「本当に勇敢な少年らだ」メフスード司令官の通話記録

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071229id26.htm

パキスタン情勢

 【イスラマバード=花田吉雄】パキスタン内務省報道官が28日の記者会見で公表した
通話記録は、メフスード司令官が部下に対し、「本当に勇敢な少年らだ」と述べ、実行犯
の名前を尋ねるなど生々しい内容だった。

 会話の抜粋は以下の通り。

         ◇

司令官「おめでとう。彼らは我々の仲間なのか」

部下「はい。仲間です」

司令官「誰なんだ」

部下「サイード、ビラルとイクラムッラーです」

司令官「3人がやったのか」

部下「ビラルとイクラムッラーです」

司令官「それはおめでとう」

部下「あなたは今、どこにいるんですか。お会いしたいのですが」

司令官「マキーン(南ワジリスタン地区の町)だ。アンワル・シャーの家にいる。来い」

部下「了解。行きましょう」

司令官「大変な努力だったな。彼女を殺したとは本当に勇敢な少年たちだ」

部下「ありがとうございます。伺ってから詳細をお伝えします」

司令官「待っている。改めておめでとう。君のために何かできることはあるか」

部下「ありがとうございます」

(2007年12月29日22時6分 読売新聞)

メフスード司令官と言うのは、バイトゥッラー・メフスードが本名のようですね。

アルカイダ関与」示す通話録公表=実行犯称賛する内容−パキスタン内務省
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071229-00000018-jij-int

 【ニューデリー29日時事】パキスタン内務省スポークスマンは28日の記者会見で、国際テロ組織アルカイダがブット元首相暗殺に関与したことを示す通信を傍受したとして、その内容を公表した。通信内容はアフガニスタン国境の連邦直轄部族地域・南ワジリスタン地区の部族幹部でイスラム武装勢力指導者のバイトゥッラー・メフスード容疑者と、武装勢力幹部とみられる男の会話。

 当局は、メフスード容疑者をアルカイダアフガニスタンイスラム原理主義勢力タリバンにつながる重要人物として指名手配していた。 

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アルカイダ「犯行声明」を捜査とFBI、ブット元首相暗殺
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071228/1198835452
の下のほうの記事に出てきた、イスラム原理主義タリバーンのベトゥラ・メスード司令官でしょうか。やはり予告どおりということなんでしょうか。

追記:
当人は関与を否定しているようですね。
<ブット氏暗殺>武装勢力幹部が関与、と内務省 当人は否定
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071229-00000051-mai-int

 【ラホール(パキスタン東部)栗田慎一】パキスタンのブット元首相暗殺事件で、同国の内務省報道官は28日夜、国際テロ組織アルカイダと関係が深い部族地域の武装勢力幹部、メスード司令官が関与したとの見方を示した。また、ブット氏は銃弾を受けておらず、乗っていた車のサンルーフに頭部を強打したのが死因と説明した。

 内務省によると、司令官は事件後、部下に「彼女を殺害した彼らは本当に勇敢な少年たちだ」と電話したという。これに対し、司令官の報道官は29日、AFP通信に事件への関与を否定し「政府による陰謀だ」と語った

 内務省は事件当時の模様を撮影したビデオ映像も公開。何者かが銃を発射したように見える場面は映っているが、ブット氏の遺体には銃弾による傷はなかったとした。これについて、同氏の側近の一人は同通信に、頭部に銃弾が貫通した傷跡があったと話し、「政府発表は事件のもみ消しだ」と非難した。

どちらが言うことが本当なのか良く分かりませんが。

あとパキスタンの動きを大まかに紹介する記事があったので、取り上げておきます。
ブット元首相暗殺 数発発砲し自爆 車に乗り込む直前狙う
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071228-00000075-san-int

 爆発で投げ出された血まみれの遺体と逃げまどう支持者、燃えさかる炎…。ブット元首相が暗殺された集会所は惨状と混乱を極め、救急車のサイレンと怒号がけたたましく鳴り響いた。

 ロイター通信は現場の警察官の話として、「自爆テロ犯はブット元首相の車に向かって拳銃を発射し、ブット元首相がしゃがんでのけぞると自爆した」と犯行の状況を伝えた。

 自爆テロ犯は、拳銃と爆弾を持ってブット元首相が乗り込もうとした車両に近づき、数発発砲した上で自爆したという。

 AP通信によると、ブット元首相の車両の間近にいたパキスタン人民党(PPP)幹部は「彼女の車両が近づくとやせた若者が車両に向かって後方から飛びつき、発砲した」と証言。元首相の警護担当者は「自爆テロ犯はブット元首相の首と胸に拳銃2発を発射し、直後に自爆した」と犯行の様子を語った。

 また、現場にいたブット元首相の支持者も「彼女が車に乗り込むのをこの目でみた。その直後に爆発音を聞いた」と話した。

 ただ、現場からの情報は錯綜(さくそう)している。フランス通信(AFP)はパキスタン内務省スポークスマンの話として、ブット元首相は自爆テロ犯が胸元にしのばせた散弾で殺害されたと伝えた。

 一方、ブット元首相が搬送された病院に駆けつけた支持者らは涙を流し、「ムシャラフは犬だ」と叫びながら、怒りの矛先をムシャラフ大統領に向け、AP通信によると、警察当局は憤る支持者に向けて催涙弾を発射した。(バンコク支局)

                   ◇

 ■パキスタンをめぐる主な動き■

 1988年12月 ブット氏、イスラム圏初の女性首相に就任

   90年 8月 ブット氏、首相を解任される

   93年10月 総選挙でPPPが第一党、ブット氏が首相返り咲き

   96年11月 ブット氏、首相を再び解任

   99年 5月 ブット氏、汚職罪で禁固5年の有罪判決

      10月 ムシャラフ陸軍参謀長が無血クーデターで政権掌握

 2002年 4月 国民投票ムシャラフ大統領の5年続投を承認

   03年12月 大統領を狙った暗殺未遂が1カ月で2度発生

   07年 7月 イスラマバードのモスク(イスラム教礼拝所)に武装神学生が立てこもり、軍が武力鎮圧

       9月 シャリフ元首相が亡命先から帰国、再び国外追放

      10月 大統領選でムシャラフ氏最多得票

          ブット氏約8年半ぶりに帰国

          ブット氏狙ったテロで約140人が死亡

      11月 ムシャラフ大統領が全土に非常事態を宣言、憲法停止

          シャリフ元首相が帰国

      12月 ムシャラフ大統領が6週間ぶりに非常事態宣言解除

          ブット氏の集会で自爆テロ。ブット氏死亡

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