『内務省がブット氏暗殺と15歳少年の関連否定』を書こうと思ったが、複雑すぎる…

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080120-00000073-mai-int
記事は毎日新聞から
http://mainichi.jp/select/world/asia/news/20080121k0000m030096000c.html

 【ニューデリー栗田慎一】パキスタンベナジル・ブット元首相暗殺事件で、「暗殺実行グループの後方支援役の一人」と供述した15歳の少年が逮捕されたと報じられた問題で、内務省報道官は「信じられない」とし、少年と事件との関連を否定した。

 捜査は現在、英ロンドン警視庁パキスタンの捜査当局を支援する形で進められており、2月18日の総選挙前に何らかの捜査結果が発表される見通し。

毎日新聞 2008年1月20日 22時01分

ちょっと古い記事ですけど、内務省否定のまま新情報も無い様なので。
そのさらに前は、内務省は情報確認せずと言っていたわけですが↓
2008/01/19-20:47 ブット氏暗殺で少年逮捕の情報=内務省は確認せず−パキスタン
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200801/2008011900351&rel=y&g=int

 【ニューデリー19日時事】AFP通信は19日、パキスタン警察が昨年12月のブット元首相暗殺にかかわったとして、18日に15歳の少年を北西辺境州で逮捕したと報じた。治安当局者の話として伝えたもので、少年は5人の犯行グループの1人と供述しているという。この報道について、内務省高官は時事通信に対し、「確認できない」と述べた。

 報道では、少年はイスラムシーア派の宗教行事に絡んで自爆テロを計画した容疑で身柄を拘束された。少年は、犯行グループの2人が元首相暗殺に失敗した場合の支援役3人のうちの1人だったと供述したとされる。

英国からの発表があるかと思って数日待っていたのですが、やはり一番上の記事の通り当分ないようですね。

パキスタン英国関連は
元首相警備に不備=ロンドン警視庁が見解−パキスタン
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080111/1200073864
ブット氏暗殺 英捜査陣に難関 司法解剖も状況証拠もなく
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080106/1199620131
でもっとさかのぼると
英捜査協力に納得せず=元首相暗殺、「政府見解追認するだけ」−パキスタン野党
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080104/1199432634
とPPPは英国の捜査協力を信用していないようで、その後
政権取れば国連にブット氏暗殺の調査依頼=パキスタン野党
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080107/1199710492
と言い出して、結局政権とる前に
独立調査委設置を国連に要請=ブット氏暗殺で野党−パキスタンhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080117-00000022-jij-int

 【ニューデリー17日時事】昨年12月に起きたパキスタンの野党指導者ブット元首相の暗殺事件で、元首相が率いていたパキスタン人民党(PPP)は16日、捜査のための独立調査委員会の設置を国連安保理に求める書簡を潘基文事務総長あてに送付した。国営通信が
同党の16日の声明として伝えた。 

【関連記事】イランはウラン濃縮停止を=IAEAとの合意に懐疑的-米
【関連記事】未解決問題、4週間以内に決着=イラン核開発めぐり合意-IAEA
【関連記事】元首相の検視に条件付き同意=遺族許可ならとパキスタン大統領-米誌
【関連記事】ダルフールPKO襲撃を非難=展開妨害なら「新たな対応」-安保理
【関連記事】元首相警備に不備=ロンドン警視庁が見解-パキスタン

で、こっちの方もなんか続報あったら書こうと思っていたんですが。見つかりません。

と思ったらこれがよくまとまってるようで、
パキスタン、ブット元首相暗殺事件 政治的思惑 捜査阻む
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2008012202081348.html

2008年1月22日 朝刊

 【バンコク=大場司】パキスタンのブット元首相暗殺事件の捜査は依然、進展を見せていない。パキスタン政府と米情報機関はイスラム武装勢力の関与を指摘するが、決定的な証拠は示されておらず、死因も特定されないままだ。二月に延期された総選挙を控え、政治的な思惑が真相解明を阻んでいる。

 ブット氏は昨年十二月二十七日に暗殺された。政府は翌日、暗殺直後に傍受したという通信記録から部族地域の武装勢力を率いるメスード司令官を首謀者と指摘。傍受記録を文書で公表した。

 米中央情報局(CIA)のヘイデン長官も十八日付の米ワシントン・ポスト紙に「疑う理由はない」と同司令官の関与を強調した。だが、肝心の傍受記録の音声は公表されておらず、同司令官も関与を否定している。

 十九日には部族地域に接する北西辺境州で拘束された十五歳の少年が、暗殺実行犯の支援役を務めたと供述したとの情報も流れたが、内務省報道官は情報を否定しており真偽は不明だ。

