スーダン住民投票 遊牧部族指導者にインタビュー アビエの南部編入には「武力行使」

http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/110110/mds1101102156004-n1.htm


サーディク・バボニムル氏(大内清撮影)

 スーダン南部の独立の可能性が高まる中、今後、南北の政権間協議の焦点となるのが中部アビエの帰属問題だ。その周辺を生活圏とし、北への残留を主張するアラブ系遊牧部族ミッセリアの有力指導者で、野党ウンマ党幹部のサーディク・バボニミル氏(57)は産経新聞とのインタビューで、投票プロセスから排除された場合は「武力抵抗する」と言明、南部自治政府を主導するスーダン人民解放運動(SPLM)との軍事衝突も辞さない姿勢を示した。

 アビエの住民投票は和平合意で、南部住民投票と同時に行うとされていた。しかし南部の自治政府側が、有権者はSPLMの主要構成民族であるディンカ人系など定住民に限定すべきだとするのに対し、北部のスーダン政府側はミッセリアも含めるべきだと主張。アビエには豊富な石油資源が眠るとされるだけに歩み寄りは難しく、投票実施のめどは立っていない。

 現在、スーダンの首都ハルツームに生活拠点を置くバボニミル氏は「ミッセリアは1年のうち約8カ月をアビエ付近で遊牧する。有権者となるのは当然だ」と語る。約100万人のミッセリアに投票資格が与えられれば南部編入派の定住民を上回るのは確実という。

 バボニミル氏は南部編入について「(内戦中に敵対した)SPLMの報復があるのは間違いなく、受け入れられない」と不信感をあらわにする。その上で「問題は石油ではなく土地を奪われるかどうか。戦う準備はできている」と強調。「そうなれば北部の政府軍はわれわれを支援するだろう」と、南北の本格対立につながる可能性を示唆した。

 ミッセリアの装備については、内戦中からの蓄えや「SPLMの横流しで入ってくる武器もある」と証言した。(大内清)

南部スーダン独立か 火種くすぶる住民投票 9日開始
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110105/p3
あたりも参照。