中国のGPSが2020年完成、空母戦闘群と連動

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090118-OYT1T00063.htm

 【北京=佐伯聡士】中国が構築を進めている中国版GPS(全地球測位システム)「北斗」の地球規模の運用態勢が2020年までに整う見通しとなった。

 中国紙「中国国防報」などが伝えた。すでに衛星5基を打ち上げて軍民両用で地域的な運用が始まっているが、最終的に30基余りを使用する予定で、今年は一気に3〜4基の衛星を打ち上げる

 米国のGPSに依存しない北斗の地球規模のカバーは、建造に向けて本格的な研究が始まった空母戦闘群と密接な関係を持つ。ミサイル駆逐艦、艦載機の精密誘導兵器などを駆使する空母戦闘群にとって、独自技術による測位システムは欠かせない。有事の際、米国がGPSをコントロールし、空母などが機能不全に陥る事態を避けるためだ。外交筋の間では「空母建造の時期は北斗の完成をにらんだもの」との見方が出ている。

 03年5月から正式に運用を開始した北斗は、中国とその周辺地域を対象に、軍だけでなく、漁業、気象、交通などの分野で幅広く利用され、昨年5月の四川大地震の際には軍の救援活動で威力を発揮したという。精度などレベルを大幅に向上させた第2世代の整備も07年4月から始まっている。

 衛星測位システムは、米国のGPSのほか、ロシアの「グローナス」が10年のシステム完成に向けて急ピッチで態勢を整えている
(2009年1月18日00時51分 読売新聞)

中国は本当にアメリカを追い上げようとしているようですね。時間はかかりますけど。

しかしEUガリレオに触れないところが、中露の脅威をあおるために書かれた記事?と言う気がしなくも無いんですが。

ガリレオに関しては
ESAが衛星打ち上げ、欧州版GPS計画が一歩前進
http://www.cnn.co.jp/science/CNN200804280028.html

モスクワ──欧州宇宙機関(ESA)は27日、欧州版GPS「ガリレオ計画」のための実験衛星を、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げたと発表した。ガリレオ計画としては、2番目の衛星。今回の打ち上げにより、遅れている同計画が一歩前進した。

ガリレオ計画は、欧州連合(EU)が構築を主導する測位システムで、米国が実権を握るGPS(全地球測位システム)に対抗するもの。EUが計30個の衛星を配備する、民間利用目的のシステムとなっている。

2基目の衛星は、2006年に打ち上げ予定だったが、最終検査で回路上に問題が見つかったため、延期されていた。

当初の計画では、2013年までに運用を開始する予定で、1基目が2005年に打ち上げられている。しかし、計画が遅れていることから、システムの運営が遅れるのは確実と見られている。

今後は2010年までに、4基の衛星を打ち上げる予定

GPSは米国が軍事目的で構築したもので、他国は詳細な情報を受信できず、運用にも意見が出せないことから、EUがガリレオ計画を推進。米国側も当初は安全保障の観点から計画を批判していたが、ガリレオ計画とGPSのシステムを共通化して共用することで、EUと合意に達している。

というのがありました。