日本統治時代、再評価?韓国で「京城ブーム」

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 【ソウル=黒田勝弘】韓国で“京城ブーム”が起きている。京城」とは韓国(朝鮮)が日本に統治されていた時代(1910〜45年)のソウルの名称。韓国では近年、日本統治時代の歴史を収奪、抑圧、抵抗だけの「暗黒史観」ではなく、近代化による社会や人びとの多様な変化を発掘し再評価する、歴史見直しの動きが活発だ。それがさらに大衆的な広がりを見せ、新年には30〜40年代が背景の映画が続々、公開される予定で話題になっている。

韓国映画、ドラマに続々

 すでに昨年、テレビドラマ「京城スキャンダル」や映画「奇談」、演劇「テレホン・モダンガール」など当時の世相を素材にした京城モノが登場し注目された。今年は映画だけでも「ラジオ・デイズ(ラジオ時代)」や「モダンボーイ」「ワンサポナタイム(もういちど)」「いいヤツ、悪いヤツ、おかしなヤツ」などが封切り待ちだ。

 韓国で日本時代が登場するドラマや映画といえば、もっぱら抗日独立運動がからんだ愛国モノだった。しかし最近の作品は「モダンボーイ」「モダンガール」で象徴されるように、当時の新しい文化や風俗、人びとの新しい生き方などを描いたもので、“抗日”は添え物にすぎない。

 30年代のソウル(京城)は、日本経由でもたらされた近代的な洋風文化が人びとをとらえ、洋装ファッションはもちろん喫茶店、カフェ、レストラン、映画館、百貨店などが定着した。思想的にもマルクス主義アナキズム無政府主義)、デカダン(退廃主義)などが流入し、ラジオドラマが人気を呼んだ。

 新時代、新文化の中で新女性など新しい人間像が生まれたが、それらはこれまで韓国で歴史教科書などを通じ教えられてきた「暗黒の日帝時代」のイメージとは異なるもので、若い世代を中心に関心を呼んでいる。

 京城ブームのきっかけは、当時の新聞漫画を紹介した本「モダンボーイ、京城をぶらつく」(2003年出版)といわれ、以降、「京城奇談」「黄金狂時代」「ラッキー京城」「京城哀史」「京城の劇場漫談」など京城モノの出版が続いている。

 こうした“歴史見直し”についてマスコミは日帝時代にも楽しいことはあったという視角で30年代を新しく見ようという試み」(ハンギョレ新聞)であり、「今や慰安婦や強制労働、貧困など低開発の汚らしい記憶に代わり、われわれもどこか、カッコよく洗練された過去を持つことになった」(週刊ハンギョレ21)などと評している。

 また、ある文芸評論家は「日本植民地時代を抑圧と搾取の暗い半封建的状態だったとする考え方から抜け出し、現代的な生き方が確立する時期だったという歴史的事実を映画や文学などがいち早くとらえたもの」(韓国日報)と評価している。

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京城はキョソンでしたっけ。この記事読んでもどうなのか良く分かりませんが、以前から日本の自虐史観は韓国にとっても自虐じゃないかと思っていたんですが、いい兆しのような気もします。