【グローバルインタビュー】日本はミクロネシアの伝統の一部3

http://sankei.jp.msn.com/world/asia/071216/asi0712161102001-n3.htm

 −−太平洋・島嶼国地域は、中台の外交合戦場の様相を見せているが

 「わが国との関係でいえば、中国、台湾はそれぞれ異なる役割を担っている。外交関係は中国と結ぶことを政治決断し、中国政府は首都パリキールがあるポンペイ島に大使館を置いている。台湾とは経済的、商業的に関係が深い。中国はわが国と台湾との関係については十分承知しているが、わが国との政治的関係に支障を来してはいない

 −−太平洋・島嶼国地域の国には中国、台湾のいずれかと外交関係を樹立し、その後、それを解消して、一方との関係樹立をするケースがある

 「今後、そんなケースがもっと起きるだろう。太平洋・島嶼国地域は経済支援を必要としているからだ。中国はグローバル化の恩恵を受け、安い労働力を持つ。こうした経済力をバックに中国が太平洋地域で一層積極的な役割を担うことになると予見できる。しかし、中には日本との経済関係の強化を目指す動きもある。理解してほしいのは太平洋諸国は経済支援が必要だということだ」

 −−中台の武力衝突が起きた場合への対応は?

 「軍事活動への関与は避けたい。残念ながら、中台はおカネでどちらかの支持を得るという戦いを展開している。こうした状況に左右されないために、それぞれの国が安定していなければならない。その点、わが国は中国からは経済面とともに政治面での協力、台湾からは経済的な結びつきがほしい。私の正直な意見だが、私たちは中立でありたい。中台の外交戦争には関与したくない。経済支援も米、日、欧州連合(EU)などいろいろな国から受けている。最も積極的なのは中国と台湾だが、中台の競い合いには、台湾海峡の緊張状態を私たちの裏庭に持ちこむような面もある」

続く