「PKO活動、常に中立あり得ぬ」 国連事務総長が発言
http://www.asahi.com/international/update/0513/TKY201105130655.html
2011年5月14日5時34分国連の平和維持活動(PKO)をめぐり、潘基文(パン・ギムン)事務総長が「市民の保護が問われる場合は、部隊の中立はあり得ない」と安全保障理事会の理事国に説明していたことがわかった。従来のPKOは「中立性の順守」を掲げ、日本のPKO参加5原則でも「中立的立場の厳守」を定めており、今後議論を呼びそうだ。
複数の国連外交筋が朝日新聞に明らかにした。発言のきっかけは、大統領選をめぐる混乱が続いていたコートジボワールで、大統領職に居座るバグボ氏派の拠点をPKO部隊が先月4日に攻撃したこと。安保理理事国のロシアや南アフリカが「PKOは公平・中立の義務がある」と反発したため、4月末にPKOのあり方をめぐり、安保理の15理事国の代表と潘氏で非公式の協議が開かれたという。
その協議で潘氏は、コートジボワールでのPKO部隊によるバグボ派拠点の攻撃は、あくまで市民の保護と部隊の自衛のためだったと述べて正当化し、「国連の平和維持活動は公平・公正の立場に立つが、常に中立であることはあり得ない」と強調したという。
従来のPKOでは、展開する前提として「紛争当事者の合意」とともに「中立性の順守」を掲げてきた。潘氏の発言は、今後のPKOでは国連が「市民の保護」の観点から人権侵害をしていると見なした相手に対しては、直接的な軍事行動を取ることもあり得ると踏み込んだものだと、協議の出席者らは受け止めた。
発言に対して、複数の安保理理事国が国家主権の尊重や内政不干渉を理由に反発。ナイジェリアとフランスは「人権侵害を防ぐために、強制措置を取ることはやむを得ない」と理解を示したという。
日本では、「中立的立場の厳守」などの参加5原則を維持したまま、潘氏の下でのPKOに参加できるかが問題視される可能性がある。
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最後の一文は朝日は問題視しますよと言う予告にしか思えませんが。
コートジボワールについては、こちら。
■仏・国連が軍事介入=バグボ派拠点に空爆―コートジボワール
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110406/p1
こういう記事もありました。
■リビア介入、国連は動くか 「国民を保護する責任」初適用も
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20110301/p2