スー・チーさん、総選挙「投票しない」 ミャンマー

http://www.asahi.com/international/update/1013/TKY201010130522.html

2010年10月13日23時48分

 【バンコク=五十嵐誠】ミャンマービルマ)の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんは12日、弁護士と面会し、11月7日に実施される総選挙では投票しない考えを伝えた。自宅軟禁中のスー・チーさんに対し、選挙管理委員会は投票を認める措置をとったが、軍事政権主導の総選挙に反発した形だ。

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一年位前には
オバマ大統領、スー・チーさんの釈放要求
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20091116/p2
とありましたが、最近では劉氏の釈放要求ばかりで、スーチーさんに関してはほとんど何も聞かれません。その記事の三日後に
ミャンマー>米が方針転換、スーチーさん、孤立化の恐れも
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20091118/p1
という記事もありました。

ちょっとソース失念してしまいましたが、NLDが選挙ボイコット方向を決めて、そこから選挙参加を決め独立した国民民主勢力(NDF)の中には、NLDが選挙ボイコットを呼びかけるのに対して、選挙戦を戦っているのは我々だと反発もあるのだとか。どうにかしないとまずいことになると思うのですが。

追記:
上記のソース見つかりました。題名にミャンマーって入ってなかったのかw
【土・日曜日に書く】シンガポール支局長・宮野弘之 瀬戸際に立つ民主化の象徴       

http://sankei.jp.msn.com/world/asia/101017/asi1010170334000-n1.htm
 11月7日にミャンマーで20年ぶりに行われる総選挙までちょうど3週間となったが、同国の民主化勢力は予想以上の苦しい戦いを強いられている。民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チーさんが率いた最大野党・国民民主連盟(NLD)が解党し、スー・チーさんが選挙ボイコットを呼びかけているためだ。民主化を求める国民の多くは、彼女に従って投票をボイコットするのか、それとも他の野党に投票するのか、ジレンマに直面している。同時にスー・チーさん自身も、民主化運動指導者としての正念場に立たされている

 ◆民主化勢力内部の確執

 前回、1990年の総選挙でのNLDの圧勝は、軍事政権にとっては想定外だったとされる。このため、軍政がNLDへの政権移譲を拒否し、以来、今回の総選挙に至るまでの20年間は、軍政が前回のような民主化勢力の圧勝をいかにして防ぎ、軍の直接、間接による統治を今後も続けるための“段取り”を組むための時間だといっても過言ではない。

 軍政はだからこそ、スー・チーさんはじめ政治犯を釈放せず、NLDの影響力をいかにそぐか腐心してきたのだ。その結果、軍政の措置に反発し、NLDが選挙ボイコットを決め、政党登録をせずに解党の道を選んだのは、軍政の“思うつぼ”だったといえる。

 今回の選挙では、上下院1171議席に対し、全国で37政党、約3千人の候補が立候補した。軍籍を離脱した軍政幹部らで作る連邦団結発展党(USDP)など親軍政政党が、議席をほぼ独占するのは確実とされるなかで、ボイコットを決めたNLDから分離し、選挙参加を決めた国民民主勢力(NDF)は、ミャンマー民主党(DP)や連邦民主党(UDP)など野党5党と選挙協力を行い、議席獲得を目指している

 しかし、潤沢な資金を持つ軍政の翼賛政党、USDPが「学校や病院などを訪れ、金を使って支持を訴えている」(NDF幹部)のに対し、野党側はビラさえも満足に配れず、厳しい選挙戦を強いられている。

 こうした状況に、同じ民主化勢力でありながら、選挙を「見せかけ」と非難し、ボイコットを呼びかける旧NLD幹部への不満がつのっているという。

 ◆和解へ向け解散も辞せず

 NDF幹部のキン・マウン・スエ氏は、今月9日の反軍政誌「イラワジ」(電子版)のインタビューで、「われわれが選挙を戦っているのに、彼らは動かずにしゃべっているだけだ」と、NLD幹部を痛烈に批判した。

 ただ、スー・チーさんの高潔さと英明さは尊敬しており、彼女が指示するならば、選挙後、民主化勢力の再結成のため、NDFを解散し、NLDと再び一緒になる考えを示した。

 同時に、同氏は「選挙後に魔法のように一夜で民主主義が現れるわけでも、軍政が突然消えるわけでもない」などとして、スー・チーさん側に現実的な対応を呼びかけた

 国会議員の経験を持つキン・マウン・スエ氏は、「民主化実現には、強い中間層の成長が必要」として、5年をめどに「経済的民主主義」を実現し、その後、「社会的民主主義、政治的民主主義」の実現を目指す考えを明らかにしている。

 これに対し、スー・チーさんは12日、ヤンゴン市内の自宅で面会した側近に、NLDが解党し支持する政党がなくなったことや、自宅軟禁を含め服役している人に投票権は与えられていないことを挙げ、改めてどの政党にも投票しない考えを示したという。

 スー・チーさんの発言が、キン・マウン・スエ氏の呼びかけを知った上でのものかはわからない。さらに、選挙後の「和解」について、どう考えているのかも、現時点では不明だ。

 ◆問われるリーダーの力量

 軍政当局は先に、スー・チーさんを自宅軟禁期限が切れる11月13日に釈放すると明らかにした。仮に釈放された場合、投票から約1週間、議席はほぼ確定しているだろう。

 釈放後、すぐに国民の前で発言できるかどうかはわからないが、スー・チーさんは、選挙結果を受け入れるかどうかの態度表明を迫られることになる。

 軍政与党が議席を独占すれば、徹底的に批判できるだろうが、少数でも民主化勢力が議席を獲得した場合が問題だ。これまでの主張通り、選挙結果を否定すれば議会での民主化勢力を否定することになりかねない。確執を乗り越え、民主化勢力の和解と再結集のため選挙結果を受け入れることができるのか、スー・チーさんのリーダーとしての力量が問われている。(みやの ひろゆき

NLDボイコット前の状況については、
ミャンマー政党法、狙いはスー・チーさん外し
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20100311/p2
参照。