「サハリン1の天然ガス輸出せず」 日露エネルギー協議 強気のロシア

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081118-00000594-san-int

 日露のエネルギー協力を官民が一体となって協議しようという国際会議が17、18の両日、新潟市で開かれた。ロシアは、日本のほか、中国や朝鮮半島など東アジアにエネルギー輸出を増大させて影響力を拡大し、「東方重視」の姿勢を明確にした。だが会議では、自国の利益を最優先するロシア
側の強気の姿勢が目立った。そのロシアもまた、世界的な金融危機の打撃を受けることは避けられないとの見方が広がっている。

 「日露エネルギー・環境対話in新潟」(主催・新潟県新潟市、環日本海経済研究所)と題した国際会議には、日露両国のエネルギー関連企業や研究者のほか、国際金融機関や日本政府関係者ら約200人が参加。2日間にわたり、極東の石油・天然ガスの共同開発の展望や技術協力などについて話し合った。

 しかし、会議は、日露間の協力よりも、“ずれ”が目立った。

 ロシア側は2012年にアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を極東の港湾都市ウラジオストクで初めて主催する。同国の国営天然ガス独占企業体「ガスプロム」副社長の相談役であるマステパノフ氏は、それまでにサハリンからガスパイプラインを敷設し、日本政府も参画する天然ガス・石油開発事業のサハリン1で産出される天然ガス全量をウラジオストクに輸送し、極東地域で消費する計画を明らかにした。

 だが、同事業の30%の権益を有する日本側は「産出物が、日本に来なければ困る」と訴えた

 それでも、マステパノフ氏は「天然ガスが不足しており、国内消費が優先される。サハリン1の天然ガスは輸出しない」と断言。さらに「エネルギーの消費国は、産出国(ロシア)の言うことを聞かなければならない」とも主張した。

 ロシアでは、最重要産品である石油・天然ガスにかかわる政策は政治が決め、消費国はそれに口を挟むことすら許されない。

 ただ、ロシア側もすでに金融危機の影響で、投資案件を大幅に減らしている。「金融危機のロシアへの影響は、2年後に表れてくるだろう。危機が長期化すれば、簡単に政策転換がきかないロシアへの打撃は欧米や日本以上になるだろう」という指摘もあった。

 会議は18日、両国の官民専門家による対話の継続や大規模エネルギー資源の共同開発などを提言した「新潟アピール」を採択し閉幕した。主催した環日本海経済研究所理事長兼所長の吉田進氏は「消費国と産出国との“対立”を緩和するには、両国の官民による対話の継続が何より重要だ」と話している。(内藤泰朗)

2003/9の報道では
「サハリン1」パイプ経路は2年内に決定 石油ガス局長
http://www.sankei.co.jp/news/030924/0924kei011.htm

 ロシア・サハリン州政府のガリーナ・パブロワ石油ガス局長は23日、日本人記者団と会見し、サハリン大陸棚の石油ガス開発計画「サハリン1」の天然ガス輸送用パイプラインのルート選択について「(北海道を経て東京まで敷設する)日本ルートか、ロシア本土から中国東北部に運ぶ中国ルートかは1、2年のうちに最終決定するはずだ」との見通しを示した。

 日本国内でパイプラインを海底や陸上に敷設するには「用地買収や漁業補償などの問題が大きい」と、日本特有のコストアップ要因を指摘した上で「(電力会社やガス会社などの)民間に比べ、政府の関心は低いようだ」と、日本政府の一段の関与に期待を表明した。

 サハリン1は、サハリン島北東部沖合で進行中の石油・ガス田開発計画。国際石油資本の米エクソンモービルの子会社「エクソンネフテガス」や日本のサハリン石油ガス開発(東京)などの企業連合が、ガスを気体のまま需要地に運ぶ日本初の国際パイプライン導入を前提に開発を進めている。

 同計画について、エクソンネフテガスのマイケル・アレン広報部長は「(パイプラインは)日本市場向けを最優先に考え、中国ルートは代替案と位置付けている」と話している。(共同)

だったんですけどね。