ガザ侵攻 怒り、失望そして疲弊…ヨルダン川西岸住民

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ガザ侵攻の抗議集会で、口をテープでふさぐなどして不満を訴える参加者たち=ヨルダン川西岸ラマラで2009年1月6日、前田英司撮影

 【ラマラ(ヨルダン川西岸)前田英司】イスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエル軍の侵攻を受け、アッバス自治政府議長のひざ元・ヨルダン川西岸自治区パレスチナ人たちは、反イスラエルの怒りを募らせる一方、事態を収拾できない議長やアラブ諸国の指導者への不満をうっ積させている。抗議デモは西岸各地で起きているが、政治不信にイスラエル占領下の疲弊が輪をかけて、激化していないのが現状だ。

 西岸の中心都市ラマラで5日、地元の大学生がガザ侵攻の抗議デモを企画し、ラマラ北部にあるイスラエル軍の検問所に向けて行進した。同校OBのハッサンさん(24)も約200人の学生とともに参加。道すがら、パレスチナ治安部隊に中止を命じられた。一部の学生が制止を振り切ろうとすると、治安部隊が警棒で殴りかかり、強制解散に乗り出した。「ガザで深刻な事態が起きているのに、なぜパレスチナ人がパレスチナ人に暴力を振るうのか」。ハッサンさんは憤慨する。

 12月27日のガザ空爆開始以降、抗議デモは西岸各地であり、一部はイスラエル兵に投石などして小競り合いに発展した。だが、ハマスの亡命指導者メシャール氏が呼びかけるような、新たな反イスラエルの抵抗闘争に発展する気配は薄い。

 「抵抗意欲をそいでいるのは自治政府だ」。ラマラで飲食店を経営するマヘルさん(40)はアッバス議長を痛烈に非難した。議長がガザの惨事の責任をイスラエルだけでなく、ハマスに転嫁したことが納得できない。「我々を売ったも同然だ」

 NGO職員のオマルさん(35)は、長年のイスラエル占領下で人々は疲れ切っているといい、「新たな抵抗闘争を始めたところで何を得られるのか」と失望感を吐露。「ハマスと(議長の出身母体)ファタハの対立も、これまでに和解の機会はあった。問題の根源は市民でなく、指導者たちだ」と嘆いた。

 ラマラで6日あった抗議集会では、参加者が口や目をテープでふさいでいた。パレスチナの現状に「誰も耳を貸さない、目を向けない」とのメッセージだった。

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僕もニュースを読んでるだけですけど、その疲弊感は分かるような気がします。