「韓国の自動車市場は不公正」 フォードが全面広告(上)

http://www.chosunonline.com/news/20101106000024

 米フォード自動車は4日付の米主要日刊紙12紙やオンラインメディアなどに、「韓国の自動車市場は不公正であり、これを正さなければ米国車は売れない」という内容の全面広告を掲載した。

 この広告は、今月8日から9日にかけてソウルで開催される韓米自由貿易協定(FTA)の追加交渉を狙ったものだ。広告には大きな文字で、「韓国が52台の自動車を米国に輸出する間に、米国はわずか1台の自動車しか輸出できない」と書かれている。

■フォードはFTAの不公正さを主張し両国市場で韓国メーカーをけん制

 この広告でフォードは、「われわれは自由貿易を信じているが、これ(韓米間の自動車貿易)は自由貿易ではない」「もし韓米FTAの内容が正されなければ、韓国は世界で最も閉鎖的な市場の一つになるだろう」と非難した。さらに「韓国で売れる自動車のうち、輸入車はわずか5%未満だ。これは米国だけでなく、日本車やドイツ車の輸入も、韓国で阻止されていることを示している」と主張した。

 さらにフォードはインターネットを通じ、「韓国は為替を操作して輸入車の価格を引き上げている。これは、自分たちの車に補助金を支払っているようなものだ」「韓国政府による燃費規制や排出ガス規制は、米国車の販売において障害となっている」とも非難した。

 産業研究院(KIET)のイ・ハング・チーム長は、「米自動車大手3社(ゼネラルモーターズGM〉、フォード、クライスラー)の中で、フォードは特に韓国市場の公正性に問題があると主張している。これはフォードが、中小型車中心の韓国市場への進出を狙っているのと関連がありそうだ」と語る。GMは韓国に100万台規模の工場(GM大宇)を保有しており、クライスラーは親会社フィアットとの合弁により、韓米FTAにはさほど関心を示していないとされる。


 米フォード自動車は4日付の米主要日刊紙などに、「韓国で1台の米国車が売れる間に、米国では52台の韓国車が輸入されている 」という内容の広告を掲載した。

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

「韓国の自動車市場は不公正」 フォードが全面広告(下)

http://www.chosunonline.com/news/20101106000025
■ブランド価値や商品性に劣るため売れない原因を貿易障壁と主張

 フォードが掲載した広告について、仁荷大学経済学部の鄭仁教(チョン・インギョ)教授は、「米国車が韓国であまり売れない根本的な原因からは目を背け、市場が不公正だという主張ばかりを繰り返している」と指摘する。

 フォードの主張は、基本的な事実関係に反するものだ。韓国市場での輸入車のシェアは5%以下ではなく、今年1-9月の時点では7%に達している。韓国での自動車販売台数は全体で94万6545台だが、そのうち輸入車(非公式輸入を除く)は6万6393台だった。さらに、自動車購入価格全体に占める輸入車のシェアは20%を上回る。これは、輸入車の価格が国産車に比べ平均3倍を上回るからだ。

 韓国の輸入車販売台数は、2005年までは年間3万台ほどだったが、その後は昨年まで年平均25%ずつ成長している。また、今年1-10月の輸入車販売台数は7万3957台で、これは前年同期に比べ52%増だ。韓国市場全体における輸入車のシェアは着実に拡大し続けているのだ。

 もちろん、輸入車がすべて同じように売れているというわけではない。今年1-9月に販売された輸入車の内訳を見ると、欧州車は65%、日本車は25%を占めたが、米国車はわずか8.5%だった。これは、米国車のブランド価値や商品性が乏しく、韓国のユーザーあまり好まないためで、韓国市場が閉鎖的だからではない

■米企業であるGM大宇を合計すれば米国車のシェアは10%超

 米国車は世界のどの国にもあまり輸出されていない。昨年の米国車全体の輸出台数は75万台だった。それも周辺の無関税国、カナダやメキシコを除けばわずか32万台だ。

 韓国市場での米国車のシェアを計算する場合、米企業のGM大宇の販売台数を含めると、韓国市場での米国車のシェアは10%を上回るBMRコンサルティングのイ・ソンシン代表は、「フォードによる今回の広告戦略は、逆に韓国ユーザーの反感を買う可能性もある」とコメントした。

崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報朝鮮日報日本語版

ジャパン・バッシングと同じような事が韓国でも起きてるんですね。日本も周りの国の状況を意識したほうが良いと思います。