石油パイプライン建設参画 中国、マレー半島でも

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090815-00000035-san-int
 【北京=野口東秀】ミャンマーと中国南部とを結ぶ石油・天然ガスパイプラインの建設に来月から乗り出す中国が近く、マレー半島でも、石油パイプライン建設に参画することになった。中国が輸入する石油の輸送の多くは、米海軍が強いプレゼンスを維持するマラッカ海峡を経由しており、同海峡でのタンカー航行を避け、輸送ルートの多元化を図る狙いがある。中国は資源輸入の“大動脈”構築に、余念がないようだ。

 14日付中国紙「第一財経日報」などによると、このパイプラインはマレーシア北部のクダ州ヤンとクランタン州バチョックを結ぶ

 予定事業費は70億ドル〜100億ドル余。中国石油・ガス事業最大手の中国石油天然ガス集団公司(CNPC)は十数億ドルを出資すると伝えられるが、将来的にはそれ以上になる可能性もある。CNPCはクダ州ヤンでの製油所建設にも資本参加し、精製済み製品を長期的に購入することでも合意したとされる。

 石油消費量で世界2位の中国の輸入量は、2002年の6900万トンから07年には2億1100万トンに急増した。国家発展改革委員会は20年に3億8千万トンになると予測している。米国防総省の予測では、海外石油の依存度は25年に8割以上になる。

 現在、中国の輸入石油のおよそ4割は中東産、3割はアフリカ産だ。輸入全体の9割は海上輸送で、その多くは海賊による襲撃の危険性をはらみ、有事の際には封鎖されかねないマラッカ海峡を通過しなければならない。このリスクを分散させるため、中国は「ミャンマールート」(ミャンマー西部シットウェ〜中国・昆明)のほか、今回の「マレー半島横断ルート」の建設着工に加え、クダ州ヤンとタイ南部のソンクラーを結ぶパイプライン敷設にも関心を持っているとされる

 軍事及び資源戦略上、インドを取り囲むように、インド洋周辺国に港湾などのインフラ建設を行う真珠の首飾り”戦略を鮮明にしている中国には、パキスタンのグワダルから中国西部を結ぶ石油パイプライン計画もある。

 CNPCだけでもその投資先は「世界約30カ国、80項目弱に及ぶ」(専門家)と指摘され、中国のこれらエネルギー大手は、経済発展に欠かせない資源を確保するとの国家戦略のもと、世界中で開発・投資契約を結んでいる。NPCは最近も、日本が開発を凍結したイランの「アザデガン油田」権益の70%を取得した。

元気があれば地図とか書きたいんですけど、ちょっと疲れているので、このままで。