中国初の日本青書 ギョーザ中毒事件、拉致問題も記述 扱い格上げ…重視の表れ?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090820-00000069-san-int
 【北京=矢板明夫】中国における日本研究で最高権威となる年次報告書「日本青書」(中国社会科学文献出版社)が19日に初めて出版された。政府系シンクタンク中国社会科学院日本研究所の学者が執筆し、2008年の日本を経済、政治、外交、社会文化など6つの分野に分けて振り返り、中国の視点に立って分析した。青書は日本を好意的に述べる部分も多く、中国製ギョーザ中毒事件や日朝関係などでは、中国政府のこれまでの立場より踏み込んだ表現もみられた。

 中国社会科学院は00年から、「日本発展報告」との題名で毎年、日本研究の成果をまとめて発表してきたが、今年はそれを「青書」に格上げした。その理由について同院研究者は、「国際社会の政治、経済情勢が複雑化する中、日本研究は中国にとりますます重要になってきた」と説明した。

 青書は英国議会の外交委員会報告書の表紙が青色だったことが起源で、各国政府や政府系研究機関が発行する研究報告書を指す。中国では「米国青書」「欧州青書」などがすでに出版されている

 日本青書は学者約30人が執筆。同院日本研究所の李薇所長は総括で、08年の日本について「国際金融危機55年体制崩壊後の政党政治の混乱などにより、雇用構造が変化、格差拡大も生じ、日本社会は過渡期を迎えた」と結論づけている

 経済篇では、一昨年12月から昨年1月に発生した中国製ギョーザ中毒事件に関する報告もあり、日本と中国の食品安全管理制度の違いを分析した上で、この事件が日本で中国食品に対する不信感を拡大させた原因の一つは、「中日関係の改善に不満を持つ日本国内の右翼勢力が事件を利用して大きく宣伝したからだ」との独自の見解を示した。

 しかし、一方で「“毒ギョーザ”事件はわが国の食品安全面での欠陥を露呈している」と中国側にも問題があることを認めている。「中国には全く非がない」という昨年の中国当局の立場と微妙に違っている

 日朝関係に関する外交篇の報告では、「日本は戦争の反省や戦後補償について具体的な約束をしなければ、朝鮮側の理解と協力を得られないだろう」と言及する一方、「朝鮮側は拉致問題の解決に積極的な姿勢を示さなければ、行き詰まった日朝対話が新たな局面を迎えるのは難しいだろう」と記述している。

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結局なんだかわからない感じではありますが、他には、
中日貿易、引き続き減少の見込み 社会科学院報告

http://www.asahi.com/international/jinmin/TKY200908190249.html
2009年8月19日14時37分
 中国社会科学院日本経済学会と共同で発表した報告によると、国際金融危機と世界経済低迷の影響下、中日間の経済貿易協力は大きな打撃を受けた。二国間貿易は今後も減少を続け貿易摩擦を回避するのは難しい見通しだ。「上海証券報」が伝えた。

 日本は中国にとって第三の貿易パートナーであり、第二の投資元でもある。中国は日本にとって最大の貿易パートナーとなっている。08年11月以来、中日二国間貿易と日本の対中直接投資はどちらも減少を始め、09年になってからは減少幅がさらに拡大している。1月から4月までの中日貿易は前年同期比23%減、対中直接投資は同比15%減となった。

 中国社会科学院日本研究所の張季風・研究員によると、外需への依存度が比較的高い日本経済は世界経済低迷の下、米国や欧州よりも深刻な打撃を受け、戦後最悪となる3%前後のマイナス成長に直面している。日本の輸出は減少し、設備投資は急落し、個人消費も低迷している。

 中国で発表された最新の日本経済青書「日本経済・中日経済貿易関係発展報告(2009)」によると、中日両国の金融システムへの世界金融危機の直接的な影響は有限的なものだ。両国はいずれも、国内の貯蓄と外貨準備を十分に持っている。報告書では、「両国は、金融監督や証券市場提携、金融サービスなどの分野での政策協力を強め、世界と地域に適切な貢献をするべきだ」との呼びかけがなされた

うーん、外需への依存度は中国の方が高かったような。ちょっとソース見つかりませんが。日中の外貨準備は確かに多いですよね。それで何とかなるのかな。