貸出金利の大幅引き下げといった「人気取り政策」に反対するバジリハマネ石油相らを8月に入ってから相次ぎ更迭。一方で2009年の大統領選挙を担当する内務次官には革命防衛隊出身の腹心を配置、大衆迎合政策を加速させるとの見方が強まっている。

 大統領は8月28日の記者会見で、「内閣はサッカーチームのようなもので、大統領は監督、閣僚は選手。選手の調子が悪かったり、ほかの選手と協調できなかったりすれば試合途中で交代するのは当然だ」と言い切り、今後も閣僚を入れ替える可能性を示唆した。(07:00)

関連記事
イランの中銀総裁が辞任(8/27)
解任のイラン石油相、大統領批判・ガソリン大幅値上げ要求(8/20)
解任のイラン鉱工業相、アハマディネジャド大統領を批判(8/16)
イラン大統領、外務省人事も刷新か(8/14)

と実際には辞任でなく更迭なのかもしれません。あと、上の関連記事から二本
解任のイラン石油相、大統領批判・ガソリン大幅値上げ要求
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070820AT2M1900Q20082007.html

 19日のイラン学生通信によると、同国の石油相を解任されたバジリハマネ氏はガソリン小売価格の大幅引き上げを政府に求め、補助金でガソリンを割安に抑えるアハマディネジャド大統領の大衆迎合型政策を批判した。鉱工業相を更迭されたタフマセビ氏もさきに国営企業の値上げを凍結した大統領を非難、閣内でくすぶっていた不満が一気に噴き出てきた。

 バジリハマネ前石油相は18日の離任式の演説で「このままではエネルギー危機が起きる」と力説。ガソリン消費を減らすには6月に導入した割当制による供給量の抑制ではなく、価格を現在の1リットル1000リアル(約13円)から大幅に引き上げる必要があるとも指摘した。

 イランは割当制でガソリン供給量を一般車で6カ月あたり600リットルに制限した。石油省関係者はガソリン輸入量が割当制導入前の日量3000万リットルから半減したと指摘するが、実態は明らかでない。(ドバイ=加賀谷和樹)(12:01)

(話がそれますが『バジリハマネ氏は、エネルギー問題の大統領顧問に就任する。』とあったのですが、自分の意見が通らず批判だけしていると言うことなんでしょうか。)

解任のイラン鉱工業相、アハマディネジャド大統領を批判
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070816AT2M1502V16082007.html

 【テヘラン=加賀谷和樹】イランのアハマディネジャド大統領に鉱工業相を解任されたタフマセビ氏は15日、保守系ファルス通信を通じ声明を発表、大統領の経済政策を痛烈に批判した。大統領は6月に銀行の貸出金利の大幅引き下げを断行。消費者物価上昇率が年20%に迫るなかで国営企業に製品やサービスの値上げを禁じたことを「人為的で無理な措置だ」と指摘した。

 大統領は鉱工業相代行に側近のアリアクバル・メハラビアン氏を就けた。タフマセビ氏は14日に開かれた代行就任式を欠席。今回の声明は周囲を「イエスマン」で固める大統領に警告を発した格好だ。

 タフマセビ氏はさらに「政府は(インフラ部門への)投資不足で工場に水、電力、ガスを十分に供給できないでいる」と述べ、核開発の強行による国連、米国の制裁で外資導入が滞り、国内の生産効率が低下している実態を強く示唆した。(14:33)

とイランの国内問題のような感じです。翌日辞任というのは単なる偶然なんでしょうか。さすがにそれは調べようが無いです。

(2)ですが、全文は下に貼りますと書いたこの↓記事
イラク首相 イラン・シリアに接近 「テロ支援国」米いらだち
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070822-00000070-san-int

 【カイロ=村上大介】政権基盤の脆弱(ぜいじゃく)化に苦しむイラクのマリキ首相が、イラク政権の後ろ盾となっている米政府が敵視するイランやシリアとの関係強化に動いている。首相は20日、就任後初のシリア公式訪問を開始、21日にはシリアのアサド大統領との首脳会談に臨んだ。今月8日にはイランを訪れ、「治安対策への協力」に謝意を表明。米国はマリキ首相にイランに深入りしないよう警告し、いらだちを隠さなかった。一方で、米同盟国のサウジアラビアイラクの関係修復は思うように進んでいない

