<コソボ>独立宣言受け国連安保理が緊急協議へ 紛糾必至か

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080218-00000007-mai-int
記事は毎日新聞から。
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20080218k0000m030124000c.html

 【ニューヨーク小倉孝保】国連安全保障理事会コソボの独立宣言を受け、17日に緊急会合を開いて対応を協議する予定だ。独立を巡る欧米とロシアの対立は解けておらず、協議紛糾は必至だ。

 国連は99年6月の安保理決議に基づき、国連コソボ暫定統治機構(UNMIK)によってコソボを暫定統治している。国連外交筋によると、欧州各国は早期に国連の役割を終了し、欧州連合(EU)とコソボ自らが統治する体制に移行すべきだと主張する可能性が強い

 これに対しロシアは国連統治の継続を要求するとみられる。ロシアは「潘基文(バンギムン)事務総長に国連として独立容認の流れを作らないよう圧力をかけている」(関係筋)とされ、国連は難しい対応を迫られそうだ。

 コソボは国際社会に独立が承認されたと判断した段階で、国連加盟を申請する可能性が強い。国連加盟には、安保理の勧告に基づいて開かれる総会で、3分の2以上の賛成が必要。拒否権を持つロシアが安保理で最後まで独立に反対した場合、加盟問題を総会にかけることはできず、コソボの国連加盟の道は当面閉ざされる。

毎日新聞 2008年2月18日 1時31分

コソボ独立、EU外相理事会が支持で大筋合意・ロシア反発必至
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071219/1198038895
では

 外相理は「コソボに関してはEUが責任を負う」という共同声明を採択。

したそうなのと、
コソボ独立容認と引き換えに、セルビアのEU加盟前倒しも
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071215/1197723810

首脳会議では、独立後のコソボの監督権限をEUが国連から引き継ぐため、警察官や行政要員で構成する1800人規模の使節団を近くコソボに派遣する方針も決めた。派遣の時期は今後、外相級で協議する。

となっていたのでEUコソボで統治するという方にEUは持って行きたいんだろうと思います。

一方のセルビア側ですが、
コソボ>国連安保理で協議 意見対立解けず
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080215-00000045-mai-int

 【ニューヨーク小倉孝保】国連安全保障理事会は14日、セルビア共和国からの一方的な独立の動きを強めているコソボ自治州について協議した。セルビアやロシアは交渉の継続を主張したが、安保理内の意見対立は解けなかった。

 協議を求めたセルビアのイエレミッチ外相は「コソボが数日中に違法な独立を宣言するという確かな情報がある」と非難。「独立が宣言された場合、あらゆる外交、政治、経済的な方法で対応する」と述べたが、軍事行動に出ないことも改めて表明した。ロシアのチュルキン大使は「コソボの独立は過激な民族主義をあおり立て、地域の不安定化につながる」と警告した。

 欧米はコソボ独立を支持し、すでに安保理での協議の余地はないとの立場。安保理議長国パナマのアリアス大使も同日、「安保理でできることがあるとは思えない」と述べた。

だそうです。読売新聞では、
コソボ独立宣言、セルビアが対抗措置表明へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080218-00000000-yom-int
記事は読売新聞から
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20080218-OYT1T00017.htm

 【ベオグラード本間圭一コソボ自治州の独立宣言を受け、セルビア政府は17日、外交手段による対抗措置を取る考えを表明、早くも「コソボ政権」への敵対姿勢を鮮明にした。

 同政府は早急に具体的な外交措置や経済制裁を決める予定で、コソボを神聖視するセルビア内の民族意識に配慮しながら、コソボ領有継続を対外的に示す狙いだ。セルビア政府が直ちに直接的な軍事行動を取る可能性は低いと見られるが、小規模な衝突を契機に治安が流動化する危険性もはらんでいる。

 セルビアのタディッチ大統領は17日、「各国外交団に(独立)宣言を認めないよう要請する」との声明を出し、コソボ非承認への働きかけを強める考えを示した。セルビア政府はこうした要請を経て、コソボを承認した国からの大使召還や、外交関係凍結といった措置を取り、議会承認を得る手続きに入る方針だ。コシュトゥニツァ首相も17日、「我々は国家分断を認めない」と言明、強硬な制裁を取る方針を示唆した。

 対抗措置としては、コソボ旅券所持者の「入国」禁止、コソボへの物流や電力供給の停止のほか、国際司法裁判所に独立無効を訴える手続きも検討されるという。

 一方、外交的手段以外の制裁は、慎重に行われるとの見方が強い。セルビアコソボの日用品の約7割、電力の約4割の供給に絡むと指摘され、経済制裁の影響は少なくない。だが、これを過度に行えば、コソボ内のセルビア人を含む市民生活に打撃を与える強硬手段として、国際社会からの反発を招く。結果的に、コソボに対する諸外国の同情を集める事態を招きかねない。

 今回の独立宣言の背景には、ミロシェビッチ元大統領が1990年代、セルビア民族主義を掲げたことで、国際社会がコソボアルバニア系住民を支持した事情があり、セルビア政府にとって国際世論の動向は極めて重要だ。大統領は17日、軍や治安当局が出動しない方針を改めて伝えたのは、北大西洋条約機構NATO)がコソボに駐留している現実に加え、国際世論の反発を招かないよう配慮した事情もある。

 セルビア国内のセルビア人を対象に行われた昨年12月の世論調査では、独立支持は5%に過ぎず、国民の大多数が独立に反対している。このため、セルビア政府は長期的な視点も捨てていない。タディッチ大統領は最近、「(コソボ奪回の)戦いは今後数十年かかるかもしれないが、決してあきらめない」と、国民に長期戦を呼びかけてきた。
(2008年2月18日01時53分 読売新聞)

と、やはり軍隊が動く可能性は低そうです。

まぁでも
コソボ>住民「決断の時が来た」
http://d.hatena.ne.jp/navi-area26-10/20071212/1197465191

住民の多くは「独立」が実現すればEU加盟への道も開け、40%超の失業率も改善されるのではないかと期待を抱いている。

と失業率40%というのもコソボに対する同情を集めそうですが、まぁセルビアの方の数字が分からないんでこれだけでは、何とも言えませんが。

ともかく長期戦になるのは避けられそうにないですね。