露、魔の8月乗り切る? それでもプーチン首相、高支持率

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100820-00000113-san-int

 ■原潜クルスク沈没、旅客機同時爆破テロ、グルジア紛争、水力発電所事故

 【モスクワ=遠藤良介】ロシア西部での深刻な森林火災で政権の統治能力に疑問符が付いたにもかかわらず、プーチン首相の支持率が64%と高水準を維持している。鍵を握っているのは、国民の大多数が情報源とする主要テレビ局を政権が支配している現実だ。ロシアでは過去10年間、8月に大事故や紛争など国を揺るがす出来事が集中してきたが、今年も政権は「魔の8月」を乗り切れそうだ。

 世論調査基金によると、火災が拡大していた8月1〜12日にメドベージェフ大統領の支持率は52%から57%プーチン首相も61%から64%まで上昇した。火災の死者が50人超、住居を失った人が3500人に達し、現行の中央集権体制が大規模災害に効率的に対処できない現実があらわになった中での支持率回復だ。

 「人々は、プーチン氏が消火に走って役人を叱責(しっせき)し、被災者に復興資金を約束する光景ばかりをテレビで見ている」。世論調査機関レバダセンターのグトゥコフ所長はこう指摘し、「テレビのプロパガンダ(政治宣伝)によって、統治の質や効率、政権の責任は一義的な問題でなくなっている」と分析する。

 プーチン氏が前大統領に就任した2000年の8月には原子力潜水艦クルスクの爆発・沈没で乗組員118人全員が死亡。04年8月には旅客機2機の同時爆破テロがあった。08年にはグルジア紛争昨年は死者・行方不明者70人以上を出す水力発電所事故がともに8月に起きている。

 技術力とインフラの立ち遅れや人命軽視、テロ対策の不備や近隣国との関係悪化など、国の根本的問題を浮き彫りにする大事件を政権は乗り越えてきた形だ。

 在モスクワ・カーネギー・センターのペトロフ研究員は「潜水艦クルスクの事故で支持率が大きく低下し、プーチン氏は学んだ。以後、大事件の後には上手に住民と交流するようになり、今夏の火災では現場に飛び込む力強い指導者像を見せている」と話す。

 ただ、ペトロフ氏は政権に対する世論の「疲れ」と全般的な支持率低下傾向も指摘する。今秋の地方選や支持率の動向によっては、政権が権力保持を目的に繰り上げ選挙に踏み切る可能性も排除されないという。

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ロシア政権の支持率は追ってませんでしたけど、
疑似民主主義に限界 露全土でデモ プーチン退陣、公然と要求
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20100324/p3

2009/11の記事では
プーチン65% メドベージェフ54%でも支持率低下といわれてたんですけどね。