イラク情勢、数字上好転の兆し 慎重論も根強く

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071016-00000960-san-int

 【ワシントン=有元隆志】イラクへの米軍増派による国際テロ組織アルカーイダ掃討作戦で、自爆攻撃の回数低下や、米兵の死傷者数が減少するなど、目に見える成果があがっている。ただ、アルカーイダが組織立て直しを図る可能性は十分あり、イラク軍への権限移譲などの課題も山積したまま。15日付の米紙ワシントン・ポストは、米軍内で「勝利宣言」を出すことも検討されているものの、多国籍軍のペトレイアス司令官らは宣言を出すことに慎重だと報じた。

 海兵隊コンウェイ総司令官は15日、アルカーイダについて、「かなり活動不能にしたが、壊滅したとは言わない」と語った。総司令官は、アルカーイダが拠点としていた西部アンバル県への米軍増派や、イスラムスンニ派など地元組織との連携が効力を発揮したと強調した。

 同紙によると、自爆攻撃が1月の60件以上から7月以降は月平均30件程度と減少、シリアから流入する外国人兵士数も減った。今年初めと比べ、アルカーイダ系組織の能力は60−70%に下がったと推定されるという。

 米軍の9月の死者数も66人と、100人を超していた4−6月に比べると少なく、2006年8月(65人)以降で最低水準。同紙がイラク保健省の統計として報じたところでは、9月のイラク市民の死者数は827人と8月の半分程度に減った。

 米軍幹部などからは、アルカーイダへの「勝利宣言」を出すべきとの意見が出ているほか、海兵隊内ではイラク駐留全兵力約2万5000人をアフガニスタンに移動することも検討されている。もっとも、ペトレイアス司令官や中央軍のファロン司令官は、アルカーイダはこれまでも打撃を受けても再び活動が活発になったことがあるため、「勝利宣言」を出すことには慎重だという。

 増派を支持してきた次期大統領候補のマケイン上院議員(共和)も15日のABCテレビ番組で、「実質的な成功を収めている」としながらも、「(武器などが)イラン国境から多く入ってきており、多くの難題がある」と述べ、ペトレイアス司令官に同調する考えを示した。

 さらに、トルコ政府がクルド人武装集団掃討のため、イラクに越境攻撃する構えを示すなど、北部でも情勢は不安定になってきている

 死者数自体についても、米紙ニューヨーク・タイムズイラク内務省の統計として、9月に1654人が死亡したと報じるなどばらつきがあり、どの機関が発表した統計を信じるかという問題がある。

 2003年から04年まで駐留米軍の司令官を務めたサンチェス元陸軍中将は12日の講演で、イラク情勢について「終わりが見えない悪夢」と悲観的な見方を示した。シーア派スンニ派の和解やイラク治安部隊の育成など依然として多くの課題があり、増派などの軍事戦略だけでは勝利することはできないというのがサンチェス元司令官の主張だ。

 民主党の次期大統領候補のクリントン上院議員は同氏の発言を評価した。ただ、サンチェス氏をめぐっては、アブグレイブ刑務所でのイラク人虐待事件への対応など司令官としての適性に欠けたとの批判もあり、論議を呼んでいる。

【関連記事】
・ブッシュ夫人、不人気の夫を側面支援?
イラクは終わりの見えない悪夢
・「米政権は無能」と批判 元イラク駐留司令官
・巨大すぎて?未だ完成しないバグダッド米大使館
・英首相「イラク駐留軍、来春以降2500人に縮小」

イラクのマリキ首相の立場ってどうなんだろ。その2(1:国内対立編)。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070902/1188740897
に書いたように、『7月のイラク民間人死者数は1653人に上り』だったようですし、そこからさらにリンクしている、
イラク民間人死者、3月に1800人超える
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070402/1175521137
によると、2006/10が3709人だったそうなので、まぁマシなんですかね。人間の命を数字で見るというのには相変わらず慣れませんが。

しかし、昔は国連からも
<国連>イラク政府を批判「市民犠牲隠ぺい」
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070426/1177588150
とか批判されてましたが、もし、今は市民犠牲を隠蔽せず、正確に近い数字を出してきてるとしたら、どういう理由が考えられるんですかね。良く分かりませんが。