<与那国町長選>日本最西端の孤島で陸自誘致争点 自公推薦「推進」現職が再選

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090803-00000003-maiall-pol

 防衛省が検討する陸上自衛隊の部隊配置を争点にした沖縄県与那国(よなぐに)町長選が2日、投開票され、陸自誘致派の無所属現職、外間守吉(ほかましゅきち)氏(59)=自民、公明推薦=が、誘致反対を掲げる元町職員の無所属新人、田里千代基(たさとちよき)氏(51)を破り、再選を決めた。【三森輝久】

 与那国島は日本最西端の孤島。陸自配置については浜田靖一防衛相が7月、防衛相として初めて町を視察しており、外間氏当選で与那国島への配置検討は省内で更に加速する。一方、台湾まで約110キロ、中国(福建省)まで約350キロにある島への陸自配置は中国、台湾を刺激する可能性がある。

 与那国町は1947年に約1万2000人だった人口が今は約1600人にまで減少。牧畜やサトウキビ、漁業以外に目立った産業はない

 外間氏は「人口と税収増につながり社会基盤の整備も期待できる」として、今年6月、浜田防衛相に100人規模の陸自部隊配置を要請した。これに対し、田里氏は「台湾との交流を進めることで安全保障を図る。平和な島に自衛隊は不要」として配備に反対していた。当日有権者数は1208人、投票率は96・03%。

 確定得票数次の通り。

当619 外間 守吉

    =無現<2>[自][公]

 516 田里千代基

       =無新

 ◇経済再生 陸自に活路 「中国刺激」慎重論も

 沖縄県与那国(よなぐに)町長選で、陸上自衛隊誘致派の現職が当選したことで、台湾まで約110キロの日本最西端の島への陸自配置が現実味を帯びてきた。中台間の緊張が高まった時や尖閣諸島の領有問題を意識した配置構想だが、「いたずらに中国を刺激することになりかねない」との慎重論は防衛省内にもある

 陸自の与那国配置は、冷戦終結旧ソ連の崩壊で、北海道を中心とした「北方」から、軍備を近代化し緊張が続く中国、台湾の「西方」を重視する防衛省のシフト変更の一環だ。こうした中での与那国町からの配置要請は、防衛省にとってまさに「渡りに船」。島には2000メートルの滑走路を備えた与那国空港があり、防衛省幹部は「東シナ海への展開が可能で、にらみをきかせる拠点になる」とその重要性を強調する。

 一方、与那国町陸自誘致に動いた理由は、「自衛隊は一つの産業」という外間守吉町長の言葉に象徴されるように、部隊配置による人口増と経済効果だ。逆に、「西方」重視へのシフト変更を警戒する北海道千歳市では、山口幸太郎市長が自衛隊の体制維持を求める要望書を首相官邸防衛省に提出している。

 自衛隊の誘致や基地維持を、安全保障と無関係な経済的理由から要請する自治体が相次いでいる。まちの活路を自衛隊の存在に見いだそうとする背景には、やまない地方の疲弊があることを忘れてはならない。【反田昌平、本多健】

 ◇小差103票の決断 地縁血縁、保革もねじれ

 陸上自衛隊誘致を巡り、島を二分する町長選となった沖縄県与那国(よなぐに)町。終戦直後まで台湾との往来が盛んだった周囲27キロの島の選択は、陸自誘致容認だった。しかし、103票の僅差となった選挙結果には、誘致問題だけではなく、島の厳しい現状や地縁血縁、保革入り乱れた複雑なねじれも浮かび上がる。

 当選した現職の外間守吉(ほかましゅきち)さん(59)=自民、公明推薦=は「自衛隊誘致について町民の評価が得られた。誘致が実現するかどうかは防衛省次第」と話した。外間さんを支援した旅館経営、片寄利視さん(65)は「島にはどこの企業も来ない。自衛隊が来れば人口も増えるしお金も入る」と外間さんの当選を喜んだ。

