コソボ独立100日 承認わずか40カ国 北部分離、動き加速

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080527-00000061-san-int

 【ベルリン=黒沢潤】コソボが2月にセルビアから独立してから26日で100日が過ぎた。国際社会から当初、期待していたようには独立の承認を得られず、少数セルビア系住民が多数住む北部地域では、分離の動きも加速している。11日に総選挙が行われたセルビアでも、コソボに強硬な極右民族政権が誕生しかねず、コソボをめぐる情勢は楽観視できない。

 コソボ議会は4月上旬、セルビア系住民の権利保護などを盛り込んだ憲法を全会一致で採択した。同憲法は6月15日に発効し、新生国家としての体裁が整う。

 ただ、コソボを国家承認したのは約40カ国にとどまる。コソボは独立後1カ月間に100カ国から承認を得たい意向だったが、「年末までに」(クチ副首相)と目標を後退させた。バスクの独立問題を抱えるスペインが承認を渋っており、同国を旧宗主国とする南米諸国なども慎重姿勢を見せているためだ。国連や欧州連合(EU)への加盟はもとより、世界銀行国際通貨基金IMF)への年内加盟も微妙な情勢だ。

 コソボ北部では分離を狙った動きも加速している。3月初めにはセルビア系のコソボ鉄道職員が北部の鉄道網(約50キロ)の“領有”を宣言。南部からの電車は運行を妨害されている。また、コソボ警察(約7000人)の1割を占めるセルビア系の警官のうち、数百人が記章や短銃を返還し、コソボ政府に不服従の姿勢を示した。3月中旬には、北部地域の国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)の裁判所をセルビア系住民が占拠し、国連警官1人が死亡、住民ら約100人が重軽傷を負った。

 EUの文民支援隊(EULEX)はUNMIKから6月中に行政や司法などの任務を引き継ぐ予定だったが、セルビア政府はEULEXの派遣を「国際法違反」と主張。コソボ北部のセルビア系住民も猛反発しており、引き継ぎ完了は今秋以降になるとの見方が強い。ドイツ公共放送ドイチェ・ウェレによれば、シュレーダー前独首相はコソボの早期独立を認めたことに疑問を投げかけた。

 一方、セルビアではEU加盟に懐疑的なセルビア急進党や、穏健民族派セルビア民主党を軸とする連立政権が誕生する可能性もあり、その場合コソボとの緊張がさらに高まりそうだ。

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http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080410/1207825228
の時は36カ国だったので多少は増えてますが、少ないですね。コソボも何の考えもなく100カ国と言ったわけではなく、実情を考えながら数字を出したんだと思いますが、当てが外れたわけですね。