チベット社会への波及警戒 救済復興めぐる社会不安定化で+チャン族の記事

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080520-00000980-san-int

 【成都(中国四川省)=野口東秀】中国・四川大地震震源地周辺を含む、同省アバチベット族・チャン族自治州には救援活動の一方で警戒のために大量の軍部隊が投入されているもようだ。被災地での救済と復興をめぐり社会が不安定化した場合、チベット人社会にも影響が及びかねないことに中国当局が警戒感を見せる中、成都市内のチベット族居住区では、政治的な話には誰もが口を閉ざしている。

 「知らない。そんなこと知らない」。成都市内のチベット族居住区。一帯には50軒ほどのチベット系店舗がある。多くが仏教関係の品物を商う。ここでは地震による直接的な損害はあまり目につかないだが、周辺はチベット騒乱の際、当局が数百人を動員し騒乱の波及を警戒した区域だ。

 「漢族とチベット族の緊張が解けたかにみえる」。仏像などを扱うラムさん(36)は地震発生後、民族間の対立感情が元に戻ったと語る。

 しかしラムさんは、3月のチベット騒乱で大量の軍が取り巻いた甘孜チベット族自治州甘孜の出身。「故郷の家が、震の影響をさほどは受けていないと思う:」と話すが、チベット騒乱に話を向けると、「政治的なことはよくわからない」と繰り返すだけだ。

 「民族対立? 緊張してないよ。地震の影響もない。政治的なことはわからない」。アバ・チベット族チャン族自治州紅原県出身のダーさん(36)もほぼ同様。10人ほどに話を聞いたが、誰もが民族や政治の話になると途端に表情を変えた。

 治安関係の当局者によると、紅原県では部隊が今も駐留を続け警戒態勢がとられている。あるチベット族女性は「今も電話で連絡がとれない」と緊張の様子を示唆するのが精一杯だ。

 被災地各地に展開する救援部隊の中には、自動小銃をトラックに積んだ部隊があった。不測の事態への対処だけでなく、チベット人社会の動揺を警戒しているかのようだ。成都では「漢族がチベット族に襲撃された」という未確認の情報もあった。

 四川省は、チベット自治区に次ぎ、チベット族が最も多い省で、チャン族なども住む。今後、地震の焦点が「救助」から「救済と復興事業」に移るなか、学校や病院、マンションなど簡単に倒壊した建造物をめぐって、訴訟が続発することが予想される。

 また、地震発生直後の政府の初期対応や財産を失った被災者への対応をにからみ、今後、政府批判も噴き出しかねない。また、社会が不安定化した場合、少数民族問題に影響することもあり得る。しかし、不安材料が微妙に絡み合う現状に直面しつつも、中国当局筋は「警戒は解けない」と断言している。

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甘孜はここに地図と過去記事へのリンクがありますが3/18に死者が出てたところですね。
チベット自治州で新たな暴動=当局者1人重傷−中国四川省
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080405/1207358522

しかし読売新聞によると四川省には取材規制が入ってるようですね。
四川省のチャン族自治州、外国人に取材規制…デモ再燃恐れ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080520-00000055-yom-int

 【九寨溝(中国四川省)=加藤隆則】大地震の発生した四川省アバチベット族・チャン族自治州で、外国人記者の取材規制通達が出されていることが20日、明らかになった。

 同州当局によると、通達は17日、同省外事弁公室から「3月14日のチベット暴動以降、治安が悪化しているため、外国メディアの取材には申請が必要」と同州に伝達。同州九寨溝県に19日入った記者(加藤)は通達違反を指摘された。震災による混乱に乗じ、反政府デモが再燃することに神経をとがらせる当局の危機感を反映している。

 また、3月にチベット族の反政府デモが起きた同州のアバ、紅原、ゾルゲ各県では、県境に検問が設置され、「安全のため」として立ち入りが認められていない。

しかしなんつーか、隠したがるのはミャンマーと同じようですね。
ミャンマー>軍事政権、避難勧告行わず サイクロン被害
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080507/1210159573