<タイ>「経済難民」数百万人 大半、ミャンマーから

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090903-00000107-mai-int

 【バンコク西尾英之】タイ北部チェンマイに住むミャンマー少数民族の小学生、モン・トンジー君(12)が「無国籍」のため、日本で開かれる折り紙飛行機大会に参加したくてもパスポートを取得できなかった問題は、タイ政府の特別な計らいで渡航できる見通しとなった。モン君の境遇は、軍事政権支配で経済が低迷するミャンマーから繁栄するタイへ、多数の「経済難民」が流出している現状を浮き彫りにした。

 「故郷では戦闘が続き、仕事がない。自分から帰国することはありえない」。モン君の父親、ユン・トンジーさん(33)は語った。

 故郷は8月にミャンマー政府軍と少数民族武装勢力の戦闘が再燃したばかりの同国北東部シャン州。結婚直後の95年、戦闘から逃れるためタイ北部へ密出国した。

 当初は完全な「不法滞在」だったため、モン君の出生も届けられなかった。01年にタイ、ミャンマー両国の合意に基づき一時的な労働許可を得られたため、モン君は地元の公立小学校に入学することができた。

 現在は日給200バーツ(約600円)の作業員の仕事に就き、生活も比較的安定している。しかし、将来もタイに滞在できる保障はなく「一時許可を取り消されれば、タイからも出国するしかない」と不安は尽きない

 タイ政府によると、ユンさん一家のような「外国人労働者」は現在国内に約250万人。実際にはこの数倍に上るとの見方もある。カンボジアラオスから流入した人々もいるが、大部分はミャンマーからの難民だ。

 東南アジア諸国連合ASEAN)のなかでも、タイは軍事政権への制裁などに反対し、対話路線を強く主張する。背景には、陸続きのミャンマーが混乱に陥り、これ以上難民が流入すれば、自国の治安維持にも深刻な影響を及ぼしかねないという危機感がある。

 モン君と同様の「無国籍児童」も40万人に上る。政府は多数の無国籍児童の存在が「将来、治安問題を引き起こす恐れがある」として、タイ語を学ばせ、タイ社会に同化させる方針を取っている。

 モン君が通う小学校は全校児童の約6割が「無国籍児」だ。これを嫌うタイ人家庭は、無国籍児のいないチェンマイ中心部の学校に子供を越境通学させるなど、地域社会とのあつれきも起きている。

【関連ニュース】
イエメン:政府軍と反政府勢力の戦闘が激化 40人が死亡
パレスチナファタハ指導部若返り
アフリカ:コンゴ民主共和国ルワンダ、関係修復へ
ソマリア:難民イエメンへ、09年前半で3万人
スーダン:部族抗争185人死亡…国連事務総長が非難声明

ミャンマーは中国のほうにも難民が行っていましたね。ミャンマー軍政を擁護するつもりはありませんが、ミャンマー安定のためには制裁より対話なんですね。しかし誰と誰との対話なのか、また軍政がそれを望むのかも分かりませんが。