<カナダ>アフガン駐留見返りに仏に増派要請 NATO展開

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080209-00000026-mai-int

 【ブリュッセル福原直樹】北大西洋条約機構NATO)のアフガニスタン展開で、カナダは8日、来年の駐留期限を延長する「見返り」として、現地での展開規模が比較的小さいフランスに、兵員増派を求める交渉を始めた。カナダは、旧支配勢力タリバンとの戦闘が続く南部に展開中で、国内では派遣延長に否定的な意見も強い。多くのNATO加盟国が増派に消極的な中、仏の対応は、NATOの今後の展開に影響を及ぼしそうだ。

 カナダ軍は01年のアフガン戦争以来、現地に要員を派遣。現在は、2500人がNATO主体の国際治安支援部隊(ISAF)の一員として平和維持活動を続けている。この間、米、英に続く78人の犠牲者を出し、世論調査では半数の国民が撤退を望むなど批判が高まっている。

 このため、カナダは、リトアニアで7〜8日に開かれたNATO防相会議で、加盟国に1000人規模の南部への増派を要求。「認められない場合、派遣期間を延長できない」(カナダ政府高官)としていた。

 NATO高官によると、その一方でカナダは、8日に仏へ代表を派遣し、最大1000人のアフガン増派を求めた。背景には、仏のISAFへの派遣人員が約1500人とドイツやイタリア(約3000人)に比べ少ないことと、仏の駐留地が比較的治安の良い首都カブールに限られることがある。

 仏政府は毎日新聞に「カナダ軍を援助する意思はある」としながら、増派の正式決定などについての言及を避けている。仏政府は、4月のNATO首脳会議(ルーマニア)までの決定を目指すとみられる。だが「増派を決定しない場合、ISAFにとって大きな打撃になる」(NATO高官)のは間違いない。

NATO>アフガン増派で米英の要求空振り…国防相会議
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080208-00000047-mai-int

 【ブリュッセル福原直樹】北大西洋条約機構NATO)は7日、リトアニアの首都ビリニュスで国防相会議を開き、アフガニスタンでの今後の展開を協議したが、米英の求める増派に積極的に応じる国はなかった。同日、アフガンを訪問した米のライス国務長官は、戦闘の長期化を予想しており、NATOのアフガン展開は、今後も大きな困難がつきまといそうだ。

 アフガンではNATO主導の国際治安支援部隊(ISAF)4万3000人が展開するが、旧支配勢力タリバンとの戦闘で「3000〜5000人の要員が不足する」(NATO高官)とされる。

 このため会議ではNATOのデホープスヘッフェル事務総長が、「アフガンには増派が必要だ」「各国は危険を分担すべきだ」と発言。危険な南部への派兵に消極的なドイツなど欧州各国に対し、英米と同様に批判的な意見を表明した。

 これに対し加盟国は増派の必要性を認めたものの、増派を積極表明する国は皆無。わずかにフランスやルーマニアポーランドが「増派の検討」を示唆した。前日に増派を表明しながら、危険地域への展開を拒否したドイツは「我々は十分責任を果たしている」と話している。

 一方報道によると、アフガンを7日訪問したライス長官は「(タリバンなど)テロリスト壊滅は容易ではなく、戦いは長くなる」と異例の表現で、NATO加盟国に増派を求めた。今後、各国は4月の首脳会議(ルーマニア)に向け検討するが、意思統一には時間がかかりそうだ。

 ◇解説 原則論の再確認を

 アフガニスタン増派をめぐるNATOの亀裂は、強引にアフガンでの危険な軍事作戦の肩代わりを求めてきた米国に対する反発が原因だ。だが突き詰めれば、外国軍がアフガンで何をすべきかとの問題に行き着く。

 米軍は01年の同時多発テロ後、アルカイダタリバンの壊滅を目指してアフガンに侵攻。これに対しNATO主導のISAFは、国連決議の下に治安維持や復興支援を目的に派遣された。その後、米国はイラク戦に足を取られNATOにアフガンの肩代わりを要求、ISAFは戦闘地域へと駐留を拡大させてきた。

 ライス米国務長官は6日、「(ISAFの)活動目的は、反乱勢力との戦闘だ」と強調した。だが米軍のアフガン復興への関与軽視は住民の反発を生み、タリバン復活の一因となっている。アフガン政府は武力による解決の限界を意識し、タリバン勢力との対話も開始した。アフガン国民のために何をすべきか、NATOはもう一度原則論に戻って論議すべきだ。【西尾英之】

と言うのもありましたし、

アフガンのISAF倍増を=タリバン拡大で警告−民間シンクタンク
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071125/1196006157
というのもありましたから、本当に増派が必要なのかもしれません。