【洞爺湖サミット】存在感薄いアフリカ貢献 PKO戦略空回り

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080708-00000935-san-pol

 貧困から内戦や部族紛争が絶えないアフリカ。福田康夫首相は1月の施政方針演説で「平和協力国家」を提唱し、国連平和維持活動(PKO)分野で日本が積極的に国際貢献を行う姿勢を表明した。だが、首相の掛け声とは裏腹にアフリカでの日本のPKO参加はゼロ。アフリカ支援を議論した7日の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)拡大会合でも、平和構築問題で首相が指導力を発揮する場面はなかった。(赤地真志帆)

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 ■法制面の不備が問題

 政府は9月にもアフリカ・スーダン南部に展開する国連スーダン派遣団(UNMIS)司令部に自衛官2人を派遣する。日本がアフリカでのPKOに参加するのは、平成5〜7年に国連モザンビーク活動(ONUMOZ)で司令部要員を派遣して以来13年ぶり。部隊派遣となると、6年のルワンダ難民救援活動後、例がない。

 現在国連が実施しているPKO・平和構築ミッションは29。半数の14ミッションがアフリカに集中しており、日本のPKO戦略は国際潮流から大きくかけ離れている。

 首相は年明けから、サミットで主要議題になるアフリカを念頭に、新たなPKO派遣先の検討に着手。外務省を中心に“白羽の矢”を立てたのが、G8(主要8カ国)の大半が要員派遣を行い、「史上最悪の人道危機」といわれるダルフール紛争を抱えるスーダンだった。

 外務省は当初、スーダン南部に道路復旧や地雷除去などを行う陸上自衛隊施設部隊の派遣を模索した。だが、サミットを控え「派遣ありき」で突っ走る外務省に、要員の安全確保を危惧(きぐ)する防衛省が反発。当面部隊派遣は見送り、首都ハルツームにあるUNMIS司令部に連絡要員を派遣することで落ち着いた。

 政府内でこうした方針が決定したのはサミット開幕直前の6月26日。福田首相は30日に会談した国連の潘基文事務総長に自衛官派遣の方針を伝えたが、逆に「今後空輸や陸上輸送、補給の分野で自衛隊の貢献を増やしてもらいたい」と部隊派遣を促される始末となった

 現在日本のPKO参加は中東・ゴラン高原の国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)と、国連ネパール支援団(UNMIN)の2つにとどまっている。8年に始まったゴラン高原への派遣では司令部要員2人と陸自隊員43人が輸送業務などに従事。昨年3月からのネパールへの派遣では非武装の陸上自衛官6人がネパール軍と反政府組織の武装解除の監視に当たっている。

 国連のホームページによると、4月現在のPKOへの国別派遣要員数は1位のパキスタンが1万597人。G8ではフランスが1952人(13位)、ドイツが622人(29位)のほか、米英両国も300人規模の要員派遣を行っており、36人(実派遣数は51人)の日本はG8の中では最下位となる83位にとどまっている。

 冷戦崩壊による地域紛争の増加でPKO任務の主流は紛争終了後の停戦監視から、一方の紛争当事者への実力行使も排除しない、より危険な任務へと移行してきた。だが日本のPKO協力法は派遣要員の武器使用を正当防衛に限るなど大きく遅れており、法制面の不備が派遣への大きな障害となっている。

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ちょっとじっくり読んでないんですか、
伝統脱却し多国籍軍にシフト=紛争変化に対応−「PKO先進国」カナダの挑戦☆2
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070310/1173520624
のカナダが出てこないんですね。