イラク地方選マリキ首相派勝利・・・ちょっと前の話ですが。

マリキ首相については今まで色々書いてきました。
イラクのマリキ首相の立場ってどうなんだろ。
イラクのマリキ首相の立場ってどうなんだろ。その2(1:国内対立編)
イラクのマリキ首相の立場ってどうなんだろ。その2(2:法案・合意編)。
イラクのマリキ首相の立場ってどうなんだろ。その2(3:外交編)
大まかに言ってマリキ首相の指導力が低下している事、アメリカが望まないイランやシリアとの関係を築いている事などを書きました。

↑上の
イラクのマリキ首相の立場ってどうなんだろ。その2(1:国内対立編)。
では
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20070902/1188740897

移行政府首相だったジャファリ氏がマリキ首相批判を展開するなど、マリキ氏の出身母体であるシーア派政党アッダワ党内からも不満が噴き出しており、マリキ首相は四面楚歌(そか)に近い状況に置かれている。

と書かれていました。

また、
地位協定で米が修正回答=「最終案」と大使館−イラク
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20081109/1226246546
では、
2008/05の、
イラク治安悪化 窮地のマリキ政権、イランと「直談判」

AFP通信によると、議員団はイラン国内に滞在しているとみられるサドル師との面会を求めたが、同師は話し合いに応じず、「タラバニ大統領とマシュハダニ国民議会議長の主導でしか解決できない問題だ」と述べた。フセイン政権時代からイランとの太いパイプを持つ有力者を名指ししたことで、マリキ首相の指導力低下とイランの影響力が暗に示された形となった。

 マリキ政権を支えるシーア派与党会派に加わるイスラム最高評議会(SIIC)は、サドル派と激しい勢力争いを続けており、多数の議席を確保すると予想されるサドル派の伸長を掃討作戦によって食い止めることは、マリキ首相の思惑とも一致している。

と書きました。

実際の地方選は2009/1/31に行われましたが、
イラク地方選>首相派が勝利…国民に反イラン色
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090206-00000007-mai-int

 【カイロ高橋宗男】イラクの独立選挙委員会は5日、先月31日に実施した地方選挙(県評議会選)の暫定開票結果(開票率約90%)を発表した。マリキ首相率いるイスラムシーア派政党「アッダワ党」を中心とする政党連合が、バグダッドや南部8県で他の政党連合などをリードし、これまで地方政治を支配してきたシーア派政党「イラクイスラム最高評議会(SIIC)」との勢力争いに勝利する見込みだ。

 今回の選挙は地方選ながら、今年末にも予定される総選挙の前哨戦と位置付けられる。人口比で6割を占める多数派のシーア派住民は、イランと関係の深いSIICへの不満を高めており、「イラク国家主義」を前面に打ち出すマリキ首相派を後押し。マリキ首相は総選挙に向けて有利な態勢を整えた。

 イラク国民の「反イラン」感情を受けてSIICが低迷したことは、03年のイラク戦争以降、イラクへの影響力を高めてきたイランにとって打撃と言える。一方、イランの影響力に神経をとがらせてきた米国にとっては、駐留米軍の早期撤退に向けた好材料となりそうだ。

 選挙委によると、マリキ首相派はバグダッド県のほか、シーア派が多数を占める南部9件中8県でトップを占めている。バグダッド県では38%の得票率を示し、南部バスラ県では37%と、2位のSIIC(11.6%)に25.4ポイントの大差をつけた。

 一方、前回地方選をボイコットしたスンニ派が本格参加したことを受け、スンニ派シーア派が拮抗(きっこう)する北部ディヤラ県などでは、スンニ派政党が最多得票するなど、スンニ派の本格的な地方政治参入が決まった。また、世俗派もある程度、勢力を拡大しており、有権者の投票行動には「反宗教政党」の傾向も見られた。

 地方選は国内18県中、クルド地域3県と石油都市キルクークがあるタミム県を除く計14県で実施された。

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選挙結果の詳報は
イラク地方選、マリキ派が9州を制す
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090206-00000003-cnn-int

バグダッド(CNN) 1月31日に実施されたイラク地方選で、同国選挙管理当局は5日、開票率90%での集計結果を発表した。マリキ首相が率いるイスラムシーア派政党ダワ党を中心とする法治国家連合が、14州のうち9州で首位を確保している。

地方選は全国18州のうち、クルド人自治区の3州とタミン州を除く各地で実施された。残る10%には、期日前に投票した治安部隊メンバーの票などが含まれている。

法治国家連合は、シーア派最大政党のイラクイスラム最高評議会、同派の反米指導者ムクタダ・サドル師を支持するサドル師派を抑え、最も人口の多いバグダッドで38%の得票率を記録。バスラでは37%など、シーア派が多数派を占める州のうち、カルバラを除く全州を制した

一方スンニ派地域では、宗教政党イラクイスラム党がサラハディン、ディヤラの両州で勝利している。同党が、米軍の武装勢力掃討に強力するスンニ派部族組織、覚せい評議会と激しい争いを展開したアンバル州では、小規模政党イラク国民対話の候補者が首位を占める番狂わせがあった。スンニ派アラブ人とクルド人の勢力が拮抗するニネベ州では、アラブ人会派が約半数の票を集めて勝利した。

前に
イラクの将来に少しだけ希望が感じられた。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20080120/1200828416
と依然書きましたが、米軍撤退が近づいてきた今状況は良くなっているのかなという気がします。

しかしまだクルド人キルクークという地雷はそのままですね。

ここ↓に詳しい事が書いてあるようです、読んでませんが。題名からするとどこかの党と手を組まないといけないようですね。
Prime Minister’s Party Wins in Iraqi Vote but Will Need to Form Coalitions
http://www.nytimes.com/2009/02/06/world/middleeast/06iraq.html?_r=1&partner=rss&emc=rss


灰色: 選挙未実施、青: アッダワ党、赤: イラクイスラム党、黄: それ以外ということのようですが、いまいち情報元に自信がないので、必要な方はちゃんと調べてください