ブット氏、事前に暗殺情報入手=パキスタン大統領に「通報」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080212-00000088-jij-int

 【ニューヨーク12日時事】昨年12月に暗殺されたブット元パキスタン首相が、自らを標的とした自爆テロ部隊の動きを察知しながら帰国に踏み切っていたことが12日、分かった。同日発売のブット氏の著書「融和 イスラム、民主主義、西洋」の内容としてロイター通信が報じた。

 それによると、ブット氏は、イスラム武装勢力の指導者バイトゥッラー・メフスード容疑者とテロ組織アルカイダの首領ウサマ・ビンラディン容疑者の息子らが、計4隊の自爆テロ部隊を送り出したとパキスタン当局者から知らされた。自爆犯の氏名や携帯電話の番号も伝えられたという。

 これを受けブット氏は、昨年10月の帰国に先立ちムシャラフ大統領に書簡を送り、パキスタン情報機関内の人物を名指しして、恐らく暗殺計画に関与していると指摘。著書では「わたしが暗殺された場合、体制内に潜む過激派の同調者の責任だと彼(ムシャラフ氏)に話した」と記述している。

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ロイターの記事ありますね。
故ブット元首相、著書で暗殺者の名前など知っていたと明かす
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080212-00000890-reu-int

 2月11日、昨年12月に暗殺されたパキスタンのブット元首相(写真)が生前、自分を狙う暗殺者らの名前や携帯電話番号を事前に知っていたことがわかった。昨年12月撮影(2008年 ロイター/Mian Khursheed)

 [ニューヨーク 11日 ロイター] 昨年12月に暗殺されたパキスタンのブット元首相が生前、自分を狙う暗殺者らの名前や携帯電話番号を事前に知っていたことがわかった。元首相が暗殺の数日前に書き上げた遺作で、12日に世界中で発売される全318ページの「Reconciliation: Islam, Democracy and the West(原題)」の中で明かした。

 ブット氏は同書の中で、パキスタン当局からイスラム過激派のベイトラ・メスード司令官やアルカイダ指導者ウサマ・ビンラディン容疑者の息子、そのほか武装勢力2グループが同氏を狙っているとの情報を得たと説明。「(ブット氏に)共感的なイスラム系の外国政府から、暗殺者らの名前や携帯電話の番号を得ていた」と述べている。

 またブット氏は生前ムシャラフ大統領に対し「もし私が武装勢力によって暗殺された場合、それは私を排除するとともに私が政権に与える脅威を取り除こうとする現政権支持者によるものだと語った」としている。

 パキスタンでは昨年10月、8年ぶりに帰国したブット元首相を狙ったとみられる自爆攻撃で少なくとも139人が死亡。ブット氏は結局、12月27日の選挙集会後に銃撃と自爆攻撃によって暗殺された。

 パキスタンでは、2月18日に総選挙が実施される予定となっている。

うーん2008/02/07の報道では
ブット氏暗殺で容疑者2人逮捕=イスラム武装勢力と関連か−パキスタン
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080207-00000181-jij-int

 【ニューデリー7日時事】パキスタン当局は7日、野党指導者ブット元首相暗殺に絡んで男2人を首都イスラマバード近郊のラワルピンディで逮捕した。AFP通信によれば、逮捕されたのはハスナーン、ラファカトの両容疑者。治安当局者は「極めて重要なテロ容疑者」としている。

 当局は、対アフガニスタン国境の部族地域・南ワジリスタン地区のイスラム武装勢力指導者、バイトゥッラー・メフスード容疑者が事件に関与したとみている。逮捕された2人は同容疑者とつながりがあると伝えられている。

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と名前が出てますが、ブット氏の著書とあってるんですかね。

ブット氏の著書の存在が明らかになった時の記事。暗殺未遂の様子も書いていたみたいですね。

ブット元首相の“遺著”12日に出版 イスラムと西欧の衝突に懸念
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080204-00000903-san-int

 【ロンドン=木村正人】昨年12月27日に暗殺されたパキスタンのブット元首相が生前に祖国の民主化イスラムと西欧の和解に対する執念を書き残した“遺著”の概要が分かった。3日付の英日曜紙サンデー・タイムズが報じた。元首相は不測の事態が起きた場合の出版を依頼しており、遺著は12日に米大手出版社から発売される。

 遺著の題名は『イスラム、民主主義そして西欧』。この中で元首相は昨年10月、カラチで帰国遊説中に襲われた自爆テロの惨状を証言。その夜、1人の男が「赤ん坊を抱き上げてくれ」と群衆の中から元首相に近づいてきた。赤ん坊の服にはプラスチック爆弾が仕掛けられており、警察官に手渡されたとたん、木っ端みじんに爆発したという。

 元首相はムシャラフ大統領から総選挙後に帰国するよう求められたが、これを拒否。帰国が決まると大統領は、選挙運動をせずにカラチの自宅に直行するよう促した。暗殺事件の後、大統領が首謀者と名指しした南ワジリスタン地区でイスラム武装組織を率いるメスード司令官や、国際テロ組織アルカーイダの指導者ウサマ・ビンラーディンの息子ら4グループが暗殺を計画していると元首相に警告していた。

 帰国前、元首相は家族に「神は命を与え、そして奪う。私の時間が終わるまでは安全よ」と死の覚悟を伝えていた。元首相は遺著の中で祖国の民主化への思いだけでなく、2001年9月の米中枢同時テロ以降、イスラムと西欧が衝突していることに強い憂慮を示し、「両者が和解に向かうか、厄災を迎えるのか、祖国パキスタンが2つの戦いの震源地になっている」と記していた。

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・英捜査チームが到着 ブット元首相暗殺で協力

過去のエントリは、
ブット暗殺事件の影にイスラム過激派有力司令官
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080125/1201211169
からたどれます。

しかしそこにも書いてますけど、僕はブット氏の死因の件で、銃撃ではなく爆風だというのは、銃撃だとメフスード司令官の手口と違うから、政府は爆風にしたがってるというのにすごく説得力を感じているのですが。いずれにせよ死因でちゃんとした証拠が出てこないかぎり、イスラム過激派説を信じる気はしないんですけどね。