イスラエル 通路掘削工事でパレスチナ人ら反発 逮捕も

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070209-00000021-maip-int


聖地につながる傾斜路の修復工事現場。左上が「岩のドーム」、中央の通路は木製の仮橋=エルサレム旧市街で、前田英司撮影

 【エルサレム前田英司】エルサレム旧市街で、イスラエル文化財当局がイスラム教の聖地につながる通路を修復するための掘削工事を始めた。これにパレスチナイスラム諸国が「聖地の一部が破壊される」と激しく反発。イスラエル警察によると6日の工事開始以降、パレスチナ人ら30人以上が投石などで工事を妨害したとして逮捕された。イスラム教組織は金曜礼拝が行われる9日、現地での抗議行動を呼びかけており、暴動を誘発する恐れがあると緊張が高まっている。

 文化財当局などによると、工事は旧市街南部の糞門(ふんもん)からイスラム教の聖地「ハラム・アッシャリーフ」(ユダヤ名「神殿の丘」)につながる傾斜路を再整備するもの。04年2月の地震と雪害で傾斜路の一部が崩壊し、これまで木製の仮橋を設置して使用していたが、老朽化などで安全性に問題があるとして6日からショベルカーを使って修復工事を始めた。

 現場はユダヤ教徒が祈りをささげる「嘆きの壁」のすぐ脇。イスラム教の預言者ムハンマドが昇天したとされる黄金色の「岩のドーム」や「アルアクサ・モスク」が建ち、イスラム教の聖地とされる高台の下部に当たる。

 文化財当局は「作業は考古学者ら専門家チームの監督下で実施する」と安全性を強調する一方、ワクフと呼ばれるイスラム教の聖地管理組織に「事前に計画を伝えた」と主張。イスラエル首相府も「(工事で)聖地を傷つけることはない」と説明している。しかし、ワクフ側は「(工事に)同意していない」と反発している。

 聖地を巡っては96年9月、イスラエルが「嘆きの壁」の地下にあるトンネルを開通させたことにイスラム教徒側が反発し、イスラエル兵16人、パレスチナ人69人が死亡する事態に発展したことがある。

 イスラエル放送などによると、ヨルダンやサウジアラビア、イランなど周辺イスラム諸国も工事に反発。イスラム原理主義組織イスラム聖戦は8日、工事への抵抗として、ガザ地区からイスラエル領内にミサイルを撃ち込んだ。

第二次インティファーダに匹敵する問題に発展する可能性も示唆されてますなぁ。どうなるんでしょうか。