米印原子力協定、シン首相が米大統領に「発効に困難」

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071016id22.htm

 【ニューデリー=永田和男】インド首相府によると、シン首相は15日、ブッシュ米大統領と電話で会談し、両国が7月に合意した原子力協力協定発効をめぐり、インド側に「困難な事情が発生した」と説明した。

 発効に必要な国際原子力機関IAEA)との保障措置(査察)協定締結交渉に当面入れないと伝えた模様で、2008年春にも予想された協定発効は不透明な情勢となった。

 「困難な事情」とは、政権の閣外協力パートナーで、協定に強く反対する左翼4党の説得が難航していることを指すとみられる。シン首相は12日の講演で、4党の閣外協力取り下げで連立与党が下院解散に追い込まれる事態は避けたいと表明。そのために、米印協定を事実上棚上げにする可能性を示唆していた。

 ただ、シン首相は講演で、「協定はインドと世界にとって良いものだ」と述べ、発効を断念したわけではない点を強調した。

 15日の電話は、大統領がアフリカ訪問中の首相を呼び出すという、首脳間では異例の形となり、米側も首相の真意確認を急いだ模様だ。ただ、米側は当面、事態を静観する構えだ。

 米印協定には、インドの国際的信用がかかる。

 協定は核拡散防止条約(NPT)未加盟のインドへの原子炉や燃料供給を可能にし、不拡散体制を揺るがすとの批判も強い一方、インドの有望な原発市場に米国と先進各国企業が参入する機会を開くとの期待も大きく、発効が大幅に遅れると影響は大きい。

 政府と左翼4党は22日に再度、米印協定をめぐる協議を行う。その際に政府が対IAEA交渉の無期延期を認めてしまうか、あくまで発効を目指して交渉開始に理解を求めるかが、協定の今後を占うカギとして注目される。

(2007年10月16日19時37分 読売新聞)

インド政府と左翼政党、米との原子力協定問題で妥協
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070904/1188932683
あたりから不調っぽかったんですが、インド側の反対派の主張がどんなものか良く分からないんですが、何が不満なんですかね。
必要ならば核実験の権利ある…インド首相、下院議会で明言
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070814/1187093669
とかもありましたけど。