テロ容疑者虐待、ブッシュ政権「容認」に起因…米上院報告

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081212-00000069-yom-int

 【ワシントン=本間圭一米上院軍事委員会は11日、イラクアフガニスタンなどで起きた米兵らによるテロ容疑者への虐待行為が、ブッシュ政権が拷問を事実上容認したことに起因するとした報告書を公表した。

 国防総省は2005年、虐待が自身の政策とは無関係と発表、現場の落ち度を指摘したが、報告書はブッシュ政権に対し、虐待の責任を追及した形だ。

 報告書によると、ブッシュ大統領が02年2月、国際テロ組織アル・カーイダアフガニスタンの旧支配勢力タリバンのテロ容疑者に、過酷な尋問禁止などを定めたジュネーブ条約を適用しないと決めたことから、水責めなどの拷問が容認された。報告書は、バグダッド郊外のアブグレイブ刑務所で03年に発生した拷問について、「一部の兵士が独断で起こした行動とは言えない」と政権側の主張を否定した。

テロ容疑者に対するアメリカの拷問の話題はCIA上層部に責任があるような感じでしたが↓、

■テロ容疑者への「水責め」証言=拷問の組織的実施を示唆−元米当局者
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071211/1197374259

もう一歩踏み込んでブッシュ大統領の決定との関連に踏み込んだと言う事ですね。

ブッシュ大統領はCIAの取調べを合法化しようとしていましたが、↓
2006/09
テロ容疑者の扱いめぐる法案、大統領側が修正案を提示
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200609190021.html

2006.09.19

Web posted at: 18:26 JST

  • CNN/REUTERS

ワシントン――ブッシュ米大統領がテロ容疑者の扱いをめぐり、米中央情報局(CIA)による尋問などを合法化する内容の法案成立を目指している問題で、共和党有力者を含む上院議員が大統領案を拒否したことを受け、ホワイトハウスは18日、反対議員らに修正案を提示した。

テロ容疑者に対するCIAの特殊な尋問方法については、国際社会から、戦争捕虜の扱いを定めたジュネーブ条約に反するとの批判が強まっている。これを受けてブッシュ大統領は、尋問の合法性を主張できるよう、ジュネーブ条約で禁止されている「虐待」などの定義を国内法で明確化することを提案し、議会の支持を求めていた。

しかし、上院軍事委員会では14日、ワーナー委員長ら共和党議員3人が、民主党議員とともに大統領案を拒否。テロ容疑者の人権保護などに重点を置いた別の法案を可決した。ワーナー議員らは、「米国に従って他国もジュネーブ条約の再定義を進めれば、そこで拘束される米軍兵士を危険にさらすことになる」と主張している。

一方、ブッシュ大統領は「CIAの尋問によって、拘束者からテロ計画などの重要な情報が得られ、攻撃を阻止できた例もある」と強調。「法案が成立しなければ、こうした尋問を中止せざるを得なくなる」と訴えている

米議会は中間選挙に向け、2週間後に休会に入る。それまでに大統領側と反対派が何らかの合意に達するかどうかは微妙とみられる。

この時すでに拷問は行われていたと言う事になり、これも自分に火の粉がかからないための予防策だったと言う事でしょうか。

拷問によって得られた自白は裁判での有効性も左右するようです。

米同時テロの立案者など6人起訴…全員に死刑求刑へ
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080212-OYT1T00307.htm

 【ワシントン=大塚隆一】米国防総省は11日、2001年9月11日の米同時テロを立案したとされる国際テロ組織アル・カーイダ幹部のハリド・シェイク・ムハンマド被告ら6人を殺人罪などで起訴したと発表した。

 裁判は、キューバグアンタナモ米海軍基地の特別軍事法廷で行われる。同省は、6人全員に死刑を求刑する方針だ。

 同時テロの主犯格とされるメンバーの起訴は初めてで、約3000人の犠牲者を出した歴史的な惨事を裁くプロセスが、ようやく動き出すことになる。

 ムハンマド被告の取り調べでは、布で覆った顔に大量の水を浴びせかけて自白を迫る「水責め」が用いられた。人権団体などは「拷問にあたる」と批判しており、裁判では自白の有効性が焦点の一つになる。死刑制度を廃止している欧州諸国の反発も予想される。

