<IAEA>シリアでウラン跡確認 原子炉存在には慎重姿勢

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081118-00000078-mai-int

 【プラハ中尾卓司】シリアが核施設建設を秘密裏に進めていたと米国から指摘されている問題で、国際原子力機関IAEA)のエルバラダイ事務局長は17日、訪問中のドバイで記者会見し、シリアの現場で採取された環境サンプルから微量のウランが検出されたことを公式に認めた。事務局長は「ウランの痕跡は確認されたが、確かな情報を得られない限り、原子炉があったと決め付けられない」と語り、性急な結論づけには慎重な姿勢を示した。

 エルバラダイ事務局長は「見つかったウランの痕跡は高濃縮ウランでない」としたうえで「いろいろな可能性を検討する必要がある」と説明した。今後の調査次第ではオバマ次期米政権の中東政策に影響が出る可能性もある。

 疑惑が持たれているシリア北東部の施設は昨年9月、イスラエル軍空爆し破壊した。IAEA調査団は今年6月、施設跡を訪れ、環境サンプルを採取した。分析の結果、サンプルからウランの痕跡が確認された。このウランは自然界には存在しないが、ごく微量のため、秘密の核活動を証明できるものでないとされる。

 事務局長は「シリアとイスラエルの協力が必要だ。シリアが透明性を示すことに期待したい」と語り、シリアに一層の協力と追加調査の受け入れを求める考えを示した。

 IAEAは今週中にシリアの核問題に関する報告書をまとめる。ただ確定的な要素は少なくなる見通しで、エルバラダイ事務局長は「まだ多くの課題があり、報告は『今後もさらに調査が必要だ』と指摘する内容になる。原子炉が存在していたかどうかの結論を出すことはできない」と強調した。

 米国は今年4月、この施設について「プルトニウム生産可能な核施設で、北朝鮮から支援を受けていた。完成間近な段階だった」などと指摘した。米国は、IAEA事務局にこの問題の報告をまとめるよう要請していた。

 一方、シリア側は「爆撃されたのは使用されていない軍関連施設」との主張を崩していない。同国のシャーバン大統領顧問は米CNNに「隠し立てするものは何一つない」と強調。ムアレム外相は爆撃地点で採取されたとされる核物質について、イスラエル軍の爆撃によって残された可能性がある、と劣化ウラン弾使用を示唆した。

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シリアの核開発疑惑も今まで何度か取り上げて来ました。

IAEAへの協力に前向き=「隠すものない」と国連大使−シリア
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080426/1209217531

シリアの核開発の北朝鮮協力報道、なにが起こっているのか。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080429/1209440767

核施設を隠蔽工作 シリア
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080513/1210686450

IAEA シリアに初調査団 核疑惑解明へ22日派遣
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080603/1212501681

まぁシリアも何もしていないと言う事は無いんでしょうけど、かと言って兵器用の高濃縮をしているかというと微妙なところじゃないでしょうか。