核ミサイルが来た時、日本は… ROEを作成せよ
産経新聞ぽい記事といえばそうですが。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101225-00000091-san-int
【from Editor】11月23日の北朝鮮による、韓国領土への砲撃は、軍事的にもさまざまなことを教えてくれた。そのひとつは野砲に対しては迎撃が不可能であるということだった。
現代、国防に関する先進国の最大の関心事は、ミサイル攻撃に対してどのように迎撃するかである。簡単にいうと、核弾頭などを搭載したミサイルが自国に向けて発射された場合、こちらからも迎撃ミサイルを発射して、敵のミサイルにぶつけて、自国への被害を生じさせないようにするのである。通常、MD(ミサイル・ディフェンス)と呼ばれている。これには宇宙技術、IT技術など最先端の技術が必要で、先進国は多くの予算をさいている。
しかし、今回のような野砲による砲撃には何もできなかった。砲撃されれば、一方的に被害が広がるだけで、軍民はシェルターにでも逃げ込む以外に方法はない。あとは、こちらから反撃するだけだ。被害は防げないのである。最先端技術に目がいき過ぎて、足元をさらわれた思いだった。
もうひとつの教訓は、北の砲弾には意外と不発弾が多いということだ。まだ、確定ではないが、1割以上だともいう。現代の野砲で1割以上の不発弾ということは、砲弾の質がかなり劣化していることを示している。
3番目に、これが一番重要なのだが、日本はROE(ルール・オブ・エンゲージメント)の制定を急がねばならないということだ。「交戦規定」と訳されるROEは、ある国が万が一、戦闘行動に入った場合、どこまで戦闘行動をとることが許されるかを規定したものである。ROEを持っていない先進国はない。
韓国は今回の紛争を受け、今月に入ってROEの一部を改定し、これまでの「砲撃には砲撃で反撃する」から「砲撃には空爆もあり得る」とした。ROEは局地的な紛争を拡大しないためにも有効で、自軍の行動を抑止する役目も果たしている。
自衛隊にはROEに似た「部隊行動基準」が平成12年に定められたが、その目的はPKOにおける武器使用基準である。従来、日本政府はにきた。「自衛隊は軍隊ではなく、専守防衛だから」ということで、ROEを作成せず
だが、先に閣議決定された「新防衛大綱」は「専守防衛」から「対処能力の向上」がうたわれている。とすれば、政府は早急にROEを作成し、いまそこにある危機に備えなければならないだろう。(編集委員 大野敏明)
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まぁでも産経新聞の言うことだからと軽く見るわけにも行かないと思います。
実際に北朝鮮と交戦した韓国の新聞記事
■北朝鮮砲撃:ためらいはむしろ戦闘拡大を招く(上)
http://www.chosunonline.com/news/20101211000034
「第一線」で防ぐべき北朝鮮砲撃
軍事専門家の多くが、先月23日に北朝鮮が延坪島へ砲撃を行った際、出撃した最新鋭F15K戦闘機の回航を残念がった。北朝鮮が韓国側の対応をテストし、じわじわ挑発のレベルを高めていくという悪循環を断ち切る機会を逃したというわけだ。盧泰愚(ノ・テウ)政権で大統領府(青瓦台)国防秘書官、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で国防補佐官を務めたキム・ヒソン安全保障問題研究所所長(予備役陸軍中将)は、「当時、北朝鮮のミグ23戦闘機が飛来してきたが、F15Kにかなう相手ではなかった。もし空中戦が起こっていれば、北朝鮮が完敗し、“挑発には代価が伴う”という確実なメッセージを伝えることができただろう」と語った。またキム所長は、「全面戦になったらどうするのかと言う人がいるが、全面戦は、韓国が懸念している以上に北朝鮮も恐れている」と語った。
韓国軍が戦闘機による爆撃を放棄した表向きの理由は、「対等な武器」で対応しなければならないという国連軍司令部の交戦規則のためだが、その裏には、戦闘の拡大を懸念した韓国軍最高首脳部のためらいがあった。しかし専門家らは、歴史の教訓を挙げ、戦闘の拡大をためらっていては、逆に戦闘の拡大を招くことになると強調した。第2次大戦発生直前、戦争だけは避けようと、ヒトラーとの対話に臨んだイギリス首相チェンバレンの失敗談が、その代表例だ。ヒトラーがチェコスロバキアを占領しようとした際、チェンバレン首相は、チェコスロバキアの一部だったズデーテン地方をドイツに与える代価として、「平和的解決」を保障する内容を盛り込んだミュンヘン協定を結んだ。その後、イギリスに帰国したチェンバレン首相は、この協定を振りかざし、「わたしたちの世代ではもはや戦争はない」と叫んだが、翌年3月にはヒトラーはチェコスロバキア全土を占領し、同年9月にはポーランドに侵攻、第2次大戦がぼっ発した。小さな対決を恐れ、より大きな対決を引き起こしたわけだ。
国策研究機関のある関係者は、匿名で「北朝鮮は一段階ずつ挑発の強度を高めているが、その度に“戦闘が拡大したらどうするか”と心配していては、北朝鮮にやられ続けるしかない。もし北朝鮮が、ソウルに長射程砲を1、2発撃ち込み、誤って発射したと主張すればどうするのか」と語った。
日本が同じ目にあう前に他人の経験から学ぶべきではないでしょうか。
■北朝鮮砲撃についてコメント頂いたので振り返ってみようかと。
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20101206/p4
で、李明博の考えを少し想像してみました。