LNG大国、中国を開拓 東ガス、プラント建設請負参入

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090814-00000039-fsi-bus_all

 東京ガスは14日、子会社の東京ガス・エンジニアリング(TGE)を通じ、将来のLNG(液化天然ガス)大国といわれる中国で、LNG基地プラントの機器調達から建設、管理までを行う建設請負契約(EPC)の受注に参入する方針を明らかにした。欧米勢の参入も相次ぐ中で、TGEが持つLNG基地の基本設計と運営、メンテナンスのノウハウを生かし、中国沿岸部で加速するLNG基地や、内陸部のタンク建設プロジェクトの市場を開拓する。

 TGEは、電力供給不足に対応し、緊急措置として、上海のLNGピークシェービング基地増設工事と管理を手がけた実績があるが、ビジネスとして本格参入する。

 経済成長が続く中国では、国際的に環境対策が課題になっている。このため、二酸化炭素(CO2)排出量の少ないLNGが評価され、LNG基地やパイプラインの需要が拡大している。一方で、日本国内のLNG基地建設は一巡しており、高い技術を持つ日本企業にとっては商機だ。

 TGEはこれまで、中国ではLNG基地の基本設計の請け負いが中心だった。だが、EPCの受注によって、300万トン級のLNG基地の場合、総事業費400億〜500億円に対し、コンソーシアム(事業の連合体)として100億円程度の売り上げが見込める大きなビジネスになる

 第一弾として、韓国エンジニアリング企業や中国の設計院などとコンソーシアムを組み、2007年に中国海洋石油(CNOOC)から基本設計を受注した広東省珠海市のLNG基地の受注を目指す。入札は早ければ来年半ばの予定だ。

 また、日本のタンクメーカーや中国の設計院と共同で、内陸部で進むLNGタンクの建設プロジェクトの受注も狙う

 こうした結果、TGEは海外事業の売上高を、2008年度見通しの15億円から数年後に40〜50億円に引き上げる計画だ。

 TGEは今年4月、上海に現地法人「TGE上海」(上海市、資本金2000万円)を設立している。LNG基地の基本設計で実績を挙げているが、中国人技術者も採用し、将来的には、中国でのEPC受注を担うエンジニアリング集団に育成する

 一方、TGEは基本設計の受注も強化する。

 来週にもCNOOCから、広東省汕頭市で建設予定の200万トン級LNG受け入れ基地の基本設計契約に合意する見通しだ。受注金額は1億5000万円に上る。CNOOCからLNG基地の基本を受注するのは深センなど4件目、CNOOC以外のものも含めると9件目で、今後、EPCとともに受注を強化する。(上原すみ子)

まぁ技術だけ持ってかれてあとポイにならなければいいんですが。