 選挙戦は、現職を革新支持者が支持したり、逆に、誘致反対を掲げた新人を島の大手建設業者が支援するなど、複雑なねじれを見せた。

 陸自誘致反対を掲げて敗れた元町職員、田里千代基(たさとちよき)さん(51)を支持した男性は自衛隊には来てほしくないと考えている町民が多い。しかし、島の選挙は、人間関係で支持が決まることが多い」と話した。【三森輝久】

毎日新聞からですが、読売新聞だとまた違った感じです。

与那国町長選、現職再選…陸自誘致派で自公推薦

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090803-00000059-yom-pol

 台湾に近接する日本最西端の島、沖縄県与那国島への陸上自衛隊誘致の是非を争点とした与那国町長選は2日、投開票が行われた。

 人口減の歯止めや経済活性化を目的に誘致を推進する現職・外間(ほかま)守吉(しゅきち)氏(59)(無=自民、公明推薦)が、民主党などが支援する反対派の新人で元町副参事・田里(たさと)千代基(ちよき)氏(51)(無)を小差で破り、再選を果たした。

 選挙は衆院選沖縄4区から立候補を予定する自民前議員、民主新人が応援に入り、衆院選の前哨戦の色合いも帯びた。町が誘致を打ち出し、浜田防衛相が南西諸島の防衛力強化を目的に検討を表明した陸自配備をめぐって島を二分する戦いとなったが、民意は配備を支持する形となった。ただ、否定的な立場をとる民主党衆院選で政権を取れば、白紙に戻る可能性がある

 得票は外間氏が619票、田里氏が516票。投票率は96・03%(前回97・14%)だった。

 与那国島は戦前、台湾と沖縄本島との貿易の中継拠点として栄え、島の人口は約1万2000人に達した。しかし、戦後は過疎化が進み、現在の人口は約1600人。町議会は昨年9月、陸自誘致の要請決議を賛成多数で可決。外間氏は今年6月末、浜田防衛相に町として誘致する意向を伝え、「配備検討」の答えを引き出した。

 当選した外間氏は同町内の事務所で「100人規模の部隊が来れば、町民税や地方交付税で潤い、公共工事や雇用も増える」と誘致効果を強調。その上で、「反対派もいるので、場合によっては住民投票を行うことも考えたい」と述べた。

 一方、町職員として台湾との交流事業に携わってきた田里氏は「自衛隊が来れば、台湾との摩擦を引き起こす」と反対を訴えたが、及ばなかった。

 南西諸島の防衛力強化は、中国が東シナ海でのガス田開発を目的に海洋進出を進めていることや、中国や台湾が領有権を主張する尖閣諸島問題もあり、防衛省の懸案となっている。陸自を配備する場合、周辺海域の船舶の航行を監視する役割を担うとみられる。

産経新聞だと
与那国島陸自部隊配置へ 中国に対抗

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/274187/
政府は4日、日本最西端に位置する沖縄県与那国島(よなぐにじま)に陸上自衛隊の部隊を配置する方針を決めた。年内に策定する次期中期防衛力整備計画(平成22〜27年度)に盛り込む。複数の政府・与党関係者が明らかにした。実現すれば、沖縄で本島以外へ陸上部隊を配置するのは初めてとなる。付近を航行する船舶の監視を行うとともに、離島防衛の意思を明確にするのが目的で、軍事力を増強し東シナ海での活動を活発化させる中国に対抗し、南西諸島の防衛力を強化する狙いがある。

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記事本文の続き 配置する部隊は、レーダーなどで船舶の航行情報を収集する沿岸監視隊となる見通しで、規模は数十人。防衛省は、那覇市に司令部を置く陸自第1混成団(約1800人)を今年度末までに約300人増強し旅団に格上げし、その後、旅団から与那国島に部隊を新たに置き、レーダーサイトも設置する。

 実戦部隊の配置は、島内に演習を行える十分な土地がないことや、中国、台湾を刺激しないよう配慮した結果、見送る方針だ。ただ、与那国島には2000メートルの滑走路を持つ与那国空港があるため、将来的には有事の際に陸自部隊の来援を受け入れたり、海自の哨戒機P3Cを配備したりすることもありそうだ。

という事だったのですが、それで中台を刺激しないかするのかは分かりませんが、なんか言われたら中国お得意の内政干渉反対と言えばいいような。