<インドテロ>実行犯、地理を熟知 地元に手引き者か

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081225-00000014-mai-int


最多の犠牲者を出したチャトラパティ・シバージー駅は、事件前と同様に乗客でごったがえしていた=ムンバイで2008年12月22日、栗田慎一撮影

 【ムンバイ(インド西部)栗田慎一】日本人1人を含む170人以上が死亡したインド・ムンバイの同時多発テロ事件で、犯人に乗っ取られたパトカーに閉じこめられた地元警察官が毎日新聞に、実行犯2人の逃走ルートを詳しく証言した。実行犯は入り組んだムンバイ中心部の道を迷うことなく走行、「当日、海から上陸したパキスタン人の犯行」だとするインド当局の主張に疑問を投げかける。発生から26日で1カ月。インド政府がパキスタンの関与を指摘し両国関係が緊張する一方で、地元に手助けした者がいた可能性も浮上している。

 取材に応じたのは、事件当夜、右腕などに5発の銃弾を浴び入院していた男性巡査部長(40)。22日に退院し、自宅でインタビューに答えた。

 事件は総勢10人が2人ずつに分かれ、ホテルや駅などを分担して襲撃したとされる。このうち最多の犠牲者を出したチャトラパティ・シバージー駅で銃を乱射した実行犯2人組は、さらに西側のカマ病院を襲撃。巡査部長は対テロ捜査機関トップやムンバイ警察犯罪局長ら6人とともに四輪駆動のパトカーで病院へ駆けつけたところで銃撃戦となった。

 犯罪局長ら巡査部長を除く6人は車内で死亡。2人組はパトカーを強奪し、負傷した巡査部長を後部座席に乗せたまま走り始めた。

 2人組は地図を見る気配もなく、迷わず市街を走った。病院の西側のメトロ映画館前で再び乱射した後、さらに西の別の国鉄の線路沿いに南下。終着駅を回り込むと北上に転じた。海岸沿いで再び警官隊と銃撃戦となり、2人組のうち1人が死亡。もう1人は拘束され、事件でただ一人生きたまま拘束された実行犯となった。

 西側の国鉄線には踏切がなく、終着駅を回り込まなければ海岸に出られない。実行犯はこの事情を熟知し、海岸線に出るためわざわざ一度南下した可能性が強い

 一方、別のグループが襲撃したユダヤ教徒の礼拝所兼住居「ナリマナ・ハウス」も、住宅密集地の路地裏にあり、外見では何の建物か不明だ。地図にもなく、地元住民からは「地理を熟知したインド人の手助けなしには、襲撃は不可能だ」との声が上がっている。

 ◇インド、パキスタン非難合戦

 インド当局は生き残った実行犯の供述として、犯人全員がパキスタン人で、同国を拠点とするイスラム過激派「ラシュカレ・タイバ」のメンバーとの見方を示す。さらにインド各紙は「パキスタン軍情報機関(ISI)が関与した」と報じるなど、当局とメディアを挙げてのパキスタン非難が強まった。

 これに対しパキスタン政府は、ラシュカレ・タイバの最高指導者を軟禁するなどインド側の圧力をかわすのに必死だ。ただインド側が求める容疑者引き渡しには「証拠がない」とかたくなに拒んでいる。

 01年12月のインド国会襲撃事件では、翌年両国が計100万人の兵士を国境に対峙(たいじ)させ「核戦争一歩手前」といわれる緊迫事態を招いた。今回も事件直後は双方が軍の移動にまで言及したが、その後は実際の軍事行動にまでは発展していない。

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インド同時テロ犯人像は?
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20081206/1228583535
でもインドが犯人と名指しした人間の存在が不明な事、船を強奪したというけれど、不明になってる船等が無い事などをあげました。
インド同時テロ 実行犯正体は… ホテルに「司令室」 綿密な計画
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20081130/1228010226
でも、

特殊部隊さえ存在を知らなかった隠し扉を通って、内部に潜伏

と周辺の事情に犯人が非常にくわしかったと思わせる記述があります。