プーチン首相の誤算 ガス紛争で明るみになった「ロシアの凋落」

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 ロシアとウクライナ両国のガス企業は19日に2018年までの安定供給に関する長期契約を締結し、ロシアの天然ガス国営企業ガスプロム20日、今月初めから停止していたウクライナ経由のパイプラインによる、欧州向けガス輸出を再開した。

 ロシアは、ウクライナとの「ガス紛争」で同国の親欧米政権の転覆を狙ったものの、今回の強硬策には釣果がなかったとロシア国内からも批判の声が上がっているガスプロムガスの供給を停止すると一日に2億ドルの損失が発生し、停止期間中の損失は20億ドル(1780億円)を上回るといわれている。また今月21日ごろまで2週間にわたってガスが途絶えてしまったブルガリアは、ロシアに2億5000万ユーロ(約296億円)の損害賠償を求めたほか、ドイツやスロバキアハンガリーギリシャなども同様に賠償請求する考えだ。

 供給再開の調印に立ち会ったロシアのプーチン首相は「双方が歩み寄った」とコメントしたが、今回の強制執行作戦ではプーチン首相の狙いとは裏腹に得られた利益は少なかった。今のロシアに2006年にウクライナへの天然ガス供給を停止したときのような勢いはない。当時はエネルギー価格は急上昇しており、ロシア経済も成長を持続させていた。プーチン氏は莫大な天然ガス資源を利用して「エネルギー大国になる」と明言し、国家予算の20%以上をまかなっていたガスプロム時価総額は世界でも最大規模になるだろうと投資家に予想されていた

 しかし金融危機が資源国として優位な地位を築いてきたロシアの立場を状況を一変させた。歳入のうち約4割を占める石油・ガス輸出が価格下落の影響で大幅に減少。ロシアの09年の財政収支も黒字見通しから一転、10年ぶりの赤字に転落する模様だ。今後原油価格が大幅に上昇しない限り、赤字は避けられそうもない。今年の国内総生産GDP)伸び率は11年ぶりにマイナスとなる可能性が高まっている。98年のデフォルト(債務不履行)以来の経済危機にあるロシアと同様に、同国の高度成長によって高支持率を維持してきたプーチン首相も過去最大の危機に直面している

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ちょっと推測の域を得ない部分が多いような気がしますし(ロシアの意図とか)、見出しと内容とあってるか?という疑問もありますが、ロシアが今回の件でかなりの損害が出ていることは確かみたいですね。