 マリキ首相には、内相のほか、石油相、貿易相、水利相らが同行し、中東の衛星ニュース局アルアラビーヤによると、両国は20日、経済関係について協議。マリキ首相は21日のアサド大統領との会談で、シリア国境からの武装勢力の浸透阻止など治安協力を求めたとみられるが、イラクは、シリアを経由した石油輸出パイプライン再開問題なども協議したい意向と伝えられるなど、今回の訪問は幅広い関係強化に重点が置かれている、との印象が強い。

 一方、核開発疑惑を抱え、米国がイラク武装勢力に武器を供与していると非難するイランへの就任後2回目となった訪問では、マリキ首相はイランのアフマディネジャド大統領や最高指導者ハメネイ師らとの会談を通じ、イラン側との「治安問題解決への協力」を強調。米政府の認識を必ずしも共有していないことを浮き彫りにした。

 イラクは、マリキ首相訪問後の11日、イラク南部の原油をイランで精製するなどの石油協定に調印。アフマディネジャド大統領のイラク公式訪問も要請し、イランのモッタキ外相は20日、訪問に向けた協議が始まっていると表明した。

 イラクで多数派を占めるイスラムシーア派が主導するマリキ政権が、同じシーア派のイラン、その同盟国でシーア派少数派のアラウィー派が権力中枢を握るシリアとの関係を良好に保とうとするのは、スンニ派が多数派を占めるアラブ世界をにらめば、やむを得ない動きともいえる。

 しかし、米国が両国を「テロ支援」で非難し、包囲網を強める中、中東の“民主主義の手本”と期待するイラク政権が両国との関係改善を進める現状は、米政府のいらだちを強めることにもつながろう。

 一方、米政府は先月末からのライス国務長官とゲーツ国防長官の中東歴訪で、サウジに対し、イラクとの関係改善を急ぐよう要請したが、スンニ派のサウジは消極的な姿勢を崩しておらず、今月8日にシリアが受け入れ国になり、ダマスカスで開いたイラク治安問題をめぐる周辺国協議を欠席。米国に約束した駐イラク大使館再開もまだ実行に移していない

【関連記事】
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・マリキ首相訪問 トルコ側、PKK掃討要求
イラクスンニ派統一会派 連立政権から離脱
・仏外相のイラク電撃訪問 対米関係改善へ得点

しかしイラン大統領は、上にも書いたとおり、
イラン大統領イラク“支配”に自信 サウジに協力呼びかけ
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070830/1188480179

大統領は、協力できる国の一つとして、スンニ派の大国サウジアラビアを挙げ

なんですよね。サウジがどうこれに答えたかは見た記憶が無いですが、これから調べます。

(3)は単なる妄想で調べようも無いので省きます。

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残りの全文は下に貼りますと書いたものを、貼っておきます。

イラン石油相が辞任、代行に石油公社社長が就任
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070813-00000487-reu-int

 8月12日、イランのアハマディネジャド大統領は辞任したバジリハマネ石油相の代行として、イラン石油公社のゴラムホセイン・ノザリ社長(写真)を指名したことが明らかに。写真は5月テヘランで撮影(2007年 ロイター/Morteza Nikoubazl)

 [テヘラン 12日 ロイター] イランのアハマディネジャド大統領は12日、辞任したバジリハマネ石油相の代行として、イラン石油公社のゴラムホセイン・ノザリ社長を指名した。イランの通信社が伝えた。

 石油当局者によると、この措置が石油輸出国機構(OPEC)でのイランの政策変更を意味する公算は小さいものの、バジリハマネ前石油相が反対していた石油部門の経営体制の改革を大統領が開始する可能性があるという。

 バジリハマネ氏は、エネルギー問題の大統領顧問に就任する。

イラクとシリア パイプライン再開などで合意
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070823-00000073-san-int

 就任後初めてシリアを公式訪問したイラクのマリキ首相は22日、シリアのアィトリー首相とダマスカスで共同記者会見した。アィトリー氏は、イラクの国民和解プロセスへの支持を表明するとともに、両国が旧フセイン政権時代に結んだ経済協力協定などの再開に向けた検討委員会を発足させることを明らかにした。

 22日付シリア紙アル・バースは、両国が石油パイプラインの再開と新たな天然ガス・パイプライン建設などに合意したと報じた。

 また、マリキ首相は21日、シリアのアサド大統領と会談後、イラクへの武装勢力侵入を防ぐ効果的な国境警備の方法を模索することに合意したことを明らかにした。(カイロ 村上大介