紛争や飢餓への無関心に警鐘=イスラエル人報道写真家

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080614-00000021-jij-int

 「報道関係の雑誌の売り上げは低迷し、ライフスタイルや経済を扱う雑誌は伸びている。関心は世界の紛争や飢餓より私的な事柄に向かっている」−。命の危険を覚悟でパレスチナ紛争にレンズを向け続けるイスラエル人報道写真家、ジブ・コーレン氏(38)はこう警鐘を鳴らす。

 自身をテーマにしたドキュメンタリー映画の公開に合わせて来日したコーレン氏は、個人主義がまん延する現代社会で紛争への無関心はある程度仕方のないことだとしながらも、「わたしには真実を伝え、事実を記録する責任がある」と言う。

 イスラエル人にとってパレスチナでの活動は極度の危険が伴うため、現場に入る同国人カメラマンは数人。だが、コーレン氏は「双方の視点から撮らなければプロパガンダになる」と足を運ぶ。

 1995年に起きた自爆テロでは、発生から数分後に急行し、大破したバスの車内や付近に遺体が散乱する衝撃的な「真実」を撮影。自国紙や米誌の表紙を飾り、不動の名声を確立した。

 その後、50回以上もテロ現場を踏んだ同氏は「写真は視覚だけだが、現場では悲鳴やにおいなど聴覚や嗅覚(きゅうかく)の情報も入る。人々が無意味に死ぬ瞬間に立ち会い、わたしはトラウマ(精神的外傷)のような傷を負った」と述べ、紛争の不条理を訴える。

 「1000の言葉よりも 報道写真家ジブ・コーレン」は、東京都写真美術館ホールで7月11日まで公開している。 

【関連ニュース】
コロンボで爆弾テロ、10人死亡=ヒルトン・ホテルの眼前-スリランカ
・披露宴狙いテロ、31人死亡=イラク
イラク開戦5年で写真展=死亡記者ら追悼-英ロイター通信
自爆テロで50人死亡=反アルカイダ派の葬儀狙う-イラク
自爆テロで閣僚ら14人死亡=内戦激化のスリランカ

ちょっと耳が痛いです…