<ガザ>無抵抗の住民殺害…ザイトゥン地区ルポ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090120-00000023-mai-int


19日、完全に破壊されたガザ市ザイトゥン地区の集落を歩く住民ら=澤田克己撮影

 【ガザ市(パレスチナ自治区ガザ地区)澤田克己】「近くの住宅が爆撃されているのだろうと思っていたら、突然、こちらに砲弾が飛び込んできた」

 イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃で、国連人道問題調整事務所(OCHA)が今月9日、住民が住宅1軒に集められて砲撃され約30人が死亡したと報告した、ガザ市ザイトゥン地区の現場に19日入った。

 住民は国連報告の通り、閉じ込められた住宅が砲撃を受けたと証言。イスラエルイスラム原理主義組織ハマスの掃討と主張するガザ侵攻で、同軍の支配下にある無抵抗の住民が殺害された実態が明らかになった。

 住民によると、イスラエル軍がザイトゥン地区を急襲したのは4日午前8時ごろ。兵士は住民に銃を突きつけ、アラビア語で「静かにしろ。外に出ろ」と命令した。集落の住民を何軒かの住宅に分けて閉じこめた。説明は何もなかった。

 アラファトさん(36)は「自宅から出ることを拒否した兄は、その場で射殺された」と話す。ブラヒミさん(45)は他の住民とともに1軒の民家に閉じ込められた。十分な寝具もなく、寒さと飢え、恐怖から、誰も何も話さず、ただ泣き声だけが聞こえてきた。

 夜が明けた5日朝、外から爆発音が聞こえた。イスラエル軍は住民が集められていることは知っていたはずだ。だが、砲弾が部屋に飛び込んできた。繰り返し行われた攻撃で多くの人が死んだ。

 ブラヒミさんも両足を負傷したが、無事だった人たちと一緒に、Tシャツで作った白旗を掲げて逃げ出した。

 イスラエル軍は侵攻の際、民家を拠点とするため住民を強制的に立ち退かせることがあり、今回もそれが理由だった可能性はある。だが、なぜ無抵抗の住民を集めた住宅を攻撃したのか。軍は「(事件について)調査する」と述べただけだ。

 現場では攻撃から2日後、許可を得た赤十字国際委員会(ICRC)がけが人を救出。その後、イスラエル軍は現場の住宅に再び激しい爆撃を加え、完全に破壊したという。

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この件ですね。
国連報告書の避難住民砲撃、イスラエル軍救助もせず?
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20090110-OYT1T00692.htm

パレスチナ情勢

 【エルサレム=久保健一】国連人道問題調整事務所(OCHA)が9日、パレスチナ自治区ガザでイスラエル軍が住民を付近の建物に避難させた上で砲撃し約30人を死亡させたとする報告書を出した問題は、砲撃後、生存者をイスラエル軍が救助しなかった疑惑も浮上するなどしている。

 砲撃があったのは、北部の最大都市ガザ市のゼイトゥン地区。報告書によると、イスラエル軍の地上作戦開始翌日の4日朝、歩兵部隊が周辺に暮らす同じ一族の110人に対し、安全確保のためとして、建築中の倉庫に移るよう指示、その24時間後に攻撃が行われた。イスラエル軍報道官は9日、「特定の建物に誘導した事実はない」と否定した。

 当時、建物内にいて首や背中に重傷を負ったファラジ・サモーニ氏(22)は、本紙通信員に「銃撃がしばらく続いたあと、戦車砲が繰り返し撃ち込まれた。負傷者を残し、約2キロの市中心部まで逃げるしかなかった」と語った。「こんな暴虐を、同じ人間に対しできるものだろうか」と怒りをあらわにした。

 一方、赤十字国際委員会は8日、軍が負傷者を救助しなかったとして、非難声明を出した。死者数については、同委員会は15人とするなど食い違いがある。
(2009年1月10日22時16分 読売新聞)

この件についてはきちんと調査して欲しいですね。