ノーベル経済学賞、クルーグマン氏 国際貿易で新理論

経済音痴な僕が、何とか読めそうかなと何冊か本を買った、ノーベル賞に一番近い経済学者と言われていたクルーグマン氏が、ちょっと前になりますが、ノーベル賞をとりました。実は彼の経済学者として評価されてる面と言うのを、全然知らなかったので(インフレ目標は覚えてますけど)、新聞記事を拾ってみました。

http://www.asahi.com/business/update/1013/TKY200810130160.html

スウェーデン王立科学アカデミーは13日、今年のノーベル経済学賞を米プリンストン大教授のポール・クルーグマン氏(55)に贈ると発表した。自由貿易グローバル化が経済に与える影響を説明した新理論が授賞理由だ。

 研究活動以外でも、リベラル派の論客として、担当するニューヨーク・タイムズ紙のコラムなどでブッシュ政権批判を繰り返してきた。日本のバブル崩壊後、デフレ脱却のために日本銀行が「インフレ目標」を定めるよう提案したことでも知られる。

 クルーグマン氏は、伝統的な国際貿易論に「規模が大きいほど生産性が高まる」「消費者は多様性を好む」といった概念を取り入れた。これにより、地場の小規模な製造業が、世界市場向けに大量生産する大手に取って代わられる現象を説明。都市への人口集中と周辺地域の過疎化が起きる仕組みも分析した。

 政治的発言も積極的だ。レーガン政権以降の米共和党政権が、高所得者への減税を拡大する一方で福祉を削減し、格差を広げたと指摘。米国が経常赤字を膨らませつつ世界中のマネーを吸い上げて繁栄する構図について、現在の金融危機が深刻化する以前から「(1929年に始まった)世界恐慌前夜に似ている」と警告していた。「グローバル経済を動かす愚かな人々」など著書も多い。

 授賞式は12月10日にストックホルムで。賞金は1千万スウェーデンクローナ(約1億4千万円)。(庄司将晃)

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 ポール・クルーグマン氏 1953年生まれ。米マサチューセッツ工科大で博士号を取得。同大教授、スタンフォード大教授などを歴任した。00年から現職。

クルーグマン氏にノーベル経済学賞自由貿易の理論提示
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081013-00000072-jij-int

 【ロンドン13日時事】スウェーデン王立科学アカデミーは13日、2008年のノーベル経済学賞を米国人でプリンストン大学教授のポール・クルーグマン氏(55)に授与すると発表した。アカデミーは、同氏が自由貿易グローバル化の効果や、都市化が進む要因を解き明かす理論を組み立て、「以前は異なる研究領域だった国際貿易と経済地理学を一体化させた」と称賛した。

 同氏の理論は、多くのモノやサービスは、長期的には「規模のメリット」により安く生産できるとの仮説に基づいている。その結果、地域市場で流通する小規模生産品は、世界市場で流通する大規模生産に取って代わられるとした。

 また、従来の貿易理論は、地理や埋蔵資源の差に焦点を合わせた比較優位論に基づいていたが、これでは、例えばなぜスウェーデンが自動車を輸出する一方で、輸入も手掛けているのかといった、地理的な差では説明のつかない問題にはうまく答えられなかった。クルーグマン氏は、偶然の差による「収穫逓増」をモデル化し、国際貿易の仕組みをわかりやすく説明した。

 クルーグマン氏はまた、米ブッシュ政権批判の急先鋒(せんぽう)としても知られ、米紙ニューヨーク・タイムズのコラム欄を担当、活発な著作活動も行っている。

ノーベル経済学賞に米クルーグマン教授
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081014-00000005-san-int

 ■「後退は長引くが、崩壊避けられそう」

 【ロンドン=木村正人】スウェーデン王立科学アカデミーは13日、2008年のノーベル経済学賞を、収穫逓増(ていぞう)に基づく新貿易理論の旗手で、著作『クルーグマン教授の経済入門』などで日本でも人気のある米プリンストン大学ポール・クルーグマン教授(55)に授与すると発表した。

 同じものを多くつくることによって、かかる費用は少なくなり、利益が上がるようになる。クルーグマン教授はこの「収穫逓増」に基づき同じような環境でも、ちょっとしたきっかけが大きな差を生み、ある国の製品がやがて支配的な地位を占めるようになるという新貿易理論を確立した。

 同アカデミーは授賞理由について「この理論で、最先端技術を持つ都市と未発達の周辺地域に分化し、都市への人口移動が起きる仕組みをうまく説明できる」と評価した。

 同教授は1953年、米ニューヨーク州生まれ。82〜83年、レーガン米政権で経済諮問委員を務めた。2000年から米紙ニューヨーク・タイムズのコラムニスト。ブッシュ米政権への批判を強めており、著書に『嘘つき大統領のデタラメ経済』がある。1991年、米ジョン・ベーツ・クラーク賞受賞。

