金融危機で得をするのは誰か?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081028-00000003-tsuka-bus_all

リーマンショック以降の急激な円高、株価の暴落・・・メディアを通してみると誰もが悲鳴を上げているようにみえる。しかしお金は消えては無くならない。誰かが必ず儲けている。 では誰か!?

発端となるサブプライム問題などは除外して円高、株安という直接的な危機にのみ焦点を当てて見ると、簡単な構図が浮かび上がる。

円高は欧米の資産家達が米ドル、ユーロ、ポンドを売って円を買ったために起こったのである。株安は経済危機による損失を恐れた投資家達が株を売ったために起こったのである。

早い段階で動いた人は高騰前の円を買い、暴落前の株を売ることができた。逆に欧米の通貨や株を持ち続けた人はその価値が下がって損をしている。さらに、外貨や株を円に換えた人々は円高が進むにつれて保有している円の価値が上がるため、現在儲けているわけである。

さて、ここで重要なことが二つある。

一つは、極端に言えば円を持っている人(日本人全員)は、実は今、世界的には資産が増えているのである。例えば石油の価格などは顕著だが、輸入製品は安くなっているわけである。欧米の経済危機の状況と日本のそれとは貨幣の価値という点で大きく異なっている。

もう一つはそれにも関わらず最も株価が下がったのは日本であるということである。理由に関しては様々な要因が専門家に指摘されているので今回省略するが、例えば外国人投資家の影響力の強さや、外需主体の経済(輸出に大きく頼っているということ)などが挙げられている。ここで我々が認識しておくべきことは、日本の経済の脆さである。

結局、日本の不況の大きな原因の一つとして、欧米の投資家の動きに巻き込まれたことが挙げられる。しかし、今最も経済価値があるものは円である。円高は必ずどこかで止まり円安に向かうわけだが、その際に円を買い込んだ欧米人が儲けるか、円を持つ日本人が儲けるのかは我々の動き方次第ではないだろうか?

今の不況に泣き寝入りしている人は大勢いるだろう。しかし、今は逆にチャンスでもある。この金融危機を乗り越えた先、最後に日本人が笑っていることを願う。

(記者:鷹目)

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一年前のエントリでも
破綻の米ファンド創設者 世界同時株安で“勝者”に
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070303/1172880910

円と米国債を大量に買って売り抜ける「強気の賭け」が的中したという

とありました。が、そんな強気の賭けは出来ませんけど。