イラクの将来に少しだけ希望が感じられた。

英語を通して日本から「イラク」を見る。さんの
ところで、そういえば、イラクの人々は本当は我々を疎んじている
http://teanotwar.seesaa.net/article/79333632.html
を読みました

「米軍が撤退したら内戦になる」といった米国の大本営発表を日本の大手メディアもくり返しています。そんな中、米軍自身が行なったイラクの人々の世論調査について。

という事でワシントンポストの抜粋として

□ 2003年3月の米軍によるイラク占領前は、スンニ派シーア派は平和的に共存していた。
イラク人は、宗教・民族グループによらず、皆、米軍の侵略が、宗教派閥・民族グループ間の暴力的対立を引き起こした基本的原因であると考えている。
米国がイラクから撤退したら、民族和解が「自然」になされるだろう。
□ 「楽観的可能性」の気持ちが「すべてのグループに浸透しており・・・・・・様々なグループに属する一見したところ多様なイラク人の間には、相違よりも共通点のほうがはるかに多い。
イラクを3国家に分割することで民族和解が阻害される(分割案に反対しなかったのはクルド人だけである)。
□ ほとんどの人が、イラクでの生活が苦しくなったのは、米軍による占領開始からであると述べる。
サダム・フセインイラクの人々が抱えている問題の原因であると述べた人はほとんどいなかった。報告はこれを重要な知見としており、「イラクにおける現在の争いによって、どうやら、旧政権下で被っていただろう苦しみや不満は完全に色を失った。旧政権下の苦しみが40年続いたのに対し、現在の紛争は5年続いているだけであるにもかかわらず。

と書かれておられました。

うーむ確かに僕も米国の大本営発表を信じていたようです。

すなわち、米国が撤退すれば事態は改善するという考えである。2006年9月に米国国務省が行なった世論調査も同様の結果を示している。

ともありました。調べてみました。

2006/09
国務省イラク世論調査、大半が米軍即時撤退求める
http://www.sankei.co.jp/news/060927/kok015.htm

 27日付の米紙ワシントン・ポストによると、イラク国民の大多数が米軍はイラクから即座に撤退すべきだと考えていることが、米国務省イラク国内で実施した世論調査で分かった。同紙が入手した調査結果によると、イスラムスンニ派武装勢力の力が強い北部ティクリート地区で即時撤退を求める回答が80%に達したほか、宗派対立が激化の一途をたどる首都バグダッドでも、65%が即時撤退を支持した。

 住民の大半がシーア派で治安が比較的安定している南部で即時撤退を求めたのは56%。争乱がほとんど起きていない北部のクルド人地域の即時撤退派は6%にすぎず、治安の悪い地域の住民ほど米軍撤退を強く求める傾向が表れた。

 調査は国務省イラク国内の世論調査会社に委託する形で実施。6月26日から7月6日までの間、イラク全土の1870人を対象に面接方式で行った。(共同)

(09/27 20:32)

治安の悪い地域ほど撤退を求めるという内容で、「米国が撤退すれば事態は改善するという考えである。」という点については言及なしですね。

あと、米国務省の調査ではないですが、おなじく
2006/09
8割が「紛争招くのは米軍」=1年以内の撤退要求も7割−イラク世論調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060928-00000062-jij-int

 【ワシントン27日時事】イラク人の8割近くが「米軍駐留が紛争を引き起こしている」と考えていることが、米メリーランド大学の調査機関「国際政策傾向プログラム」が27日発表した世論調査で明らかになった。イラク戦争イスラム過激派増長の「誘因」と指摘した米情報機関の報告書と同じ認識をイラク人の大多数が抱いていることを裏付けた格好だ。

 調査は9月上旬、イラク各地で約1200人を対象に実施された。それによると、米軍駐留は「安定の要因」とする回答は21%だったのに対し、「紛争を防ぐよりもむしろ引き起こしている」と答えたのは78%に上った。また、全体の71%が1年以内の米軍撤退を求めた。 (時事通信) - 9月28日13時1分更新

とこちらにははっきりと書かれていました。この記事確かに読んだ形跡はあったのですが、内容は忘れていました。

昨日書いたばかりの
バース党員復職に道開く法案がイラク議会で承認された事について。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080119/1200751721
では、

 バース党員の公職復帰制限が緩和されても、政府省庁が連立会派に省庁ごと割り当てられ、すでに“党派性”を帯びている現状で、復帰を希望する旧バース党員は少ないとみられ、実効性については疑問視される。

やら、

イラクでは各省庁の縁故採用など腐敗が浸透している。法律の運用が徹底されず、旧バース党員の間に不満が高まる可能性も残されている。

やら

過去の経歴を隠して生活する旧バース党員は本紙バグダッド通信員に、「宗派間の憎悪が消えない中で、(公務員になるために)名乗り出るのは自殺行為に等しい」と語った。

の記事をとりあげて、イラクの将来に悲観的なことを書きましたが、これからは見方を少し変えようと思います。

真の問題は
米軍のイラク駐留は「今後10年」続くと、ブッシュ大統領
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080113/1200171777
というアメリカなのですね。