ウイグル自治区で再びデモ 胡演説集中学習キャンペーン中

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090904-00000608-san-int

 【北京=野口東秀】中国国営新華社通信によると、3日に漢族による数万人規模のデモが発生した新疆ウイグル自治区ウルムチ市で4日、再び1千人規模のデモが起き、武装警察部隊が催涙弾を使って鎮圧した。治安悪化の原因を政府とウイグル族に求める漢族の抗議行動は、10月1日の建国60周年を前に胡錦濤(こ・きんとう)指導部が展開する民族団結キャンペーンの限界を露呈した。

 デモのきっかけは、8月中旬からウルムチ市で多発していた注射針を使ったとみられる刺傷事件だ。新華社通信によると、公安当局は3日までに容疑者21人を拘束。ロイター通信が地元テレビの報道として伝えたところによると、被害者476人のうち433人が漢族だという。

 7月5日のウルムチ暴動後の治安悪化に対する不満が、デモの引き金になったとの見方があり、漢族の間では一連の刺傷事件はウイグル族の犯行だとの憶測が広がっていたとの指摘もある。5歳の子供に針でけがを負わせた犯人を住民らが取り押さえたことが騒動の発端だった、との情報もある。

 8月下旬には、胡主席が4日間をかけてウイグル自治区を視察したほか、温家宝(おん・かほう)首相と習近平(しゅう・きんぺい)国家副主席が内モンゴル自治区を、李克強(り・こっきょう)副首相が青海省チベット族自治州を視察するなど、中国共産党政治局常務委員が相次いで、少数民族地域を集中的に訪問した。

 指導部による異例の訪問は、建国60周年を前に当局が進める民族団結キャンペーン本格化の合図だった。胡主席は視察中、「少数民族地域での経済発展を基本に社会の安定を維持し、民族団結を堅持せよ」と訴えた。ウイグル寧夏回族、広西チワン族などの各自治区では、政府や軍、企業が「学習会」を開き、胡主席の「重要講話」の周知徹底に努めた。

 生活水準向上に向けた多額の支援といった懐柔策を主とする少数民族政策には限界がある。ウイグル族の企業家は「一時しのぎに過ぎない。漢族主導の統治策が問題」と指摘する。

 3日、群衆の説得にあたった自治区共産党委員会の王楽泉(おう・らくせん)書記(党政治局員)はデモ参加者から退任を求める罵声(ばせい)を浴びせられた。多数の市民が党高級幹部の辞任を公の場で叫ぶことは異例で、利権を甘受してきた漢族からも不満の矛先を向けられるなど、指導部の威信が揺らいでいる

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王楽泉というのは
新疆武装警察トップが昇格=暴動鎮圧に功績−中国
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20090815/p2
の時にも出てきましたが、昔から強硬派なんだと思いますが、漢族からも批判されるとは意外ですね。