イラン原油 円建て決済が本格化 元売り各社「効果は限定的」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071005-00000067-san-int

 石油元売り各社が、イランの原油決済を従来のドル建てから円建てに切り替える動きが広がっている。業界最大手の新日本石油をはじめ、コスモ石油ジャパンエナジーは9月の調達分(9月積み)から円建て決済を導入。昭和シェル石油も変更を検討している。タンカーが入港する10月から、実際に円での支払いが始まるが、「メリットは限定的」との見方も強く、今後の動向には不透明感も漂う。

 1日あたり12万バレル(約1万9000キロリットル)をイランから調達する国内最大手の買い手となっている新日石は、イランから調達する長期契約分の全量を円建て決済に変更した。積み込み時の原油価格で想定コストを計上し、タンカーが入港する1カ月後に円で支払う。同様に輸入量の約11%をイランに頼るジャパンエナジーやコスモも、一部を円に変更した。

 原油市場は国際指標価格がドルベースのため、ドル建て決済が一般的。円建ては異例だが、実現した背景には、核開発問題を巡るイランと米国との関係悪化がある。

 米国による経済制裁の強化を視野に、イランはドル以外の通貨での貿易決済を昨年から要請。日本や欧州にユーロや円での決済を求め、独、仏などの石油大手はユーロ建てに切り替えた。日本側は、対米関係など外交面を考慮し「政府に問題がないか確認したうえで切り替えを決めた」(新日石という。

 円建て決済にすることで、元売り各社は為替予約に伴う円高局面での差損リスクがなくなるほか、外貨借り入れによる金利負担が軽減されるなどのメリットがある。

 半面、石油取引は決済額が大きく、イランからの輸入分の約5割が円決済となった場合、700億〜800億円の決済がドルから円に切り替わるとされる。このため、日本エネルギー経済研究所・永田安彦研究主幹は「資金需要の減少がドル相場の下落要因になる可能性がある」と指摘する。

 こうした懸念もあってか、元売り各社は「為替差損は、さほど大きな問題ではない」「実務的なメリットは少なく、イランの要望に応じただけ」とそっけない。円建て決済の効果は、業界もまだ見極め切れていない。

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こういうことやっててマジ大丈夫なんすかねぇ。10月からですか。
新日本石油、イラン原油の支払いをドルから円に切り替え
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070718/1184765390
というのもありましたが。