<レバノン>野党勢力、閣僚ポストの3分の1確保

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080522-00000109-mai-int

 【カイロ高橋宗男】レバノンの親米・与党連合と親イラン、シリアの野党勢力が21日に結んだ「ドーハ合意」で、イスラムシーア派民兵組織ヒズボラを中核とする野党勢力は、事実上の「拒否権行使」が可能となる3分の1以上の閣僚ポストを手にすることになった。今月初旬の国内衝突で首都の一部を制圧したヒズボラ側が、力で押し切った印象は否めない。今後、野党勢力の発言力が強まるのは確実とみられる。

 レバノン内政は06年11月、内閣改造をめぐり「3分の1以上の閣僚ポスト」を要求する野党勢力と、これを拒否する与党連合の対立を発端に混乱してきた。野党勢力側は閣僚6人を引き揚げて下野。昨年11月のラフード前大統領の任期満了に伴う大統領選が延期されてきたほか、今月初めには与野党支持者の市街戦で80人以上の死者を出すに至った。

 多数の宗派が混在する「モザイク国家」レバノンの政策決定は、話し合いによる合意を基本としている。だが、憲法によると重要な決定には国会や内閣の3分の2以上の承認が必要なため、野党勢力側は3分の1以上の閣僚ポストを握ることで事実上の「拒否権」を得ようとしてきた。

 憲法はまた、閣僚の3分の1以上を欠く内閣は正統性を失うと規定している。このため、野党勢力の閣僚全員が辞任すれば内閣は存続できなくなる。

 ただ、今回のドーハ合意は新政権の閣僚に「辞任しない」と宣誓させるなど、「倒閣カード」を防ぐための一定の対策も盛り込んだ。また、「政治的対立に暴力を持ち込まない」ことも確認。ヒズボラなどの「実力行使」に歯止めをかけた。

 合意内容は野党勢力と与党連合双方が一定の利益を得る形となっており、アラブ連盟のムーサ事務局長は「勝者も敗者もない」と強調している。

イスラエルとシリアの和平交渉の話を昨日取り上げようかと思ったんですが、はてなが重かったので、更新あきらめていたら、今日見たら報道増えたようなので、とりあえずはっきりと何かが決まるまでは見送っといてレバノンを。

まぁ話し合いの前に80人以上亡くなっているのは大変な問題ですが、よく合意できたと思います。レバノンといえばシリアの影響の話が出てくるわけで、イスラエルとシリアの和平交渉にも影響を与えるのかもしれません。

いずれにせよイスラエルが、米国の後ろ盾さえあればやっていけるという考えを捨てたというようにも見えますね。