「タリバン、アルカーイダ掃討に集中」 アフガン戦略変更進言 米国防総省

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090205-00000069-san-int

 【ワシントン=有元隆志】米国防総省アフガニスタンをめぐる米国の軍事戦略について、イスラム原理主義勢力タリバンと国際テロ組織アルカーイダの掃討に集中するようオバマ大統領に進言する秘密報告をまとめたことが3日明らかになった。AP通信などが伝えた。アフガンでの自由の拡大と民主主義の確立を追求したブッシュ前政権から戦略的な転換を迫るものといえる。アフガンの近隣国キルギスが国内にある米軍空軍基地の閉鎖を決定するなど米軍を取り巻く厳しい状況を反映した格好だ。

 キルギスの首都ビシケク郊外のマナス空港にある米空軍基地は、2001年以来アフガンでの米軍の対テロ作戦の拠点となってきた。閉鎖されれば米軍にとって打撃となる。

 国防総省のモレル報道官は3日の記者会見で、アフガンに駐留する米軍への補給上、同基地の存続が「極めて重要」と述べ、キルギス側の方針撤回に期待感を示した。

 米政府はアフガンに夏までに3個旅団(約1万1000人)を増派することを近く正式決定する方針だが、増派の効果が直ちに出るとの見方は少ない。

 国防総省が2日に議会に提出した報告書でも、昨年春と夏に起きた暴力行為が01年のアフガン攻撃開始以来、最高水準に達するなど、タリバンが攻勢に出ている一方で、アフガン政府は汚職の蔓延(まんえん)によって機能不全になっているとの実態が指摘された。

 軍事戦略の立案を行う統合参謀本部がまとめた秘密報告は、こうした困難な情勢を踏まえ、米国が望む民主化をアフガンに強制することはできないと指摘し、アフガンとパキスタンの国境沿いで活動するタリバンとアルカーイダの掃討作戦に戦略目標を絞ることを強調しているという。

 具体的には、パキスタンとの協力をより深めることが必要とし、テロ対策を目的としたパキスタン軍の強化支援策が盛り込まれている。同時に、アフガンの軍と警察の訓練にも、一層力を注ぐべきだとしている。

 秘密報告は近くオバマ大統領に提出される。報告を踏まえて、政権としての長期的な戦略がまとめられるという。

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教えてなぜ私達はそこにいるの?アフガニスタン(とパキスタン)に利益を見出そうと努力する事。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090204/1233752026
で、

対テロ戦略のオールスターたちが一緒に書いてます。
これは戦略学の研究者にとっては必読文献ですな。

とあり僕が英文和訳した文の一部

アメリカとアフガンの人々とそれらの同盟のパートナー達は達成可能な終わりのありようについて同意し、それに合うような中間目的を取り決め、それらを達成するために必要な資源・人員を配分する必要がある。この終わりのあり方は、ただ単にテロリストと戦うという以上のもので、順調で近代的な議会制民主主義というようなものよりさらに現実的なもの--アフガンの人々に十分な安定を提供できる、支持できるシステム--であるべきである。これを達成するには、同盟国とそのパートナーとなるアフガンの人々は中央集権化された統治での身分とカブールの外を支配する伝統的で民族的な宗教の力の構造との融和に努める必要がある。中央集権と伝統的な力の間の中心--中央政府は全ての地域を支配しているわけではない--はアフガンの安定のキーである。これを達成するには、もっとたくさんの軍事力だけでなく、良い統治とアフガンの人々に必要なものを彼らの住む場所に供給するためのもっと多くの合意が必要である。同盟国はあらゆるレベルでアフガン政府の堕落に対抗するための相当な額の投資をする必要があるであろう。

という戦略に遠く及ばない気がするのですが…

まぁすべてはまず

4月のストラスブール(訳注:フランス北東部の都市)のNATOサミットは、その国と地域の未来をどう形作るかという事に対して、同盟の役割を決めるだろう。

という部分にかかっているんでしょうね。