 起訴された6人はいずれも同基地に拘束中。03年にパキスタンで逮捕されたムハンマド被告は、アル・カーイダ指導者ウサマ・ビンラーディンに航空機を使った同時テロの基本構想を示したとされる。他の5人は同被告の補佐役、実行犯の訓練役、アル・カーイダとの連絡役などを務めたという。罪状は殺人や共謀など計169項目に及ぶ。

 特別軍事法廷は06年9月に米議会が可決した法案に基づき、翌07年2月の大統領令で設置された。同法廷は、米国軍人を裁く軍法会議の手続きをほぼ踏襲し、裁判官、検察官、弁護人、陪審員はいずれも米軍当局者が務める。被告は民間の弁護人を使うこともできる。死刑適用には、12人の陪審員全員が有罪の評決を下す必要がある。

 被告には、連邦裁判所への上訴の権利が認められており、審理の長期化が予想される。
(2008年2月12日18時50分 読売新聞)

わき道にそれますが、テロ容疑者としてはアメリカの司法制度自体を信じないという感じのようですね。
米同時テロ首謀者ら5人、特別軍事法廷の審理始まる
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080606-00000045-yom-int

 【ワシントン=黒瀬悦成】2001年の米同時テロの首謀者として殺人や共謀の罪に問われている国際テロ組織アル・カーイダの元最高幹部、ハリド・シェイク・ムハンマド被告らアル・カーイダ構成員5人に対する初審理が5日、キューバグアンタナモ海軍基地に設置された特別軍事法廷で行われた。

 ムハンマド被告は法廷で、「罪状をすべて認める。(死刑判決を受け)殉教者になりたい」と述べた。

 また、5被告は、「自分はイスラム法しか信じない」との理由で、国防総省が用意した弁護士による弁護を辞退ムハンマド被告は、審理を「異端審問の宗教裁判だ」と述べた。

 ムハンマド被告が03年にパキスタンで逮捕されて以降、報道関係者などの前に姿を見せるのは初めて。

 米政府は、同被告に対する尋問の過程で「水責め」を行ったことを認めており、人権団体などは「強要された自白内容に基づく裁判は無効」と批判している。国防総省は5被告に死刑を求刑する方針。

全容がほぼはっきりするのは
2008/06
国防総省、テロ容疑者に「北朝鮮方式」の尋問手法
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200806180026.html

ワシントン(AP) 米国防総省は2001年9月11日の米同時テロ発生を受け、かつて北朝鮮ベトナムが米軍の戦争捕虜に対して使った残忍な尋問手法に関する情報を収集していたことが、17日に開かれた米上院軍事委員会の公聴会で明らかになった。

公聴会は、国防総省が使った尋問手法の出所などについて検証。当時同省の法務部門に所属していた弁護士のウィリアム・ヘインズ氏が、米兵を敵の尋問に耐えさせるための訓練課程「生存、回避、抵抗、脱出(SERE)」について情報を要求していたことが分かった。

SEREは、朝鮮戦争ベトナム戦争で捕虜になった米兵の経験に基づいて作成された訓練課程。SERE担当部局はヘインズ氏の局に、知覚剥奪、睡眠妨害、ストレスを与える姿勢といった尋問手法の一覧を提供したという。

このうちストレスを与える姿勢など幾つかの尋問テクニックについては、ラムズフェルド国防長官(当時)が2002年12月、グアンタナモ基地で拘束しているテロ容疑者に対して使うことを認めた。しかし軍内部の弁護士からは、法に触れる可能性があるとして反対の声も出たという。

ヘインズ氏は、自分も懸念は持っていたが、軍内部で反対があったことは知らなかったと証言。さらなるテロの発生を阻止するために最善のことをしたまでだと述べた。

軍事委員会の議長を務めるカール・レビン上院議員民主党)は、ラムズフェルド長官による容認が、イラクアフガニスタンでのテロ容疑者虐待につながったと指摘。今後もし米兵が敵の捕虜になった場合、拷問を受ける可能性も高まったとしている。

この日の公聴会ではこれまで機密扱いだった文書も公開された。2002年10月の会議の議事録によると、グアンタナモ基地の収容者に対しては、睡眠妨害などそれまでは禁止されていた尋問手法が採用されていると、同基地に所属する軍弁護士が報告。その事実を赤十字国際委員会には隠していたという。

上院軍事委員会は今後もこの件に関する公聴会を開き、年内に最終報告書をまとめる予定。

で、年内の最終報告書が、一番最初の記事になるわけですね。