 死因も揺れている。政府は自爆の衝撃で乗っていた車のサンルーフのレバーに頭部を強打したのが死因と説明、爆発前の射殺を否定している。暗殺現場で撮影されたビデオ映像では、爆発前に体が車内に倒れ込んでいるように見える。

 政府が射殺説を否定するのは、名指ししたメスード司令官らの手口と矛盾が生じるためだ。同司令官らの手口は自爆が専ら。高度な訓練を要する銃撃の手段はとらない。

 射殺となれば、軍や情報機関の関与を疑う見方が強まるのは必至だ。

 暗殺事件後、地元調査機関が千三百人を対象に実施した世論調査によると、五割近くが政府や情報機関、与党政治家に事件の責任があると回答

 ムシャラフ大統領は英国の捜査員も協力した捜査結果を選挙前に公表するとしているが、捜査結果に期待する声は少ない。

ええとまず傍受記録はここが↓が詳しかったです。
「本当に勇敢な少年らだ」メフスード司令官の通話記録
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071230/1198968594
CIAは
CIA、ブット元首相暗殺事件はアルカイダパキスタンの部族指導者の支持者による犯行と結論。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080118/1200671699
と英国より先に横から結論出しちゃってます。

しかし、
ブット元首相暗殺、アル・カーイダ関与説に米政府が疑念(+その他)
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080102/1199277599
で、

国務省のある高官は、パキスタン政府が示した証拠が傍受記録だけだったことについて、「我々が判断するには、たとえ断片としても、もっと多くの情報が必要だ」と述べた。また、米政府は、パキスタンから完全な捜査情報を得ていないという。

と言っていたんですけど、CIAはどんな情報得たんでしょうね。

死因がゆれている理由は、同じエントリ内

病院の弁護士は31日、地元警察が医師による死因解明の検視解剖を阻止したとの事実を明らかにした。

これに対し地元警察の署長は検視を勧めたが、元首相の夫のザルダリ氏が反対したため実施されなかったと主張が食い違っている。

と検死解剖がされてないんですよね。ただ、

事件発生直後に元首相の遺体をふき清めた側近は29日、頭部に銃弾痕があったと証言。

なんですよね。

しかし死因が特定されていない理由初めて判ったような気がします。

同司令官らの手口は自爆が専ら。高度な訓練を要する銃撃の手段はとらない。

 射殺となれば、軍や情報機関の関与を疑う見方が強まるのは必至

というのは確かに僕みたいに軍事に詳しくない人間には説得力あるように見えます。友人は訓練なんか3日もあれば終わると言っていましたが。

世論調査はここ↓に詳しいです。

ブット氏暗殺、首謀者「政府」「与党」48%…世論調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080122-00000048-yom-int
記事は読売新聞から
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080122-OYT1T00615.htm

 【イスラマバード=佐藤昌宏】パキスタンの民間調査会社「ギャラップ・パキスタン」が実施したベナジル・ブット元首相暗殺に関する世論調査で、回答者の半数近くが、政府や与党が事件を首謀したと見なしていることが分かった。

 それによると、「誰がブット氏を殺害したか」の設問に対し、23%が「政府機関」、25%が「与党政治家」と回答。政府が犯人として名指ししている国際テロ組織アル・カーイダアフガニスタンの旧支配勢力タリバンの犯行と見る回答者は、わずか17%だった。

 ただ、暗殺事件発生後のムシャラフ大統領による危機管理の手腕については、「良い」24%、「まあまあ良い」32%で、半数以上が大統領の対応を評価した。

 調査は、昨年12月27日の暗殺直後と今月上旬の2回に分け、面接方式で行われ、1300人以上の男女から回答を得たという。
(2008年1月22日22時25分 読売新聞)

しかしムシャラフ大統領の手腕については良いっていう理由は、この記事だけでは分かりませんが。

あと、死因についてはビデオから銃撃の反動で頭が揺れているように見えると言う説もあります。前もリンクしましたが、

暗いニュースリンクさん
パキスタン・ブット元首相暗殺事件:早々に暴かれた隠蔽工作
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2008/01/post_0064.html
「暗殺の瞬間を捉えたかなり鮮明なビデオ」というリンクがありますので、そちらからどうぞ。
あ、リンク先に追記がありますね。内務省

法医学上の調査が済むまで公式発表を控えると説明

だそうです。え、埋めたんじゃないの?…

ともかくムシャラフ大統領側と内務省で意見が対立しているという事ですよね。