 経済学賞での米国人への受賞は9年連続。賞金は1000万クローナ(1億4200万円)。授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。

そして現在の経済状況への発言ですが、
金融危機世界恐慌に類似」ノーベル賞クルーグマン
http://www.asahi.com/business/update/1013/TKY200810130165.html

2008年10月14日3時1分

 【ロンドン=尾形聡彦】「今回の金融危機は、(1930年代の)世界恐慌に似ている」――。ノーベル経済学賞の受賞が決まった米プリンストン大学ポール・クルーグマン教授は13日、スウェーデン王立科学アカデミーの会場とつないだ電話会見で、金融不安の進展に警戒感をあらわにした。

 クルーグマン氏は「危機は世界規模で広がっている」と指摘。「自分が生きている間に、世界恐慌に類似するような事態に直面するとは思ってもみなかった」と話した。

 クルーグマン氏はブッシュ政権への厳しい批判で知られる。イラク戦争前には、戦争で海外からの米国への投資が減ればドルは下落し、膨張する財政赤字の手当ても難しくなると警告。イラク戦争が長期化すると「ブッシュ氏は過ちを認めないまま、米国をさらに多くの泥沼へ導く人々とくっついている」と批判をさらに強めた。

 担当する米ニューヨーク・タイムズ紙のコラムで、最近は金融危機について毎回のように取り上げている。

 ポールソン米財務長官が、不良資産買い上げを柱とする金融救済法案を打ち出した際にも、クルーグマン氏は、政府案には問題が多いとして、「必要なのは、金融システムへの資本注入だ」といち早く提言していた。

 英国が資本注入に踏み切り、米国も資本注入へと方針を転換したことから、クルーグマン氏は会見で「ようやく政策が道理にかなったものになり始めた」と評価した。今後の経済の見通しについては「国家の破綻(はたん)は回避できるのではないか」としたものの、「不況は長期にわたる」と指摘した。

 授賞発表は、米東部時間で13日午前7時。クルーグマン氏は知らせを聞き、「すぐシャワーを浴びた。記者会見に備えないといけないと思ったから。まだ朝のコーヒーも飲めていないよ」と話し、会場の笑いを誘った。

ノーベル経済学賞クルーグマン氏 米政権経済政策は間違いと批判
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081014-00000549-san-int

 【ロンドン=木村正人】スウェーデン王立科学アカデミーは13日、2008年のノーベル経済学賞を、収穫逓増に基づく新貿易理論を確立したプリンストン大学教授ポール・クルーグマン氏(55)に授与すると発表した。ロイター通信によると、氏は米ニュージャージー州の同大学で記者会見し、今回の金融危機について「1990年代のアジア通貨危機と同じ困難な局面だ。29年の大恐慌といくつかの類似点がある」との厳しい見方を示した。

 氏は、生産規模が大きくなればなるほど費用が低下する「収穫逓増」の産業では同じような条件でも偶然が大きな差を生み、ある国の製品がやがて支配的な地位を占めるようになるという新貿易理論を確立した。

 2000年から米紙ニューヨーク・タイムズのコラムニストを務める氏は、ブッシュ米大統領批判の急先鋒(せんぽう)として知られる。この日の記者会見で、昨年ノーベル平和賞を受賞したゴア前米副大統領も“反ブッシュ”だったと水を向けられると、「ノーベル賞は知識人が受賞する。知識人の多くは反ブッシュというだけのことだ」と皮肉った。

 同氏は、最大7000億ドル(71兆円)で不良債権を買い取る米国の金融安定化法について、銀行への公的資金注入を先に行うべきだったとし、「ブラウン英首相の方が問題の核心を驚くべき速さで突いた。それに比べ、ポールソン米財務長官は数週間を浪費した」と批判していた。

 13日に英仏独など欧州主要国が銀行への公的資金注入を発表したことについて「恐ろしい事態だが、前週末に比べればややその度合いは低下した」と話した。

 賞金は1000万クローナ(1億4200万円)。授賞式は12月10日、ストックホルムで行われる。

今まで買った本は、

クルーグマン教授の経済入門 (日経ビジネス人文庫)

クルーグマン教授の経済入門 (日経ビジネス人文庫)

が一番最初かな。なんかプレミアムがついてるみたいで1万くらいになっていますね…せっかく商品紹介できると思ったのに(それが本音かw)。
これなら読めそうと思いつつ、やはり日本に対してる本がいいなぁと思って買ったのが、
クルーグマン教授の<ニッポン>経済入門

クルーグマン教授の<ニッポン>経済入門

ただこっちは理論が多くて、結局理論のところは、ほとんど理解できずに終わった気が。
で、一番最後に
嘘つき大統領のデタラメ経済

嘘つき大統領のデタラメ経済

を買いました。この本ももっと普通の題名付ければ、まともな本に見えたと思うんですが、まぁブッシュ政権を批判してたクルーグマン氏がこの時期にノーベル賞を受賞するのも分かる気がします。